西黒尾根からの谷川岳(その一) | 気ままにアウトドア

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2024年4月2日

 

 

今年二度目の谷川岳

何時もの西黒尾根から登ってみました

 

 

 

 

何時ものように前夜に現地入り

今回は土合霊園地の駐車スペースで車中泊

気温は3℃

もう寒さに備える程の夜ではなくなりました

翌朝、身支度をして

6:00

車を出発

すっかり雪の融けた国道を歩いて

登山指導センター傍のゲート前へ

この先は除雪のされてない雪道

ですが、朝からプラスの気温という事で

雪はかなり柔らかめ

ツボ足のまま雪道を行けば

6:19

西黒尾根の登山口へと到着

 

 

 

登り口はすっかり夏道が出てましたが

直ぐに残雪の急登斜面に変貌

水気の多い柔らかな雪に

爪先を蹴り込んで登って行けば

 

 

 

6:51

最初の目印ポイント

送電線鉄塔へと辿り着く

 

 

 

尾根はここから幾分傾斜を緩めて

高度を上げて行く

斜面は若干風衝気味

積雪は薄くブッシュも出ていて

夏道が所々に現れては消えの繰り返し

残雪期特有のルート取りで登って行く

7:20

無雪期に目印にしている

L字のブナの木を通過する

高度が上がったせいか

この辺りから夏道は姿を見せなくなった

 

 

 

7:40

1140mピークまでやって来た

ここは最初に山頂を望めるポイント

この日は昼頃から曇りの予報

ですが、この時間まだ雲一つない青空

やっぱり雪山には青空がよく似合う

 

 

 

尾根は更に高度を上げて行き

8:20

一旦、傾斜を緩めた平地で少休憩

エナジー補給をして

ここからアイゼン登行

雪がいい具合に締まって

アイゼンの利きも心地良いほど

 

 

 

振り返れば谷川岳に対峙する白毛門

こちらも雲一つない空に

スッキリとした姿を見せている

 

 

 

9:32

最初のクサリ場直下までやって来た

ここでストックをピッケルに持ち替える

肝心のクサリはすっかり雪の中

前爪を利かせてピックを刺せば

すんなりと登り上げる事ができた

 

 

 

クサリ場の上はリッジが続く

ここはある意味この尾根の核心部

左右が切れ落ちた頂部を辿れば

 

 

 

前方に次なる通過ポイント

ラクダの背が見えてくる

だがその前に

もう一つのクサリ場を通過せねばだ

 

 

 

そのクサリ場直下までやって来た

見ると雪融けが進んで岩場が半分ほど露出

アイゼンでは厄介な雪岩ミックス状態

まあ、チョット不安定だけれど

慎重に攀じれば問題なし

 

 

 

後は安定した雪尾根の登行

先行者のトレースを忠実に辿って

9:57

ラクダの背へと辿り着く

ここは格好の展望地

ですが、気付けば何時しか空には

予報通りに雲が流れ着いている

それでもまだ空の占有率は然程でも無し

なので、今のうちにと

何時もの如く展望写真を撮る

以下、南方から時計回りで

 

 

 

一頻り展望を楽しんだ後

ラクダの背からラクダのコルへ

左手に雪庇が発達するヤセ尾根を

緩々と下って行く

例年ならばこの時期は

至る所にクラックが走るのだが

この時は見当たらずだった

低めだった3月の気温が

こんな所にも影響しているのかも知れない

 

コルからはこの尾根一番の急登斜面

ピッケルを突き立てて

前爪を蹴り込みながら

一歩一歩高度を上げて行く

上部を仰ぎ見れば

真っ白な雪面の延長線上に

何時しか

のっぺらな白い雲が広がりだしている

まるでこの雪壁が

何処までも果てを知らないが如く

続いているかのよう

 

 

 

そんな雪壁を何とか登り切ると

再び瘦せた尾根の道

相変わらず左側には雪庇が発達して

それを避けるように

右寄りにトレースが続く

見上げれば

ザンゲ岩がハッキリと識別できるまでになり

山頂の両耳もだいぶ近付いてきた

 

 

 

例年、ここの雪庇は特大で

造形的にも見応えがあるのだが

今年はチョット小振りで

反り返りもイマイチ

やはり今冬の降雪が如何に少なかったか

こんな所にも表れていますね

 

 

 

ヤセ尾根部分は次第に広尾根へと切り替わり

ザンゲ岩も大分近付いてきた

尾根を渡る風は南風

先ほど雲が広がりだした頃から吹き出した

恐らく近付く低気圧に吹き込む風だろうが

風速にすれば4~5mほどか?

予報通りと言えばそうなのだが

これ以上強まらないで欲しいと思う

 

 

 

11:37

ザンゲ岩を通過する

西黒尾根の終点は近い

だが、この最後の登りがキツイ

斜面に爪先を蹴り込みながら

数歩登っては呼吸を調える

 

 

 

そんな立ち休みを幾度か繰り返して

着実に高度を上げて行けば

漸く急な西黒尾根を登り上げる事ができた

見下ろせば急峻な雪尾根が

湯檜曾の谷へと落ち込んでいる

もう何度も見下ろしている景色だけれど

その都度に充足感が湧き上がる

辛いけど不思議な尾根だ

 

 

 

さあ、残るは山頂まで

緩やかな稜線を辿るだけだ

西黒沢から吹き上げてくる風を背中に受けて

幾重にも乱れたトレースを辿って行く

 

 

 

(その二)へ続く