タケトくんの話2(完) | マイペースな日々

マイペースな日々

『中学生 いじめと学級崩壊』というタイトルを変更しました。
息子は2024年に大学生になりました。

あおいです。

*このブログ記事は過去の話です。
大変モヤモヤされることとは存じますが、息子(アキトくん(仮))のような小学生がどのようなトラブルに遭ってしまうのかを書いています。*

毎朝の仕打ちについて、息子に聞いてみました。

が、発語が少なく、今一つ、息子の気持ちが分かりません。
どうやら「イヤな気持ち」にはなっています。
が、走り去るタケトくんを追いかけるほどの執着はありません。

「イヤなら、もう、一緒に登校しなくてもいいんだよ」と言ってみても「来てくれるのはイヤじゃない、そのあとは、ちょっとイヤ」ということで、ラチがあきません。

夫に相談しても「両親の離婚や、距離の離れた引っ越しっていうのは、子どもにとって大きく世界が変わってしまったかのような衝撃なんだから、タケトくんを責めたりしないで、見守っておけばいい」「大人が強要して収まるようなものじゃない」という反応。

思い悩んだ末に、私はタケトくんのお母さんとコミュをとることにしました。
タケトくんとじいちゃんの会話から、彼女はうっすらと朝の状況をご存知でしたが、とにかくここでの生活基盤を整えるために仕事中心に頑張っていて、必死なことが伝わってきました。

タケトくんは、頭が良くて、運動も出来て、小さな妹の面倒も見ているし、聞き分けも良い子だと言うことが分かってきました。
何事にも全力投球で真面目に取り組むタイプであり、息子のようなマイペースな人間を理解できる年ごろではありませんでした。
ダラダラとやっている(ように見える)息子が、大人たちから怒られもせず受け入れられていることが、タケトくんには理不尽だったのかもしれません。

ましてや、罵倒しようがイヤなことをしようが、息子の反応は鈍いのです。
怒りもしないで平然としている(ように見える)態度が、小競り合いで距離感を測る男子からすると異質すぎるんだよ、と幼稚園の先生をしている友人から言われました。

タケトくんのお母さんと、次第に仲良くなり、私と彼女は、今でもママ友の付き合いをしています。
彼女と仲良くなったところで、タケトくんの態度が劇的に変わることは一ミリもありませんでしたが、タケトくんが私の顔色を伺うようにはなってきました。

四年生に上がると、タケトくんの妹も集団登校のメンバーに加入することになりました。
この妹の登場で、朝の儀式は終焉を迎えました。

息子を置き去りにして走り去るタケトくんの姿に対して「それってアキトくんをイジメているみたい」と妹ちゃんが自分の考えを家族全員に伝えたようでした。
以降、タケトくんが我が家のチャイムを鳴らすことはありません。
徹底して無視です。
でも、平和な朝になりました。

小学校を卒業するまで、息子はタケトくんの妹たちと集団登校を続けました。
妹たち下級生は、息子の発言を「何を言っているのかよく分からないけど、面白い!」とニコニコしてくれるらしく、彼女の存在があったからこそ私はタケトくんのお母さんとの縁が切れなかったのかなと思います。

さて、今年の息子のクラスには、このタケトくんも所属しています。
タケト君は、文武両道の優等生となり、息子と仲良くしませんが、イジメてきたりもしません。
無視することも特になく、穏やかな関係だと言えるでしょう。