春の妖精 節分草 | 気ままにアウトドア

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  自然の中を流離う

2024年2月24日

 

 

今年はまだ2月だと云うのに

本州の南岸には前線が停滞して

次から次へと低気圧が数珠繋ぎにやって来る

それはまるで春雨前線のよう

時期的には一ヶ月は早いでしょうか?

幸いにも北からの寒気は弱くて

平野部は雪にはならないが

連日の冷たい雨に気持ちも沈みがちになる

そんな中

漸く穏やかに晴れ渡った三連休の中日

沈みがちな気分を晴らすが為に

秩父小鹿野町の節分草園を

訪れてみました

 

 

 

連日の雨天の中の貴重な晴れ間

山を歩きたい気持ちもあるが

花好きとしては

この時期の花セツブンソウは外せない

 

 

 

昨年よりも暖冬気味と感じる今年は

花の進み具合も早そう

この日を逃したら

ベストな花の時期は終わってしまうのでは

そんな危機感も感じて

この日は好きな山歩きは封印

待ち焦がれていた春の妖精に

会いに出かけたのでした

 

 

 

自宅から小鹿野町までは車で2時間ほど

セツブンソウは日が当たらないと

いい具合に開いてくれないし

折角、秩父方面に行くのだから

お気に入りのお蕎麦屋さんにも寄りたいしで

そんな事を考慮して自宅を10時頃出発

途中、予定通り皆野町の”はしば“さんで

美味しいお蕎麦を頂いて

12時半頃に節分草園へ到着

我ながらいいタイムスケジュール~

 

 

 

節分草園に入ると(入園料¥300)

ちょうどベストな咲き具合

昨日までの氷雨に打たれて

傷んでいるかと危惧もしていたのですが

中々どうして

笑顔のような可愛い咲きっぷり

一見、華奢で

荒天に打ちひしがれてしまいそうですが

野生の花は本当に逞しいものです

 

 

 

セツブンソウはキンポウゲ科の多年草

雪解けとともに芽を出して

逸早く花を咲かせる

それがちょうど暦の上での節分の頃にあたり

この名がある

ここ小鹿野町の節分草園は標高が約400m

幾分、平地より冷涼な為に

二週間ほど開花が遅れて

この時期にピークを迎える

 

 

 

今が見頃のセツブンソウですが

花が終わればお終いではない

残された地上部は

まだ樹々が芽吹く前の林床で

早春の日差しを浴びて

せっせと栄養を実と地下茎に蓄える

そして季節は春から初夏へ

樹々が芽吹き葉を広げだすと

日差しは樹々に遮られて

林床には僅かに届くのみ

もうたっぷりの日差しを望めなくなると

地上部は枯れて種と地下茎のみを残し

翌春までの長い休眠状態となる

地上部のそんな儚い様は

春の妖精(スプリングエフェメラル)

と呼ばれる所以ではあるが

良く考えると

巧みな生存戦略に裏付けられた

生態である事が良く分かる

 

 

 

そんな逞しい花を覗き込む

白く花弁のように見える部分は

萼なのだという

デフォルトは5枚ですが

個体によって4枚から十数枚までと

振れ幅は様々

八重咲のような個体もみられる

そしてその内側の黄色い蕊のようなものが

実は花弁にあたる

更に内側の青紫のものが雄蕊で

その先端の白い粉状のものが花粉

中心部には赤紫の雌蕊が数本

雄蕊に紛れるように並ぶ

 

 

 

ま、花の構造は兎に角として

スーッと伸びた細い茎の先に

微笑むような花を咲かせる様は

本当に妖精のよう

這いつくばるが如く園路に伏せて

マクロレンズ越しに覗けば

可愛らしさも一入

思うがままにシャッターを切れば

気付かぬうちにショット数も増えて

似たような絵ばかり

今回はそんな中から数枚

皆さんにお披露目です

 

 

 

園路を奥まで進むとザゼンソウのエリア

仏炎苞が緑色がかって

アオザゼンソウに近い個体でしょうか?

ぽつりぽつりと数株

座禅を組む僧侶の如くの花を咲かせてました

 

 

 

毎年訪れている節分草園

花の見頃を当てるのは難しいものですが

今年は良い時期に訪れる事ができました

このセツブンソウを皮切りに

自身の中の花探訪もスタート

今年はどんな花に出会えるでしょうか?

今から楽しみでもあります