丹沢主脈縦走(その三) | 気ままにアウトドア

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2022年10月29-30日

 

 

(その二)からの続きです

 

 

 

 

 

 

皆さんがバタバタと動き出したのは

5時少し前の時刻

窓の外を覗くと東の空が白々と明るくなって

水平線辺りに赤みが差している

日の出まではまだ少し時間がありそうだ

それまで間、少し寝袋の中で

まどろんでいたい気もするが

5時半から食事の支度があるので

それまでには食堂を空けて欲しい

との事だったので

このタイミングでさっさと寝袋を片付ける

やはりソロテン泊とは勝手が違う

 

5時40分を回ってそろそろかな?と

カメラを持って外に出る

山荘前では数人の人たちが

東の空を眺めて日の出を待っている

自分もその一員に加わって日の出待ち

辺りを見回せば枯れ草や木段には

真っ白に霜が降りて

今朝はかなりの冷え込みだったよう

 

5:58

日の出を迎える

水平線近くの雲が残念だったけれど

久し振りに見る山上での御来光は

やはり荘厳な雰囲気だった

 

 

 

日の出を確認して

直ぐさま山頂へと駆け上がる

檜洞丸の山頂へは3分程の距離

山頂の西端に寄れば富士山が見れる

赤富士をと期待したが

思った程の焼けではなくて

北側の大室山もまずまずのモルゲン具合

やはりそれなりの好条件に出会うには

運の力が必要なのかも知れない

 

 

 

山荘へ戻り朝食を摂る

何時ものように切り餅を入れたラーメンと

レーズンバターロールを2個

これでそこそこのカロリーは摂れたはずだ

登山は負荷の強い全身運動

これだけの炭水化物を摂っても

数時間で消費されてしまう

 

7:17

山荘を後にする

今日は大室山まで行きそこから下山

距離も然程ではないので遅めの出発だ

 

 

 

山荘から僅かに登って檜洞丸山頂

そこから北側の犬越路へと進路をとる

 

 

 

山頂からの木段道をトントンと下る

真っ白に降りた霜で良く滑るが

慎重に下れば問題無し

そんな道を一頻り下ると

富士山がスッキリとした姿を見せてくれる

当に絶景の一言

富士山はこれまでも各所で眺めているが

この丹沢からの距離感が

ちょうど良いと思えた瞬間だった

 

 

 

大室山も然り

熊笹ノ峰の向こうに穏やかな姿を見せて

その奥は奥秩父辺りか?

朝の穏やかな光の中で見つめる風景は

昨日一日に溜め込んだ疲れを

解し去ってくれるようだった

 

 

 

樹林帯手前まで下ると

昨日のTVクルーが

富士山にカメラを向けてました

訊くと、条件待ちとの事でしたが

これ以上待っても自身の経験上

好条件にはならないと思うのだけれど

そこはプロ、背負うものもあるのでしょう

 

 

 

8:09

熊笹ノ峰まで下りて来た

目の前には大笄(おおこうげ)

疎らな樹々と笹原とで

ちょっとメルヘンチックな佇まい

 

 

 

その大笄からも富士山が眺められる

やはり予想通り雲が湧き始めて

この後富士山は然程の時間も経たないうちに

低い雲に隠されてしまった

先程のTVクルーさんたち

良い画が撮れたのか気になるところでもある

 

 

 

大笄からは険しいヤセ尾根続き

急傾斜の道を下って行く

 

 

 

ここでも野草たちが姿を見せる

この険しさ故に

鹿たちも近寄りがたいのだろう

 

 

 

更に瘦せた岩尾根とクサリ場が続く

当初、初日は犬越路までと考えていたけれど

一日の終盤の疲れた状態で

ここを下るのはとても危険だと思えてきた

益してや日の落ちた暗闇の中など

考えただけでもゾッとする

やはり昨日は青ヶ岳山荘泊まりで正解だった

いや、蛭ヶ岳山荘泊まりにすべきだったか

 

 

 

そんな反省じみた想いを巡らせながら

ヤセ尾根道を下れば

道は徐々に穏やかさを取り戻す

 

 

 

緩やか尾根に出れば紅葉のエリア

日を透かした葉っぱが美しい

 

 

 

で、冷涼な岩陰に

咲いていたのはイワシャジン

もうこの時期には見れないと

思っていたけれど

まだまだ綺麗な姿で残っていてくれました

 

 

 

一頻り緩やか道を下ると

樹林の切れ間から大室山が仰ぎ見れる

意外にもその姿は大きくて威圧的

ここも初めてではないけれど

やっぱり今回のラスボスは

手強い山だと思えてくる

 

 

 

9:59

犬越路へと到着する

ここは本日の最低鞍部

檜洞丸山頂から標高差にして

500mほど下りてしまった

ここのベンチで少休憩をとる

 

 

 

で、ここから神ノ川への道は閉鎖中

2019年の台風の痛手で

まだ神ノ川林道は未だに通れぬままのよう

早期の復旧を願うばかりです

 

犬越路からは登り返しが始まる

ここまでのように険しさは無いが

傾斜は思いの外急勾配で続いている

一頻り急登道にあえぎながら登り上げると

漸く傾斜が緩み

ブナの樹が立ち並ぶ尾根道に乗る

ブナの樹は既に葉を落としてしまっているが

カエデの類やツツジの類は残ってて

少しばかり目を楽しませてくれる

 

 

 

今朝の晴れていた空は何時しか雲に覆われて

肌寒い風も吹き出した

先程あの富士山を覆ってしまった雲と

同じ雲がここにもやって来たようだ

雨を降らす程ではないけれど

今朝の晴れ予報は少しばかり外れてしまった

 

 

 

尾根道はいよいよ山頂直下までやって来た

傾斜が幾分強くなって

丹沢らしく木段道も現れる

 

 

 

所々に残る赤いツツジに癒されて

急坂を登り上げれば

加入道山方面への分岐点

ここを右の山頂方面へと進路をとる

ほぼフラットと思える程の緩やか道を辿れば

11:56

大室山山頂へと辿り着く

山頂には誰もおらず独り占め状態

樹林の間から南東側を眺めれば

今朝出発した檜洞丸が辛うじて確認出来る

 

ここで独りランチ休憩

裏丹沢の盟主は意外に静かな山頂でした

 

 

 

山頂から「久保吊橋→」の案内に従って

斜面の道を下りだせば

だだっ広い尾根に続く道は極めて不明瞭

一面に降り積もった落ち葉が

更に難解さに拍車をかける

辺りは気持ちの良いブナ林なのだけれど

のほほんと下る訳には行かず

常に道型らしきものを探しながら

下らなければならない

頻繫にGPSを確認しては

ルートから外れてない事を確かめて

 

 

 

漸く顕著な尾根道に出る

そこは中々の色付き具合

不安要素が一つ消し去れば

紅葉を楽しむ余裕も生まれる

 

 

 

高度が落ちればお決まりの植林地帯

人里が近付いたしるしだ

鬱蒼と茂る杉や桧の林の中を下って行けば

13:33

大渡との分岐点

現在、大渡の吊橋は崩落して通行止め

従って久保吊橋方面へと下って行く

 

 

 

ここからが意外にも急下降路だった

何時ものごとく

踏ん張りの利かない脚を庇いながら

斜面を下って行けば

14:23

何とか久保吊橋の袂まで

無事に下り立つ事が出来ました

 

 

 

吊橋を渡ったその先には

デポして置いたMTBも

ちゃんとそのままにあって(当たり前?)

先ずは一安心

 

 

 

さて、ここから車を置いた

西野々の登山口まで

MTBでの国道の移動です

 

 

 

いざ、しゅっぱ~つ!

と走り出したまでは良かったが

意外にも上り坂が多かった

ここから西野々の登山口までは

標高差にして150m程下るのだが

ある程度は想定していたけれど

疲れた脚ではギアを落としても

漕ぎあがる事は辛くて

MTBを降りて歩く事に

結局、三度ほど歩いてしまったが

それ以外は快適な下り坂道

爽快に風を切る感覚は

徒歩では味わえない軽快さだった

結果、想定外に時間は掛かってしまったけれど

 

15:50

車を置いた西野々の自治会館前へと到着です

 

 

 

以前から想い描いていた丹沢主脈縦走

今回で想いが叶いましたが

丹沢はこれで終わりではありません

まだまだ未踏の尾根道も沢山残ってて

新たな課題としての丹沢は健在

中々奥の深いエリアとの想いは

深まるばかりです