赤城荒山 | 気ままにアウトドア

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2024年3月27日

 

 

二週続けての赤城山です

この日も前日の雨は山上では雪だったようで

自宅から望む赤城山は中腹以上が真っ白

という事で又もやフカフカな新雪を踏みに

今回は赤城荒山を訪れてみました

 

 

 

 

 

赤城山中腹の姫百合駐車場へ着いたのが

9時ごろでした

懸念していた路面状況は全く問題なし

この高さ辺りはみぞれだったようです

 

身支度をして

9:07

駐車場を出発

傍らの荒山高原登山口へ

 

 

 

登山道へ入ると道は嫌らしいほどツルツル

みぞれでたっぷりと水分補給された残雪が

朝の冷え込みで凍結してしまったのでしょう

チェーンスパイクでもと思いましたが

小尾根を越えるまでの僅かな辛抱と

ツボ足のまま慎重に登って行く

 

 

 

小尾根を越えると一旦平坦路に切り替わり

凍った残雪も無くなった

予想通りスリップの心配も軽減

緩々と道を辿って行けば

再び地面が白くなりだして

新雪のエリアへと突入する

 

9:37

荒山風穴前へ辿り着く

常設の温度計は雪に埋もれて見えずで

この辺りで残雪上の新雪は5㎝ほど

普段は岩ガレで歩き難い場所ですが

雪がいい具合に隙間を埋めて

ほど良いステップに変貌

歩き難さもなく登って行ける

 

 

 

その岩ガレ道が徐々に傾斜を緩めれば

9:46

開けた広場状の荒山高原に登り着く

ここは十字路を成す分岐点

良く踏まれたトレースは

鍋割山方面へと続いていて

それとは対照的に

目指す荒山方面には一人分の足跡のみ

普段から荒山は訪れる人が少なくて

静かで良いのですが

こんな日は益々人気が無いようです

 

 

 

ここでアイゼンを装着して

その足跡をなぞるように

荒山方面へと踏み出せば

ズボズボと足が沈み込む

新雪はこの辺りで10㎝ほどですが

それ以前の雪も踏まれてないせいか

沈み込みはそれ以上に大きくて

意外にも労力を使う

 

 

 

登るにつれて積雪量が増してくる

初夏には美しいツツジの咲くエリア

重たい雪が枝先にしがみ付いて

この日は雪のトンネル状態

そしてそれを透かすように日が差して

それはまるで天然のイルミネーション

フカフカの雪を踏みながら

上を仰げばキラキラの雪天井

こんな光景は初体験

偶然とは言え貴重な出会いだった

 

 

 

そんな煌めくトンネルをくぐり抜けて

開けた展望地へ辿り着く

見下ろす峰は尾根続きの鍋割山

彼方は標高が低いぶん白くはなくて

樹々の色そのままの山肌

元々の残雪も雨で融けてしまったのか

対照的な色合いに

別世界を見下ろしている気分になる

 

 

 

そしてその直ぐ上には

自身お気に入りの大きなアカマツの樹

何時もここを通る度に眺め入ってしまう

枝が折れて痛ましいけれど

それを物ともしない勢いは

見る度に力を授けてくれるよう

 

 

 

更に高度を上げて辺りは益々雪景色

強い日差しに白さが際立って

不思議と寒さのイメージは感じない

そこへ一人の登山者が下りてきた

如何やら足跡の主らしい

挨拶を交わしただけで

さっさと下りて行ってしまったけれど

ラッセルの礼を言うべきだったかな?

 

 

 

そして再び展望地へ出る

見下ろす関東平野の向こう側には

奥秩父の山並越しに富士山が見える

今日は中々遠望が利く

 

 

 

と、ここまで一人分の足跡を辿って

楽をして登って来たが

頼りの足跡はここで終わっていた

先ほど出会った先行者は

ここで引き返したもよう

もうここまで来れば山頂までは

然程の距離でもないはずなのだが

どうして断念したのか?

気になるところだ

ま、それを考えたところで仕方のないこと

ここはお楽しみが一つ増えたと思って

山頂を目指すとしましょう

 

さて、この先は真っ新な雪面の広がり

バージンスノーを切り込むように

ここから独りラッセルの始まりだ

 

 

 

ボッス ボッスと足を踏み出せば

雪は意外にも深い

ここはちょうど尾根の東側斜面

風下にあたり雪も吹き溜まり気味だ

所によっては膝丈も超えるほど深い

車を出発する時に迷った挙げ句

スノーシューを置いてきた事が悔やまれる

まあ、無いものは仕方がない

独り黙々とラッセルを熟して

尾根の頂部へと回り込めば

こちらは若干風衝気味

積雪が吹き払われてパックされ

ほど良い硬さに沈み込む事はなくなった

左手を見れば

樹林の切れ間に鈴ヶ岳が見える

彼方もいい具合に雪が付いている

今日は鈴ヶ岳も楽しそうだな

 

 

 

さらに高度を上げれば

このルート唯一の岩場に差し掛かる

見れば岩もロープもすっかり雪の中

さて、どうしたものか・・・

 

ここは眺めていても仕方がない

取付いてみれば分かることだと

ストックの石突を斜面に突き立てて

前爪を蹴り込めば

殊の外スムーズに直登ができた

「案ずるより産むが易し」か

 

 

 

後は傾斜の落ちた雪斜面

一頻りラッセルを熟せば

 

 

 

11:35

荒山の山頂へと辿り着く

ここで北側の展望でもと思ったが

ほど良い樹林の切れ間を見出せずに断念

南尾根へとラッセルを開始する

 

 

 

だが南尾根の取り付き部は不可解だった

正しいと思って進んでみるが

直ぐに道らしくない木立にぶち当たる

「ここじゃなさそう」と

辺りを入念に眺めまわして進路を修正

そんな事を二度ほど繰り返して

何とか正規ルートを探し当てる事ができた

GPSで確認すると

僅か25mほどのズレだったけど

樹林と地形のトラップに

見事にはめられてしまいました

積雪期のルーファイは本当に難しいものです

 

南尾根ルートは下るにつれて

顕著な尾根の定を成してくる

ここまで来ればルーファイは簡単

ズンズンと高度を落として行ける

 

 

 

12:16

庇岩へと下りてきた

ここはこのルート唯一の展望地

北側の赤城主要の峰々から

南側の関東平野までが望める

何時もは東側に見える筑波山ですが

今日は靄に隠れてお休みでした

 

 

 

そんな景色を眺めながら

ここで暫しのランチ休憩をとる

何時ものコンビニパンとスポドリと

芸の無い内容ですが

このロケーションと

風も無く穏やかな陽射しの中で

極上のレストタイムとなったのでした

 

庇岩から一頻り下ると

12:49

北側の軽井沢峠からの道に突き当たる

ここを棚上十字路方面へ向かう

標高が落ちたせいか

積雪量はグッと少なくなって

林床の笹が見えるようになった

 

 

 

雪が減れば歩行も快適

程なくして

13:23

棚上十字路へと辿り着き

ここを荒山高原方面へ

 

 

 

積雪は更に少なくなって

陽だまりでは地面が露わに

春の雪は淡雪

力の増した陽射しの中では

淡雪は儚いものだ

 

ここでアイゼンを外す

この先の日陰にはまだ雪があるだろうけど

ドロドロになる前にザックに収納です

 

 

 

13:33

荒山高原まで戻って来た

後は往路を姫百合駐車場へと戻るだけ

確りと踏まれたトレースの雪は

この日差しの暖かさで

グズグズと緩み始めてる

往きのカチコチに凍ったトレースよりは

余程歩き易い

13:42

荒山風穴前を通過

雪に埋もれていた温度計は

掘り起こされてました

それを見ると気温は3℃

だいぶあったかいですね

風穴前のガレ道を下ると

その先は陽だまりの道

すっかり地面が露わになった道を行き

最後の木段道を下れば登山口

14:13

姫百合駐車場へと到着です

 

 

 

寒の戻りでもたらされた予想外の春の雪

たっぷりと雪と戯れられて

充実の一日でした

今季の新雪はこれが最後でしょうか

これからは残雪の山や花の山

季節は緩やかに流れて

山の表情も移ろう

やっぱり山は止められそうにありません