前回の「2010年シンガポール重大ニュース」の続きです。
■人口500万人を突破、移民増加率が鈍化
統計局が2010年3月から8月にかけて実施した国勢調査によりますと、シンガポールの人口は508万人で前年より1.8%の増加となりました。
尤も、508万人のうち、シンガポール国民は64%に相当する323万人で、他は永住権所持者(PR)が54万人と一時滞在者が131万人となっています。
PRの増加率は1.5%で、09年の増加率11.5%を大きく下回りました。一時滞在者の増加率も4.1%で、09年の増加率4.8%を下回りました。
外国人の急増に対する国民の不満に対処するため、政府は流入を抑制する措置を講じ、教育、住宅、医療など多様な分野で国民を優先する政策を打ち出しています。
とはいえ、シンガポールの社会人口の高齢化は今後益々深刻化していきます。
シンガポールのこれまでの発展を支えたのが移民の受け入れであったのですが、物理的にいってもこの小さな島で今後共、過去と同じペースで人口増加させることは不可能でしょう(というか、どこかで早晩限界点が来るはずです。)。
人口流入抑制に転じざるを得ないシンガポールの今後の成り行きが注目されます。
因みに昨年の100歳以上の住民数は724人(2000年は232人)、1歳未満の子どもの数は3万2788人(同4万813人)、年齢の中央値は37.4歳(同34歳)となっています。
■ユース五輪夏季大会シンガポールで開催
以前にもお伝えしたのですが、記念すべき(?)第1回ユース五輪夏季大会が、8月14日から26日の13日間にわたってシンガポールで開催されました。
とはいえ、やはり「ユースオリンピックって何?」という人のほうがほとんどでしょうねえ。
「大会には204カ国から14~18歳の選手約3600人が参加。陸上、水泳、体操、卓球、バドミントン、柔道など全26競技で熱戦が繰り広げられた」ということで、私もテニスと女子バレーボールを見に行きましたが、大会運営の不慣れさもあってか、いまいち盛り上がっていませんでした。
日本女子バレーボールも結構頑張っていたのですが、ナショナルチームという雰囲気があまりなかったものですから、調べてみましたら参加していたチームは千葉県選抜ということでして、どうにも参加国の気合の入れ方自体がいまいちだったようです。
因みに第2回ユース五輪夏季大会は中国の南京で2014年8月に開催されることが決まっています。
尚、第1回ユース五輪冬季大会はオーストリア・インスブルックで2012年1月に行われます。
■ゴー・ケンスイ初代蔵相が死去
といっても、日本ではほとんどの方が知らないでしょうねえ。
リー・クアンユー(現顧問相)と共にシンガポールの今日を築いた方で5月14日に亡くなられました。91歳でした。
与党PAP(人民行動党)の創設に関わり、経済発展の基礎を築いたことでも知られる、まさにリー・クアンユー氏の盟友ともいうべき方です。
経済開発庁(EDB)、ジュロン・タウン公社(現JTC)、中央銀行であり金融庁にも相当する金融管理庁(MAS)、政府投資公社(GCI)等を創設し幹部を歴任。
初代の蔵相ですが、副首相、国防相、教育相も歴任。国防相の時は、兵役を導入し、国軍を構築。又、今やシンガポール観光の目玉になっているシンガポール動物園やジュロン・バードパークもゴー氏のアイデアだったとのことです。
遺体は5月20日から22日まで国会に安置され、23日に国葬がとり行われました。
■リー顧問相夫人のクワ・ギョクチューさんが死去
これも訃報です。
10月2日にリー・クアンユー顧問相夫人のクワ・ギョクチューさんが亡くなられました。89歳でした。
リー顧問相との結婚生活は63年。リー氏によれば、クワ夫人は「力の源泉で、安らぎを与える存在」だったとのことです。
夫妻は同じ名門ラッフルズ・インスチテューションの学生で、奨学金を争う秀才同士でした。1年違いでどちらもロンドンに留学し、結婚後夫人は法律事務所リー・アンド・リーを夫、夫の弟とともに興しました。リー氏が政治家を続けられたのは夫人の収入があったからだとも。
リー氏が政界入りした後は演説草稿を読み、校正するするだけでなく、手直しすることもたびたび。二人で未明まで議論することもあったとのこと。
5月に同志ゴー・ケンスイ氏を失い、10月には批評家でもあり且つ最高の助力者でもあった妻クワ夫人を失い、シンガポール建国の父リー・クワンユー顧問相にとってはとても悲しい年となりました。
さて、2010年シンガポール重大ニュースのとりは、やはりこれでしょうか。
■第2四半期GDP成長率、過去最高の+19.4%に、通期は+14.7%
通産省は7月14日、第2四半期の実質国内総生産(GDP)は前年同期と比べ19.3%増加したと発表しました。(修正後は19.4%でした)
GDP成長率が13%を超えたのは最近では1972年で、13.5%。成長率の過去最高は1970年の13.8%。
更に、リー・シェンロン首相が大晦日に国民に向けて行なった演説の中で明らかにした(1月3日に正式発表)ように、第4四半期成長率(速報値)は12.5%増となり、2010年通年の成長率は14.7%と過去最高の成長となりました。
通産省はGDPの基準年を2000年から2005年に変更しており、一昨年2009年のGDPは前年比1.3%のマイナス(従来方式では2%マイナス)であったため、成長率算出の下駄は多少あったもののまさに驚くべき成長率と言えるでしょう。
尤も、昨年の4半期毎成長率前年同期比推移は、第1Q+16.6%、第2Q+19.4%、第3Q+10.5%、第4Q+12.5%となっており下期は上期に比べ成長率はやや鈍化傾向にはあります。
シンガポール政府は、2011年のGDP成長率につきましては、11月に示した+4~6%の予想を据え置いています。
