利平茶屋から赤城駒ヶ岳へ | 気ままにアウトドア

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2024年5月11日

 

 

今年もそろそろサクラスミレの咲く季節

という事で

今年二度目の赤城駒ヶ岳を訪れてみました

 

 

 

 

8:30

利平茶屋森林公園の駐車場を出発

先ずは傍らの尾根に取り付く

道はいきなりの急登道

尾根頂部へ登り上げるまでが結構キツイ

萌え出した森にツツジの花が

ぽつりぽつりと姿を見せる

昨年は森が埋め尽くされるほどの

咲きっぷりで数年に一度というほどの

当たり年だったが

今年はそんな様子は見られない

また数年、養分蓄積の為の

花が控えめな年が続くのだろう

 

 

 

一頻り急登に喘いで尾根道に乗り

幾分傾斜が緩んだところで

樹林の切れ間に駒ヶ岳を仰ぎ見る

昨年は稜線付近に

アカヤシオのピンク色が望めたのだけれど

今年はそんな色はどこにも見当たらない

如何やら今年はどのツツジもウラ年のよう

 

 

 

9:22

この尾根唯一のヤセ尾根部分に差し掛かり

露岩を東側から巻いてリッジを通過する

 

 

 

この尾根が歩かれるようになってから

まだ数年なのだがSNSの効果で

広く知られるようになった

この日は10人ほどのグループが二組

賑やかに先行してました

これまでは静かで良かったのだけれど

何時までもそういう訳には行かないようです

 

ヤセ尾根部分から急な岩ガレ道へ

一頻り登ると展望の岩場に出る

そこから麓を俯瞰すれば

萌え出した尾根が

いい色合いに色付いている

その向こうには足利桐生の奥山が見え

視界はその辺りまでだった

何時もは見える筑波山

今日は影も形も見えない

 

 

 

その岩ガレ道には

まだフモトスミレが幾つも残ってた

本当に小さな菫なのだけれど

ツツジの花が無い分足元に目が向いて

可愛い花を見つける度に

眺め入ってしまった

 

 

 

急な岩ガレ道は傾斜を緩めて

鳥居峠からの道を合わせると

先行していた団体さん

ここを鳥居峠方面へと下って行った

マイナールートらしからぬ賑やかさだったが

ここで漸く何時もの静けさが戻って来た

ホッと一息ついて

自身はこの尾根を直進

右手には木の間越しに

足尾山塊の山並みが見えて

 

 

 

束の間だけれど

暫し緩やかな尾根を辿る

 

 

 

路傍には漸く咲き出したオオカメノキ

辺りの樹々が芽吹く前に

逸早く真っ白な花を咲かせて

殺風景な景色に彩りを添えてくれる

 

 

 

そんな緩やか尾根道から

再度、急登斜面の道へ

例年ならツツジの花が癒してくれる部分

だが、今年はそれは無し

乱れる呼吸を調えながら登り上げれば

10:45

大洞への分岐点へと辿り着く

 

さて、この先が目的のサクラスミレの自生地

樹木が疎らになり笹原が広がる

その笹原に目を凝らす

何時もなら直ぐに目に飛び込んでくる

紫の花なのだが

今年はどうしたものか?

見つかるのはタチツボスミレばかり

やはりチョット早かったかな?と

半ば諦め掛けたとき

漸く一株のサクラスミレを

見つける事ができた

 

 

 

ほぼ一年ぶりの再会に

嬉しいやら安心するやら

ですが、その後が中々見つからない

背の低い笹の隙間を隈なく漁って

漸く二株めを見つけた

こちらは次の蕾も控えて

状態も良さそう

 

 

 

だが、見つけたのはその二株のみ

やはりまだ時期的に少し早いよう

あと10日もすれば

他の株も伸びだして来るはずと見る

 

その笹原から南方を見れば

今日は珍しく富士山がクッキリ

平野部は南からの重たい海風の影響で

街並みも見えない

 

 

 

稜線道は緩やかにアップダウン

徐々に高度を上げて

11:13

駒ヶ岳山頂へと辿り着く

 

 

 

山頂から何時もの如く大沼を見下ろせば

その向こうに上信国境稜線と

 

 

 

そのまま北方に目を移せば

上越国境稜線へと白峰が続く

こちらにはまだ

湿った南風が届いていないのか

稜線部がクッキリと望める

 

 

 

駒ヶ岳は今日のUターンポイント

往路を大洞分岐まで戻って

その大洞へと下って行く

その道すがらには

エイザンスミレやフデリンドウの花

エイザンスミレが残っているという事は

サクラスミレにはまだ早いという事か?

花の時期を見定めるのは

本当に難しいものだ

 

 

 

12:11

大洞の駒ヶ岳登山口へと下りてきた

ここから県道を歩いて覚満淵へ

クランク状の防獣柵ゲートを抜けると

保護エリア内

昭和天皇の碑の前でランチ休憩を執り

 

覚満淵北側の散策路を辿る

ここは駒ヶ岳より幾分標高は低め

なのでサクラスミレも早めのはず

という事で

ここでも隈なく草地に目を向ける

すると、予想通り

幾つかのサクラスミレを

見つける事が出来ました

花も駒ヶ岳のものより大きめで別嬪さん

ここまで登って来た甲斐が

あるというものです

 

 

 

そしてその傍にはヤマドリゼンマイ

こちらもまた漸く伸びだしたばかり

 

 

 

散策路を南端まで歩いて

木道部分の分岐点を鳥居峠方面へ

 

 

 

道は樹林の中へと入り込み

ウスバサイシンやエンレイソウを見る

これらの花は鹿の食害によって

赤城山ではすっかり数を減らしたもの

今では防獣柵内でしか

見る事が出来なくなってしまった

 

 

 

その防獣柵ゲートを抜け出ると鳥居峠

例年なら傍らの篭山の

アカヤシオが綺麗に眺められるのだが

今年は僅かな花色も見られない

鳥居峠から林道を南に辿って

13:25

利平茶屋への下降点

大きなミズナラの樹を横目に下って行く

 

 

 

暫しジグを切って小尾根に乗る

シャクナゲの曲り角から獣道へ分け入ると

鳥居峠を仰ぎ見れる展望地

萌黄色の山肌を期待して

獣道へ逸れて来て見たけれど

まだ少し早かった

 

 

 

シャクナゲの曲り角に復帰して

御神水に向かって下って行く

湿った苔生す岩ガレには

ワチガイソウとエンゴサク

 

 

 

小沢の水際にはハルトラノオ

どれもこれも鹿の忌避植物ばかり

 

 

 

14:21

御神水上部の分岐点を利平茶屋方面へ

ここにも多くのフイリフモトスミレを見て

そして花の終わったヒトリシズカ

まあ、それは想定内として

そろそろヤマブキソウの咲くエリア

注意深く辺りを見回しながら下って行くと

一輪だけ見つけることが出来ました

以前は其処かしこに

黄色い花を咲かせていたのだけれど

今年はこれ一輪のみ

他にもチゴユリとツクバネソウも

見つけましたが

赤城山ではどれもこれも

本当に貴重な花となってしまいました

 

 

 

鹿を悪者にしたくは無いけれど

食害の酷さは目に余るものがあり

何か上手い手立てはないものか?

そんな事を想いながら

利平茶屋森林公園へと戻って来たのでした

 

15:39

駐車場へ到着です