2020年6月21日
やっと訪れた県境を跨いでの移動自粛緩和
早速、長野県の黒姫山を歩いてきました
ここは二年前の同時期に一度訪れてますが
見落としていたある花が見たくて
今回、再訪してみました
今回も前夜に現地入り
”道の駅しなの”で車中泊
翌朝、黒姫山南麓の大橋登山口へ移動
身支度をして
5:09
登山口を出発
大橋登山口
気温11℃
梅雨入り前の暑さに慣された身体には
ちょっと肌寒い朝
笹の繫る緩やかなカラマツ林の道は
起き抜けの身体を目覚めさせるには丁度いい
ズダヤクシュ
歩き出して10分程
”種池”分岐までやって来た
折角だから覗いてみる
起き出したばかりの太陽が顔を出し
蛙の声が木霊する池は静かに水を湛えている
種池
分岐へ戻り
再び笹の繫るカラマツ林を行く
マルバフユイチゴ
ここのところ鹿の食害の進む山ばかりだったが
やはり鹿の住めない豪雪地の山はいい
下草類が当たり前のように生えて
好きな野草の花も豊富だ
ミヤマナルコユリ
カラマツ林を抜け出して
小高い斜面を登ると”古池”の堤
池を覗いてビックリ
堤の補修工事の為に水が抜かれてました
水の抜かれた古池
池畔の道を行くと
ミズナラの枝先に白い塊が幾つも
モリアオガエルの泡卵だ
枝先の真下には水の無い硬く干上がった池の底
孵ったオタマジャクシの運命を想うと切なくなる
モリアオガエルの泡卵
更に池畔の道を行くと
大きなスギナのようなミズドクサの群生
こちらは湿り気があれば大丈夫そう
ミズドクサ(朝露で白い)
左側に小さな祠を見て
北側の堤に回り込む
ベニバナイチヤクソウ
ノビネチドリ
堤の先は湿原地帯
木道路を飲み込むようにアシが繫茂する中
それに負けじと水辺を好む逞しい花たち
ヒオウギアヤメ
サワオグルマ
池の畔を半周して道は木道路を逸れ
森の中へと入って行く
左手に沢音が近付くと
小沢の徒渉点
前回も見つけたコケイラン
今回も同じ所に咲いてました
コケイラン
そしてクリンソウも同じ所に
ただ、花は終わって実を結び始めてました
大きなサワグルミの倒木が数本
折り重なるように道を塞ぎ
その僅かな隙間をすり抜けると
急斜面の道に切り替わる
まだ蕾状態のトチバニンジン
ギンリョウソウ
7:37
湿度の低い空気と低めの気温に助けられ
思ったよりも楽に新道分岐へと辿り着く
ここで遅い朝食タイム
先着の二人のジモティーと情報交換
今日は県外からの登山者が多いと言う
やはり誰もがこの日を待っていたのでした
ここから西登山口方面へ
広い林道状の道を行く
やはりこちらの路傍にも
花を咲かせた野草たち
ツクバネソウ
マイヅルソウ
小沢を渡り
”竹細工の森”監視テントを過ぎる
ユキザサ
緩やかに斜面を登り切ると
”大ダルミ”の湿原
ここは木道も何も整備はされておらず
湿原の縁から樹間越しに眺めると
湿原の中程は白一色に染まる
カメラのレンズを介して見ると
ワタスゲの群生でした
大ダルミのワタスゲ
道はここから緩々と下って行き
8:40
西登山口の分岐点へ到着
ここから暫く北進後
西側斜面の急登道に切り替わる
程なくして”天狗岩”
大岩を乗り越えたり隙間を抜けたりと
中々の難所路でした
天狗岩のルート
慎重に天狗岩を抜ければ
再び急登道が続く
息が上がり立ち休みを繰り返す
そんな苦しい道で
歓喜は突然やって来た
路の両側に白い花が散りばめられていたのだ
想像以上の群落に思わず
「凄~い!」
と、独り声を出してしまった
これまでに八ヶ岳や北アルプス、奥秩父などで
オサバグサを見てきたが
こんな規模の群生は初めて
今回、このオサバグサを目的に
このルートを選んで大正解でした
以下、オサバグサの写真です
道の両側にオサバグサが続き
急登の疲れも何処えやら
すっかり良い気分で急登道を登り切れば
緩やか道がシラビソの森に続いていた
(その二)へ続く