2024年5月30日
(その一)からの続きです
トマノ耳で一通り展望を楽しんで
偶にはオキノ耳にも足を運んでみよう
という事で
鞍部へと向かって下りだす
この日は平日という事もあり
行き交う登山者は少なめ
右手に深く切れ落ちたマチガ沢を見下ろして
左手には万太郎谷へとなだれ込む
笹のスロープ
その間の瘦せた稜線部を辿れば
雪が消え漸く咲き出した花々がぽつぽつと
鞍部の先、大きな蛇紋岩を左側から巻くと
オキノ耳への登り返し
山頂直下にはハクサンイチゲが
小さな群生を成して
今が見頃の咲き具合
純白の花が花嫁の白無垢を連想させて
自分は好きな花の一つ
11:35
オキノ耳へと辿り着く
こちらは更に人は少なめ
直下の岩場に腰を下ろして
お気に入りの
山頂からオジカ沢ノ頭~川棚ノ頭へと続く
美しい稜線を眺めながら
のんびりとランチ休憩をとる
ラクダの背であんなに煩わしかった羽虫は
まだこの稜線には達していないのか?
ここは平穏な空間だった
では下山の途へ
先ずはトマノ耳へと引き返す
復路でもやっぱり花を愛でながら
トマノ耳からは肩ノ小屋経由で
天神尾根コースへ
お馴染みの小屋直下の雪田は
踵を蹴り込みながらサクサク下って
木段に出れば後は整備された道
右手にオジカ沢ノ頭~川棚ノ頭の
美しい吊り尾根を眺めながら下れば
13:04
天狗ノ留場へと下りてくる
その天狗ノ留場周辺は
ちょっとした高山植物のスポット
珍しいアカフタチツボスミレが見られて
クモマナズナやホソバヒナウスユキソウは
天神尾根ではここでしか見た事がない
急な尾根道は更に下降を続けて
道々に幾つもの花を咲かせるのは
アカフタチツボスミレやキジムシロ
シラネアオイを笹の中に見つけたけれど
残念ながら写真には撮れず
そして一番多いのはイワカガミ
その中に白い花を咲かせる株を見つける
ヤマイワカガミという種もあるが
葉っぱの切れ込みも浅く
自生エリアも異なるので
これは多分イワカガミの白花でしょう
13:48
熊穴沢避難小屋を通過する
ここからはほぼ水平動
遅くまで残雪が残る斜面に
遅咲きのイワウチワの花を見つけたり
一足早いツバメオモトに喜んで
気付けば谷川岳の山頂は
眺めるほどに遠ざかっている
14:25
田尻尾根分岐点
「ロープウェイ10分」とあるが
片道¥1800は懐が痛いし
Mな自分は田尻尾根コースを選択
刈払いもちゃんとされてるし
以前よりも大分歩き易くなっている
それに全部歩き通したという達成感は
何物にも代えがたい
まあ、自己満足ですけれど・・・
田尻尾根は急傾斜のコース
一日の最後に辿るには
脚への負担は大きいのも事実
もう何度も辿っているので
そんな事は百も承知で下って来たのだけれど
やっぱり膝が・・・
それでも何とか美しいブナ林まで下りれば
登山口はもう直ぐという距離
15:30
田尻尾根登山口へと下り立って
後は林道状の作業道を下るのみ
こちらもまた中々の傾斜があるのだけれど
ここまで来たら後は惰性で・・・
辺りはタニウツギの群生地
花は咲き始めたばかり
見頃はもう少し先のよう
その根元にはラショウモンカズラ
こちらの花は終盤
今が見納めの時のよう
頭上をロープウェイが行き交う中
ザレザレの作業道をダラダラと下って
西黒沢でひと休み
冷たい沢水で腕や顔を洗えば
少しばかり生き返った気分になる
その沢沿いに野フジの花を見る
平地では4月下旬に咲いていたのだけれど
ここはほぼ一ヶ月遅れ
そんな時差を楽しめるのも
山旅の楽しさの一つ
作業道から西黒沢橋の袂へ出れば
後は舗装路歩き
16:14
インフォメーションセンターへと到着です
ウスユキソウ目当てに訪れた谷川岳
今春は野草の咲き出しが早めでしたが
如何やら積雪のある山上では
花の咲き出しは例年並みよう
なので、ウスユキソウの盛期には
まだちょっと早かったようです
例年の見頃は6月半ば頃
稜線のユキワリソウや
ヒメイワカガミなども
その頃になれば
見頃になる事と思います