昭南島に蘭ありや | シンガポール通信

シンガポール通信

Uniquely Singapore
with Global View

はじめまして。
北緯1度(かろうじて北半球です)、東経103度51分のシンガポール共和国より、シンガポール通信をお送りします。

シンガポールというと、「観光」と「金融」というのが、一般的なイメージでしょうか。

マーライオンにセントーサ島、ナイトサファリやオーチャード通りでの買い物といった従来の定番観光に加え、2010年にはカジノとユニバーサルスタジオがオープンする予定になっています。
まあ、最近の目玉といえば9月下旬に行われた第1回シンガポールF1グランプリ(モナコと同様の市街地コースで、F1史上最初の夜間レースでした)でしょうか。

金融という面では、古くから為替の世界に身をおいていた人にとっては、シンガポール通貨庁(Monetary Authority of Singapore, MASといいます。日本で言うところの金融庁と日銀の双方の機能を有しています)、あるいは日経平均先物の世界に身をおいていた方にとっては、SIMEX(99年12月にSGXに統合されています)あたりが、特にTrading関係者の間では馴染み深いでしょうか。

で、やはり、国の性格からして“ホスピタリティー”というイメージもあるかもしれません。
観光分野においては当然かもしれませんが、それ以外でも例えばさきほど触れましたMAS内にはFinancial Center Developmentという名の部署があり、とてもお役所とは思えない迅速さとホスピタリティをもって我々のような「外人」に対応してくれます。(どこぞの国とはえらい違いです)ま、これはMASに限った話ではなく、どこの役所に行ってもMissionが明確で公務員のCivil Servantとしての意識が徹底してる点では群を抜いている国です。

他にも、一人当たりGDPで日本を抜いているアジアの国であるとか、
スイスのIMD(国際経営開発研究所)が毎年公表している国際競争力の国別ランキングで米国に次ぎ2位の国(因みに日本は全55か国中22位。他のアジアの国では香港3位、台湾13位、中国17位、マレーシア19位となっています。08年度)であるとか、
教育レベルが非常に高くIEA(国際教育到達度評価学会)調査では今や常に世界のトップにある国であるとか、
いろんなフォーカスポイントがあるのですが、意外と日本では認識されていない側面が多々あるようです。

特に、この国を語るに当り欠かせない「政治」(あるいは「社会システム」と言って良いでしょうか、)は、今まさに日本において求められている「国のあり方」「社会のあり方」を探るに当り、いくつかのヒント(反面教師の面も含め)を与えてくれるような気がします。

このコラムでは、今後そういった「意外と知られていないシンガポールのお話と、シンガポールから見える日本あるいは世界のお話」になるべく的を絞って情報を発信していこうと思っています。

この副題(「昭南島に蘭ありや」)は佐々木譲さんの同名の小説(中公文庫)より引用しています。
戦時中のシンガポールを舞台に台湾生まれの客家の青年が主人公の物語です。
国とは何か、国民であることとは何か、を考えさせられる興味深い著作でした。

さて、昭南島という名をご存知の方はどれだけいらっしゃるでしょうか?この国は日本軍占領下の昭和17年2月から昭和20年8月まで、昭南島という名で日本の統治下にありました。
(行政区分は「昭南特別市」、島名は「昭南島」、都市名は「昭南港」です。)

「意外と知られていないもの」の中でアジアの歴史というのは(悲しいことに)最たるものの一つかと思います。今後はこういった歴史についても折に触れとりあげていきたいと思います。

因みに「蘭」はシンガポールの国花です。