マネーチェンジャー | シンガポール通信

シンガポール通信

Uniquely Singapore
with Global View

シンガポールは多民族国家であると同時に、観光やビジネスでの「外国人」でいつも賑わっている国です。

そういった中、街を歩いていて、いやでも目に付くものの一つに、「マネーチェンジャー」(外貨両替商)の看板があります。

一体いくつあるのかと、MAS(シンガポール通貨庁)のHPを調べてみたら現在372の業者が外貨両替商として登録されていました。 (MASのサイトへ

日本では1998年の外為法改正後、外為公認銀行制がなくなり外貨交換業が一般に開放されたのですが、未だ大都市や観光地辺りでちらほら見かける程度でしょうか。

ただ、このところの円高で,
「米ドル、ユーロ、韓国ウオン等を買おうという人が街の両替店に殺到し、店によっては外貨全てが売り切れ」という日本でのニュース報道が先般ありました。(10月30日の日経新聞5面記事)

「銀行で外貨預金を買うには口座開設の手続きが必要。手っ取り早く外貨を買える両替店に(人が)殺到した。『百万円単位で両替するなど明らかに外貨でモノを買う目的ではないケースも多い』とトラベレックスジャパンの担当者は言う。」

一体又何故に?

アングラマネーの要因は別に、よっぽど交換レートでもいいのかと思い、調べてみたのですがこれが又驚きでした。

なんと、邦銀(例えば前身がかつての外為専門銀行)のレートとほぼ同じ(というか通貨によっては悪い)なんですね。

街から一歩出ると即「外国」のシンガポールにいると、「外貨」両替というのは日常のごく当たり前な話なものですから、街のマネーチェンジャーの交換率に慣れているシンガポーリアンに、邦銀の「本日の外国為替相場一覧」に表示してある交換レートを見せれば、「ご冗談でしょ」とまるで相手にされないのがおちです。

因みに11月4日の、ある邦銀(かつての為専)の現金売り買いレートの中値からの開き(片道)は米ドルで2円90銭。ユーロで4円、英ポンドで12円、SGDで5円83銭となっていました。

この開き(片道)を中値に対する比率に換算すると、米ドル:2.9%、ユーロ:3.2%、英ポンド:7.7%、SGD:8.7%となります。

単純な算数の問題ですが、この比率は円高になればなるほど大きくなっていきます。何故なら売り買いの値幅自体を絶対値で縛っているからです。
で、この値幅の基準になっているのが日本独自の銀行間価格カルテルともいうべきTT幅です。
何故50年以上も前の為替相場レベルで決めたTT幅が未だに手を加えられず大手を振ってまかり通っているのか本当に不思議です。
300円でも100円割れでも相変わらずの片道1円の米ドルもそうですが、英ポンドの片道4円往復8円っていうのは、一体今の世の中どうやって正当化できるのでしょうか?

ところで、同じ日の当事務所の近所にあるマネーチェンジャーのレートをチェックしたところ、現金売り買い片道の開きの中値に対する比率は、米ドル:0.5%、ユーロ:1.1%、英ポンド:1.9%、日本円:0.9%でした。
邦銀公表のTT幅よりもマネーチェンジャーの現金売買幅の方が狭いという計算になります。

日本の金融市場の国際化が語られて久しいのですが、グローバル化を語る際のインフラとして外貨交換なんぞは基本中の基本でありながら、未だにこの程度でしかない日本の現状はある意味驚きでもあります。

シンガポールでの両替一口メモ
シンガポールで通貨を両替する場合は、ここでお話しましたように街のマネーチェンジャーが一番です。(空港の両替レートはNGですので、替える場合は少額に)

もっとも、マネーチェンジャー間でも店により通貨あるいは売り買いのサイドによって結構な違いがあります。
シンガポール内でマネーチェンジャーが密集している場所としては、オーチャード通りのラッキープラザ(高島屋の向かい)、ラッフルズプレースのアーケード、チャイナタウンのピープルズパークあたりですが、お勧めは、アーケードです。

このビルの二階はまさにメッカ・オブ・マネーチェンジャーにふさわしく、ずらっと軒を並べる14店ものマネーチェンジャーがしのぎを削っており、容易に店ごとのレートの比較が出来るので便利です。
尚、どのレートも日中固定されているものではなく相場の動きや業者のポジションによって結構動かしますので、列に並んで自分の順番を待っている間に電光掲示板のレートが変わることもありますのでご注意を。