2023年12月9日
例年なら12月ともなれば
脊梁山脈は雪山シーズンなのですが
今季は遅くまで暖かい日が続いたせいか
降雪はまだ数えるほど
ですが、その数少ない降雪でも
そろそろ谷川岳東壁にも雪が付いている筈
という事で
雪の付いた大岩壁を眺めてみたくて
久し振りに白毛門を訪れてみました
何時ものように前夜に現地入り
白毛門登山口の駐車場で車中泊
外気温は0℃でしたが
湿度があるせいか
然程の寒さも感じずに
朝を迎える事が出来ました
6:57
駐車場を出発
駐車場からはピラミダルな武能岳が
朝日を受けて立ち上がる姿が見えて
今日も上々のお天気
駐車場から直ぐに白毛門の登山口
そしてその先の東黒沢の橋を渡れば
登山道が始まる
緩やかな東黒沢の氾濫原を辿って行くと
道は直に急登道へと切り替わる
辺りは美しいブナの二次林
真っ直ぐに伸びやかに
白い幹を伸ばす姿は美しいが
何せ息の上がる急登道
ゆっくりと眺める余裕も無く
高度を上げて行く
一頻り急登道に喘ぎながら登って行くと
樹林越しに谷川岳の姿が見えてきた
休憩がてらそれを眺める
やはり雪を纏った東壁は迫力がある
山頂からの展望に期待が高まる
更に急登道は続き
8:46
ネズコのウロを通過
根元の空間は三人ほどが休める広さ
古の山人もここで一夜を明かしたのか?
と、妄想は膨らむ
そこから僅かに登ると漸く雪が現れた
標高は1140mほど
ここで一旦緩やか道に切り替わる
だがしかし、緩やか道は長くは続かず
再び急登道が始まる
ここ白毛門は今回で三度目
急登道が続くのは
承知の上でやって来ているのだが
それにしても・・・
急登道はそのまま岩尾根道へ
ここにはクサリもあるが
フリクションの効く岩質に
手掛かりも要所にある
という事で
ここはフリーで登ってみれば
思い通りに快適な登行
少しばかりクライマー気分を楽しんで
岩場を登り上げれば
10:01
松ノ木沢ノ頭へと辿り着く
ここで漸く目指す白毛門の
山頂が仰ぎ見れて
そして西側に目をやれば
谷川岳東壁を正面から望む事ができる
左からマチガ沢 一ノ倉沢 幽ノ沢
切り立つ壁が大迫力で迫ってくる
その一ノ倉沢をズームアップ
もう少し早い時間なら良かったのかな?
ちょっと日陰部分が惜しいですが
岩壁の迫力が伝わるでしょうか?
更に視線を右に移せば
武能岳から七ツ小屋山への
穏やかな稜線が眺められる
松ノ木沢ノ頭を過ぎると
幾つかの奇岩が姿をみせる
ここ白毛門の名の由来となった
ジジ岩とババ岩
写真には撮りませんでしたが
ジジ岩はババ岩の左上部に鎮座
冬期には白髪を生やした両岩が
ちょうど門柱のように見える事から
白毛門の名が付いたとか?
更に高度を上げると森林限界を超える
辺りは草付きの尾根
登って来た尾根を見下ろせば
遥か下方に土合駅が見える
そして言わずもがな
展望の尾根道は急登である事を忘れさせる
小さなピークを一つ乗り越えると
いよいよ山頂が近づいてきた
白毛門の左奥には
今まで見えなかった
笠ヶ岳と大烏帽子が姿を現して
後はビクトリーロードを辿るだけ
山頂直下でクサリの下がる岩場があり
凍った雪付きが嫌らしかったが
そこは難なくクリアして
11:14
白毛門の山頂へと辿り着く
山頂では数組の登山者が思い思いに休憩中
自分もここでランチ休憩とする
快晴の空に全くの無風状態は
ジッとしていても寒くは無い
四周に広がる景色は絶景揃い
こんな穏やかで贅沢な山頂時間は
またとない貴重なものでしょう
さて、何時もの展望写真
今回は北方から時計回りに並べてみます
先ずは北側の稜線続きの峰々
朝日岳が見えるかと思ったが
残念ながら大烏帽子に隠れてました
そこからグルっと東側方面
奥利根~尾瀬~奥日光と続き
手前には上州武尊山と更に足尾山塊
そして南側には
赤城山を始めとする上州の名山たち
更に西側に回れば
遠くに浅間山を望んで
主役的な谷川連峰が屛風のように立ち並び
奥には確りと苗場山も自己主張
再び北側に戻って
七ッ小屋山 笠ヶ岳が現れれば
360°ひと回り
本当にここは絶好の好展望地なのでした
確りと展望を楽しんだら
往路を戻るとします
下りでのスリップ防止に
念の為チェーンスパイクを装着して
日差しで緩んだ雪道を下って行く
登山道脇のちょっとした奇岩
これも何か名前がありそうだけれど・・・
と、思いながらどんどん高度を落として行く
相変わらず眺める景色は美しくて
今日何度も眺めている谷川連峰も
見飽きる事を知らずだ
12:34
松ノ木沢ノ頭まで戻って来た
ここでチェーンスパイクを外して
ツボ足に戻る
白毛門の頂きもここで見納め
道は急傾斜で樹林帯の中へと下って行く
道はどこまでも傾斜を緩める事を知らず
だが、程よい木の根のステップと
良く踏まれた道は
意外にも確りしている
時折見える樹林越しの谷川岳も
何時しか日の陰った裏谷川の様相を呈して
ちょっと寒々しい印象に映る
更に急斜面の道を下って行けば
快い東黒沢の沢音が聞こえだして
程なくして美しいブナ林の中へと下り立つ
氾濫原の緩やか道を辿って
東黒沢の橋を渡れば
14:38
無事に登山口駐車場へと到着です
前回、白毛門を訪れたのは2005年8月
高山植物の美しい季節でした
今回は積雪期という事で
花はありませんでしたが
雪の付いた谷川岳東壁の眺めは
目を見張るものがありました
やはり雪が降っても
山は止められそうにありません