甲子旭岳 | 気ままにアウトドア

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2023年11月23日

 

 

以前より気になっていた

甲子旭岳を登ってきました

場所は那須岳北方の北那須エリア

三本槍岳から眺めると

端正でピラミダルな姿をしていて

何時か登ってみたいと思ってました

 

因みに山の名前は旭岳(赤崩山)ですが

那須岳の朝日岳と区別する為に

頭に甲子の文字を付けて

甲子旭岳と呼ぶ事が多いようです

 

 

 

 

 

 

何時ものように前夜に現地入り

甲子温泉入口の登山者駐車場で車中泊

 

翌朝、身支度をして

6:55

駐車場を出発

甲子温泉大黒屋の前を通って

沢への道を辿れば

阿武隈川源流の本沢と白水沢の合流点

そこが甲子山の登山口

 

 

 

本沢に架かる橋を渡り

白水沢の右岸側の道を辿れば

程なくして白水滝

温泉成分が含まれているせいか

岩肌には湯ノ花がこびり付いている

滝だけを見れば中々見応えがあるが

滝の上下流は砂防堰堤になっていて

チョット興醒めの感は否めない

 

 

 

道はここから沢を離れて斜面を登りだし

程なくして温泉神社前へ

入口には立派な狛犬が据えられていて

その奥には小さな社が祀られている

白河藩主の愛した甲子温泉故に

造作も中々手が込んでいる

 

 

 

社の先は平坦地だが

道は直ぐにジグを切って斜面を登りだす

 

 

 

すっかり葉を落とした広葉樹の森

落ち葉をサクサク踏みながら辿れば

視界の隅に黒い影が動いた

もしかして熊?と思ったが

消え去った斜面の先を覗いてみると

遠ざかって小さくなった

カモシカの姿が見えた

「なぁんだ仲間じゃないか」

と、胸をなでおろす

 

道は相変わらずジグを切って上り続けて

日陰には予想通り先日の雪が現れる

今季お初の雪ですが

気温が高めのせいか

春先の雪のように水気の多い腐れ雪

この雪はまだ根雪にはなりそうにない

 

 

 

8:29

最初の目印ポイント猿ヶ鼻へと辿り着く

ここで遅めの朝食を摂り

緩やかとなった路を辿って行く

 

9:16

右手に甲子峠への道を分けて

ここから甲子山への上りが始まる

 

 

 

道は思いの外急勾配

おまけに積雪量も増してきた

ですが、この程度の雪は

意外にも登りやすいもの

いい具合にステップを切りながら

登って行けば

 

 

 

9:51

甲子山の山頂へと辿り着く

 

 

 

山頂は東側を除く三方が開けて

中々の展望地

ここでエナジー補給をしながら

北側を眺めれば会津盆地の向こうに飯豊山

 

 

 

そして南側には

これから向かう旭岳が大きく聳える

 

 

 

山頂から旭岳との鞍部へと下る

少しずつ積雪量も増して

いよいよ雪山の体を成してきた

 

 

 

再度、旭岳の展望地

正面には辿る予定の尾根が見えて

「意外に急だな~」と眺めてみる

 

 

 

10:14

その旭岳への分岐点のある

鞍部までやって来た

旭岳へは一部旧登山道を辿るのだが

道標には通行止めの表示

ですが、事前に見たネット情報では

旭岳へは然程の問題は無さそう

という事でこれは無視です

(進入はあくまでも自己責任で)

 

 

 

分岐点から先は膝丈ほどの深雪

数日前のものでしょうか?

一人分のトレースが細々と続いている

そんな道を辿って行くと

次第に傾斜を増して急登尾根に乗る

雪に埋もれかけたトラロープが随所に現れて

それに縋りグングン高度を上げて行く

 

 

 

標高1550m付近まで登って来た

先ほどの甲子山とほぼ同じ高さ

樹木は背丈を落として見晴らしも良好

振り返ればその甲子山の向こうに大白森山

 

 

 

そして上部を仰ぎ見れば

山頂はまだまだ遥かな高みだ

 

 

 

標高1640m付近まで登ると

頼りにしていたトレースは突然終了

如何やら先行者はここで断念して

引き返したしたもよう

山頂までは残り200mほどの標高差ですが

まあ、新雪の独りラッセルは厳しいもの

撤退の気持ちは良く分かりますね

 

 

 

さて、ここから自分も独りラッセル

膝丈ほどの深雪は手強くて

数m登っては呼吸を整えて立ち休み

そんな事を繰り返し100mほど登ると

尾根は風衝地に変わり

深雪から解放される

これは甲子山から眺めた時に

薄々と感じていたことで

やはり現地に来てみればその通りだった

 

登って来た尾根を見下ろせば

自身の小さな足跡が点々と続き

 

 

 

上部を仰ぎ見れば

山頂も大分近づいてきた

 

 

 

そんな尾根を順調に登って行き

山頂直下では尾根を外れて

再びの深雪のラッセル

風向きのせいか?

ここは腰丈ほどの吹き溜まりだった

唯一の助けはフィックスロープ

更に積雪が増えれば

埋もれてしまうのだろうけど

辛うじて雪上に見えていた

 

再度、尾根に乗れば

後は雪の少ない尾根道

次第に傾斜が緩んで

12:14

山頂部へと躍り出る

だが、山頂はどこ?と見回して見るが

目印となる頂標は見当たらなかった

恐らく頂標プレートは雪の中

仕方なく一番高そうな所を山頂として

写真を撮る

 

 

 

山頂は灌木地帯

スッキリと展望が得られる訳ではないが

何時ものように展望写真を撮ってみる

先ずは辿って来た甲子山の見える北方方向

雲が多めだが磐梯山辺りまで見えている

 

 

 

更に左に視線を移せば飯豊山や越後駒ケ岳

 

 

 

そして間近には北那須の大倉山の連なり

その奥には日光辺りの山も見えている

 

 

 

更に左に視線を移して

那須岳の主峰三本槍岳

 

 

 

山頂部をあちこち移動して

何とか展望写真を撮り終えて

軽めのランチ休憩をとる

幸いな事にこんな天気でもほぼ無風状態

然程の寒さも感じずに過ごせたのでした

 

さて、下山です

自身の付けたトレースを忠実に辿って

どんどん高度を落として行く

 

 

 

急斜面ではトラロープの有難さを感じて

気付けば何時しか樹林帯の中

 

13:30

旭岳分岐を通過して

鞍部から甲子山への登り返し

 

 

 

再び旭岳の展望地

こうして振り返ってみると

往きには起こらなかった

感慨深い思いも湧いてくる

(朱色の線は辿ったルート)

 

 

 

13:48

甲子山まで登り返してしまえば

この後は下るのみ

左手から甲子峠の道を合わせて

緩やか道を下って行けば

 

14:20

猿ヶ鼻へと辿り着く

ここから先は急斜面の九十九折道

ジグを切りながら順調に下って行けば

今朝見かけたカモシカに再び遭遇

如何やら彼はこの辺りの主らしい

近付くと慌てる素振りも見せず

ゆっくりと立ち去ってくれた

 

 

 

九十九折道を下り切ると温泉神社

そこから谷沿いの道を下れば

甲子山の登山口

 

15:15

登山者駐車場へと到着です

 

 

 

******* 注意 *******

 

甲子旭岳への正規登山道はありません

地元有志の方が開いた細道のみです

無雪期には笹薮が茂り

設置のロープは経年劣化が著しく

信頼性が低いものです

なので、登山技術の未熟な方の

入山はお勧めしません

それを承知で入山する方は

自己責任でお願いします