アーティスト: サザンオールスターズ, 桑田佳祐, トニー・ハインズ, ポール・フォックス
タイトル: Tarako

 収録された2曲とも歌詞が英語で、このCDにしか収録されていません。A面の「Tarako」ですが、アメリカで売り出すためのデモンストレーションのようなかたちで、レコーディングもアメリカで行われたようです。「サ吉のみやげ話」(まだ売ってるんですか?)というビデオにその時の様子が収めれていますが、正直「なにやってんだ?」と思いました。
 アルバム「人気者で行こう」のあとに出たシングルとしては期待通りと言っていい出来ですし、曲自体は大変好きなので売り上げがイマイチだったことが不思議なのですが、すべての元凶は「英語」です。当時の日本のマーケットではウケないし、アメリカではネイティブでない英語はこれまたウケが悪い。中途半端で、桑田も後に言っているように明らかな「失敗作」です。そして全米進出も叶いませんでした。
 B面の「Japannegae」の英語版もそうでしょ。「愛苦ねば(=I could never)」とか英語の音に日本語をのせて出来上がった作品に、わざわざ違う英語をあてて、挙句その英語の発音がダメじゃどうしようもない。


アーティスト: サザンオールスターズ, 桑田佳祐, 矢口博康
タイトル: 人気者でいこう

よどみ萎え、枯れて舞え
 好きなんですけどねぇ、こういう曲。最初聴いた時、「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」みたいだなと思いましたけど。「愛倫浮気症(アイリン・フーケ・ショウって公式HPの歌詞に書いてあるけど、"ブーケ"って歌ってるよな)」なんて勝手な日本語作ってるし。桑田佳祐の当て字的な作詞法ってこのアルバムからどんどん発展していった気がしますね。

メリケン情緒は涙のカラー
 2004年の年越しライブで演奏され、歓喜したファンは数知れず、のはずです。横浜の名所がたくさん出てきて、全部行ってみたい気になりますな。「My Foreplay Music」の発展型みたいなイメージがありますが、シンセ・サウンドや歌詞の進歩(「マチルダBABY」のようなストーリー性を持たせた歌詞等)もこなれて、この後のサザンの作品につながる礎を築いている気がします。

祭はラッパッパ
 バカうたです(笑)。「浪漫輩」「華麗民」などの字面を見て初めて意味が分かる「桑田佳祐的日本語」炸裂です。やはり一番のお気に入りは、

 ああもうどうなれこうなれおあとは野となれ
 山となれったら All Night Long

です。この部分が、「思い過ごしも恋のうち」の

 どいつもこいつも 話の中身が
 どうなれこうなれ 気持ちも知らずに

を彷彿させ、思わずニヤリです。
 ノリがいいゴキゲンなファンク・ナンバーなのでライブでもっとやればいいのに、って思うんですけどね。歌詞に出てくる(映画「モーニング・ムーンは粗雑に」にも出てきますが)「BUND HOTEL」って、今は「ドン.キホーテ」になってるんですか。知りませんでした。

 前作「綺麗」で導入されたコンピュータ・サウンドを上手くロック・バンドのテイストに融合させているという点で高く評価すべきアルバムだと思います。本作があってこその、次の"モンスター・アルバム"なのです。
 ついでにこのアルバムの歌詞カードは、桑田佳祐の手書き(のコピー)です。


アーティスト: サザンオールスターズ, 桑田佳祐
タイトル: 綺麗

 同じ日にこのアルバムにも収録されているシングル「EMANON」が発売されています(だからそれじゃシングル売れないでしょ!)。しかもジャケットも同じ花が使われているという手抜きぶり。ちなみに「EMANON」は逆から綴れば「NO NAME」。タイトル考えるの、面倒くさかったんですかね。

赤い炎の女
 私の記憶では「EMANON」がシングルで発売される直前の時期に、この曲がアルバムからのシングルカットだと掲載していた雑誌がありました。
 ラテン系のリズムで「レスビアン」を歌っています。

星降る夜のHARLOT
 タイトルにあるように売春婦を歌ったレゲエ調の楽曲です(harlot=あばずれ女、売春婦)。歌詞の内容から漂う悲壮感は、弘田三枝子の「人形の家」をダブらせると思っているのは、私だけでしょうか。

YELLOW NEW YORKER
 イントロのサックスが印象的なロックンロール・ナンバー。勢いで作った感じが「Nude Man」の「Plastic Super Star」に近いなと思いましたね(アナログ盤で言うと、どちらもB面の1曲目という共通点もありますし)。
 歌詞の内容は、ニューヨークに住む黄色人種(特に日本人)への応援歌ですかね。

MICO
 この曲の「MICO」、「チャコの海岸物語」に登場する「ミーコ」は共に弘田三枝子のことですね。この曲の返礼として弘田三枝子は「O-KAY」という曲を発表しています(Oh! Keisukeという意味らしい)。

南たいへいよ音頭
 ベースのムクちゃん(関口和之)の作詞・作曲。トロピカルムード漂う曲調は、彼の個性を決定付けてしまった感じがします。

 少しだけ身体やせるから
 言葉は減る

って、「あんた、普段から言葉少ないですから~」。

ALLSTARS' JUNGO (Instrumental)
 「EMANON」のB面にもなった「ALLSTARS' JUNGO」のインスト。次の曲への繋ぎ的役割ですね。

 全体的に「綺麗」というか洗練されたセンスの良さを感じますが、打ち込みに頼ったサウンドは、「この先サザンはどこへ行くのだろう?」と発売当時、個人的には不安になりました。私がこのアルバムに高評価を与えられない理由の大部分はそんなことなのですが(まあ他に好きなアルバムがたくさんあって、比較するとどうしても下位になってしまうんだけど)、ラストを飾る「旅姿六人衆」のバンド・サウンドに一縷の望みを感じ、ほっとするのでした。

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