送金業者 | シンガポール通信

シンガポール通信

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シンガポールの現在の人口は約484万人で、その内、シンガポール国籍ではないもの、あるいは永住権保持者ではないものとして定義される「外国人」の数は120万人にのぼり全体の4分の1を占めています(6月末現在、国家人口事務局)。
(つまり、この120万人というのは、シンガポールにおける就労あるいは学業等で居住を認められている「外国人」(及びその家族)ということです。)
更に、労働者人口のみに絞った場合、この「外国人」労働者の全労働者人口に占める割合は約3割に達しています。

シンガポールは、そのエスニック構成が、華人系75%、マレー系14%、インド系9%と示しているように、そもそも「移民」の国ではあるのですが、近年においては、それに加え、所謂「外国人」の労働力によって支えられている国といえるでしょう。

で、このように外国人就労者が増えた場合、こと金融サービスという領域においては、一体どのようなニーズが発生するかというと、まずは前回ふれました「外貨両替」に加え、次は稼いだお金の本国への「外貨送金」ということではないでしょうか。

ということで、ちょっと前置きが長くなったのですが、今回は「送金業」についてお話します。

シンガポールにおける外国人就労者の約8割は、「Work Pass」(「労働許可証」)と呼ばれる主に、建設業あるいは家事労働等に就労するビザで働く所謂「出稼ぎ労働者」ですので、彼らにとっては、本国の家族等への仕送り送金は極めて大事なものであり、その為のサービス業者は欠かせないものになっています。

前回のコラムで「外貨両替商」(Money Changer)の事にふれ、シンガポールにおいて372の業者がMASに登録されていると述べましたが、この「送金業者」(Remittance License Holders)につきましては、その数は現在86社になっています。

尚、その内36の業者は同時に「外貨両替ライセンス」も持っていますので、注意して街の外貨両替商を見てみると、中には[Money Changer & Remittance]という看板になっているところをみかけると思います。

で、この送金業者ですが、仕向け地を中国やインドネシア、フィリピンとかの特定地域に絞ったものから、ウェスタンユニオン(米国系の元は電報通信会社です)のような大手においてはグローバルに世界各地向けを取り扱っているところまで様々です。

送金方法はいたって簡単。
送金人がパスポート等のID持参で店を訪れ、支払外貨相当のSGD現金をその業者の交換レートにて支払い、受取人情報を記載すれば終了。
一方受取人の受取り方法は、現地で現地通貨現金を業者の現地店にて受け取るか、受取人指定の銀行口座に入金してもらうかのいずれかが一般的です。
送金に要する時間は通常即日、というかオンラインで繋がってますので少なくとも現地での現金受取の場合は即刻受け取れるのが一般的です

更に目玉は、前回ふれました外貨交換レートの安さに加え、その送金手数料の安さでしょう。

これも店によってまちまちではありますが、ある人民元専門送金会社では、20万元まではSGD20、それ以上はSGD25となっており、日本円換算で千円台です。

ウェスタンユニオンのような大手は割高ではありますが、少額送金ですと例えばフィリピン向けのケースでは、SGD100相当までならSGD6。SGD100を超えSGD1,000以下の場合は SGD12となっており日本円換算で数百円からせいぜい千円以下で送金できます。(ケーブルチャージ等という今時訳のわからないその他費用はかかりません)

さて、翻ってみて日本の状況はどうなっているのでしょうか?
まず、送金業というサービス領域そのものについてですが、未だに銀行法に縛られた銀行独占となっています。(最近になってようやく門戸開放検討の動きがあるようですが)
欧米においても送金業者は銀行としては位置づけられておらず、こういうところにも日本における銀行保護行政の一面が垣間見えます。

で、その日本の銀行によるサービスの質とコストはというと、まあ答は見えているのですが、実際経験された方の中には、甚だ不愉快、不満足と思われている方が多いのではないでしょうか。

まず第一に時間がかかりすぎです。
マネロン対策といった「大義名分」の下での手続きかどうか知りませんが、
あるいは銀行ごとの中途半端なマニュアルのせいなのかどうか、
はたまた単に不慣れな行員が多すぎるからなのかどうか知りませんが、
本人確認や送金目的確認(下手すると事前の送金先登録)とかにやたら時間がかかり、散々待たされ漸く「送金して戴ける」ことになったとしても(場合によっては断られることもあります)、
最後に渡された送金明細の手数料を見て絶句するというのがおちではないでしょうか。

近頃はこれでも以前に比べれば手数料は「下がった」とかいわれるのですが、どんなに安いところでも数千円。
高いところでは全ての(訳の判らないその他)手数料を含めると1万円ということもあります。当然ながら即日クレジットなんてことはありえません。

さて、この状況をどう考えればいいのでしょうか。

日本市場の「国際化」とか、少子高齢化対策としての外国人労働力の受け入れ、云々の掛け声はいいのですが、あまりにも足元がお粗末ではないでしょうか。

海外から出稼ぎに来て、一生懸命働き、苦労して貯めた1万円を国に仕送りしようと思ったら、1万円の手数料とられるというのではしゃれになりませんわね。