春を告げる翁草 | 気ままにアウトドア

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2024年3月31日

 

 

3月になって寒の戻りのような

気温の低い日々が続いてましたが

下旬になって真夏日を記録するなど

今年は寒暖差の激しさが

目立つ年でもあります

そんな今年の春

そろそろ早春の花が咲き出す頃と

以前から気になっていた

オキナグサの群生地を訪ねてみました

 

 

 

場所は栃木県の塩谷町にある上平翁草群生地

立地は鬼怒川の河川敷内

この群生の本を糺せば

地元の高校生たちが手植えしたもので

それが見事に活着して群生化

今は地元の保存会の方たちにより

草刈りなどの手入れで

絶えることなく守られているようです

ただ、氾濫原にあたる河川敷という立地上

柵などの人工物は設置されていないので

訪れた際には足で踏み付けないように

細心の注意を払いながら

楽しんで頂けたらと思います

 

 

 

オキナグサはキンポウゲ科の多年草

開けた草原や河原など

比較的日差しが得られる環境を好む植物

嘗ては日本各地の田畑の畦道や河原などに

自生していたのですが

草刈りなどの農事環境も変わり

花の美しさもあって盗掘の対象となって

今は保護が必要なほど

数を減らしてしまいました

 

 

 

花を見ると暗紫色の花弁が6枚

キンポウゲ科全般に言える事ですが

これは萼にあたるもので花弁は存在しません

中心部には黄色い雄蕊と

センターに暗紫色をした沢山の雌蕊

下の写真を見ると

白い粉状の花粉が見られますが

成熟は雄蕊の方が早く熟して花粉を放出

昆虫などを介して受粉が為されるようです

雌蕊は少し遅れて成熟

自家受粉を避けるための仕組みが

この花にも見られます

 

 

 

受粉をした花は実を結ぶと

やがて周囲の萼片を落として

白い球状の綿毛状態に変わる

その様はまるで老人の白髪のよう

という事から

名前が翁草となったらしい

一見、茎や葉に密生する

細毛からと思いがちですが

そうではないようです

 

 

 

根はゴボウ状の直根

乾燥しハクトウオウという生薬にされて

様々な病理症状に効果があるとされます

 

 

 

見た目にも美しく

薬として人間にも役立つという

この貴重なオキナグサ

是非とも絶滅危惧種の仲間入りにだけは

させないで欲しいものです

 

 

 

今回の訪れに際して

県道87号線、上平橋の袂の

”ふれあいの里しおや“駐車場を利用

鬼怒川の堤防の道を10分ほど歩いて

河川敷へ下りれば群生保護地でした

何度も言いますが

踏み付けにだけは注意して

楽しんで頂けたらと思います

 

 

 

私用で訪れた栃木県

翌日の帰り道

那珂川町の”カタクリ山公園“に

立ち寄ってみました

 

 

 

午前中の漸く日差しが当たりだした頃

花はだいぶ開き出していましたが

時間としては日中まで待った方が

花の開きは良いようです

花の時期としても

チョット早めだったでしょうか?

今季は寒の戻りもあって

春の花は遅れ気味

見頃は一週間後くらいのように思います

 

 

 

園内にはショウジョウバカマの群生地も

こちらはちょうど見頃でした

 

 

 

他にもアズマイチゲやミズバショウ

ニリンソウ ザゼンソウなども見られて

これから季節が進めば

色々な花が楽しめそうな所でした

 

 

 

 

何時までも名残惜しく

雪山ばかりを訪れてましたが

漸く花の時期も動き出しました

花好きとしては見逃せない花も多いですが

でもやっぱり雪山からも目が離せない

この時期は体が二つ欲しいくらいです

(笑)