高妻山(その二) | 気ままにアウトドア

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2024年5月4日

 

 

(その一)からの続きです

 

 

 

 

七薬師から鞍部へと下ると

残すは山頂へと登り上げる

急峻な尾根のみ

見上げれば山頂はまだ遥かな高みだ

 

 

 

残雪に爪先を蹴り込んで

一歩一歩高度を上げて行く

気付けば左前方には北アルプスが

大きく見えだした

 

 

 

残雪の尾根は部分的に夏道も出ていて

それを拾いながらの登行を続ければ

11:00

九勢至の祠に辿り着く

八番目の祠は雪に埋もれていたのか?

それとも失われてしまったのか?

八番目を見つけられずに九番目の祠へと

辿り着いてしまった

地図記載の八薬師

その真相をも知りたかったが

残念でならない

 

 

 

九勢至を過ぎると更に傾斜を増して

急峻な残雪斜面となる

ここまでツボ足で何とか登って来たが

ここからアイゼン登行に切り替える

爪先を蹴り込む動きは

ツボ足と何ら変わりは無いが

雪壁に突き刺さる前爪の効果は

確実さと安心感が格段に違う

 

 

 

そんな効果を感じながら雪壁を

着実にアイゼンワークで登り上げると

再び夏道が露わになる

ここでアイゼンを外して

傾斜の緩みだした道を辿ると

その先は頂稜部のゴーロ帯

12:18

十阿弥陀を通過して

 

 

 

更に大岩の乱積するゴーロを行けば

12:24

高妻山の山頂へと辿り着く

 

 

 

山頂には一組の登山者がいるのみ

百名山にしては意外にも静かな山頂でした

それもその筈

先ほどの急な雪壁の直前で

登行を断念する人が多数

残雪期の高妻山は難易度が高く

百名山と言えども誰でも登れる訳ではなく

熟達者向きの頂きなのかも知れません

 

さて、何時もの展望写真

今回は北アルプスが間近という事もあって

期待大なのですが

春ならではの霞がかかって

遠望は効きませんでした

では、南方から時計回りで

 

 

 

一通り展望写真を撮り終えて

南側に一段下がった岩場に腰掛け

ランチ休憩とする

眼前には雄大な北アルプスの絶景が広がり

何時ものコンビニパンの味もひと味違う

 

下山は往路を戻る

頂稜部のゴーロ帯を慎重に戻り

 

 

 

急峻な雪壁の上部

再びアイゼンを装着して

転がるように一気に高度を落として行き

 

 

 

振り返れば高妻の頂きは

見上げる高さへと戻っている

この絶景もここで見納め

 

 

 

九勢至から六弥勒を望めば

まだ登り返しが控えているのが分かる

 

 

 

その七薬師への登り返し

午後の日差しがいい具合に当たって

ショウジョウバカマも良い表情をみせる

 

 

 

15:00

六弥勒まで戻って

下山はここから弥勒尾根を辿る

急峻な尾根道には所々に残雪がみられ

その周辺は泥濘状態

急坂と泥んこで最悪だが

これもまたこの時期ならではだ

 

 

 

高度が落ちると

そんな泥濘も無くなって

素敵な広葉樹の森へと入って行く

 

 

 

道端には今年お初のイワカガミ

まだ蕾のものも多く

花はこれからという感じだ

 

 

 

更に高度を落として行くと傾斜も緩む

若い雄猿だろうか?

一頭の離れ猿が

樹上で木の芽を忙しなく漁ってる

芽吹きの木の芽は美味しいのだろう

こちらの様子も気にせずに

一心に木の芽を口に運んでる

厳しい冬を乗り越えて

動物たちにも嬉しい歓喜の春だ

 

その傍には

山毛欅の木の古木”ブナ仙人”

解説板などは無かったが

瘤だらけの幹と枝振りを見ると

この森の古老である事に

間違いはなさそうだ

 

 

 

更に下ると沢音が聞こえだして

流れの傍には

キクザキイチゲやニリンソウ

 

 

 

そしてその小沢を徒渉すれば

16:47

牧場端の五地蔵岳登山口へと

無事に下り立つ事ができた

後は牧場内の道を辿るだけだ

 

放牧地には幾つものニリンソウの群生

今朝は日差しを待って

まだ閉じていたニリンソウでしたが

この時間は夜に備えて

花を閉じ始めてるところ

もう少し早い時間なら

全開の花を見られたのだろうけど

これだけの群生を見られれば御の字

贅沢は言いっこなしですね

 

 

 

放牧地には他にもカタクリや

エンゴサクの花も見られて

山行の締めくくりに彩りを添えてくれる

 

 

 

牧場からキャンプエリアを抜ければ

17:29

登山者駐車場へと到着です

 

 

 

残雪の高妻山

岩場あり雪壁ありの難ルートでしたが

麓に咲く可憐な花々と

頂きから望む北アルプスや頸城の山々など

中々見所の多い素敵な山でした

下山後に戸隠そばをと考えてましたが

夕刻に開いている蕎麦屋さんは無く

当てが外れてしまいました

戸隠そばを頂くには

もっと早い時間に

山を下りて来なければですね