杣添尾根から横岳へPartⅡ(その二) | 気ままにアウトドア

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  自然の中を流離う

2024年5月25日

 

 

(その一)からの続きです

 

 

 

 

山頂で展望を十分に堪能したならば

後はもう一つの目的である

高山植物の花を愛でる事

横岳は稜線一帯に花が見られて

花を愛でるには事欠かない

頂標のある山頂の辺縁部

火山性の岩の割れ目や窪地に

それらの花々が咲き出している

先ず目に付くのはオヤマノエンドウ

鮮やかな紫色が地べたに張り付いて

如何にも高山植物的な佇まい

ですが、これはまだ初期段階

これから夏に向かって蔓を延ばして

鞘豆を付ける

 

 

 

それと並んで目に付くのはミヤマキンバイ

こちらもまだ地べたに張り付いて

花を咲かせているが

これもまた夏に向かって

背丈を20㎝ほどに伸ばすでしょう

 

 

 

そして前の二種とは一転

岩場の割れ目に地味に花を咲かせるのは

コメバツガザクラ

こちらは常緑矮性低木で

文字通り緑の葉を付けたまま冬を越す

小さな樹木

見た目は可愛い花を咲かせて愛らしいが

秘めたる逞しさを持ち合わせている

 

 

 

そしてもう一種の木本キバナシャクナゲ

こちらはハイマツの辺縁部に

群生してました

淡いクリーム色が何とも清楚な雰囲気

横岳の稜線部はこの花の貴重な群生地

大事にしたいものです

 

 

 

他にもこの稜線で見たいのは

チョウノスケソウですが

こちらはまだ葉っぱを伸ばし始めたばかり

蕾も見えませんでした

そんな中で見つけたのがウルップソウ

たった一株でしたが

蕾を控えて伸び始めるところ

あと10日もすれば咲き出すでしょうか?

 

 

 

山頂から稜線を三叉峰まで戻って

赤岳方面へもう少し行ってみましょう

この先の石尊峰がツクモグサの咲くエリア

際どい岩場のトラバース道沿いを

丹念に覗きながら行くと

ぽつりぽつりとツクモグサはありました

毛むくじゃらで淡い黄色の容姿は

まるでヒヨコのような可愛らしさ

この花を見たさに

遥々稜線まで登って来た

甲斐があるというものです

 

 

 

日差しはあるものの

気温の低さなのでしょうか?

どれもこれも花が閉じ気味

この花もオキナグサと同じように

ある程度の温度が必要なのでしょう

切り立った岩場に目を凝らしながら行くと

漸く開いた花を見つける事が出来ました

満面の笑みのようなツクモグサを見れて

気持ちはすっかり満足

三叉峰へと戻るとします

 

 

 

その後、もう一株咲いているのを見つけて

 

 

 

名残惜しく

阿弥陀赤岳の両雄を眺め直して

11:41

三叉峰から杣添尾根を下りだす

 

 

 

往路ではあんなに苦しかった尾根道も

下りでは息も乱れずサクサク下りて

 

 

 

12:05

展望台まで下りて振り返る

相変わらず雲一つない青空に

横岳の稜線が美しい

ここで暫しのランチ休憩をとる

 

 

 

尾根道から樹林帯へと入ると

照りつける日差しも和らいで

少しばかりホッとできる

ただ、連続する急傾斜の下り道に

膝の踏ん張りが厳しくなってきた

 

 

 

14:03

それでも何とか中沢まで下り切り

美しい苔生す沢を眺めていると

 

 

 

今朝は閉じていたカタバミが

花開いている事に気付く

ここで再び花散策モード

 

 

 

ハート型の三つ葉が可愛いコミヤマカタバミ

その傍には小さなスミレの花

葉っぱの形からミヤマスミレだと思うが

花弁が広いような気が・・・

 

 

 

苔のエリアから

南八ヶ岳林道の登山口へ下り立って

復路では北沢沿いの旧道へ

その北沢の砂防提上部の徒渉部分では

黄色いスミレの花を見つける

一瞬、場所柄から

ヤツガタケキスミレかと思ったが

よく見るとキバナノコマノツメのよう

スミレの同定は本当に難しい

 

 

 

そしてその傍にはシロバナヘビイチゴ

河原でなければ群生するのでしょうが

小さな株で離れ離れに咲いてました

 

 

 

北沢を渡り登山道へ復帰して

鹿避けの防獣柵を抜けると富士見岩遊歩道

後は静かな別荘地内を緩々と下って

14:56

海ノ口横岳登山口へと到着です

 

 

 

見たかったツクモグサ

今年も見る事が出来ました

本州ではもう一か所

北アルプスの白馬岳周辺にも

自生しているようです

何時かはそちらでも

見てみたいものです