誰しもが困っている | マイペースな日々

マイペースな日々

『中学生 いじめと学級崩壊』というタイトルを変更しました。
息子は2024年に大学生になりました。

あおいです。
 
息子を取り巻く現状を深く思索するために、彼の幼いころの話を書いています。
息子は発達障害の診断をいただきませんでしたので、グレーゾーンに属しているであろう子です。
 
やんちゃな子に対してどう対応したらいいのか困っている。
というときに、どのように対応したらいいのかを支援しましょう、というのも療育だと聞きます。
でも、せいぜい周りの人間が出来ることなんて、寄り添うこと以外ないんじゃないのか、と思うのです。
 
ソーシャルスキルで万事解決できるなら、息子の中学校で発生している問題の大部分は解決するでしょう。
しかし、現実はそうではない。

特性のある側が、お行儀よく振舞うことができれば安心でしょうか。
特性のある側が、相手の気持ちを否定せずに受け止められれば安心でしょうか。
特性のある側が、自己主張して悪いことから逃げる知恵があれば安心でしょうか。

いいえ、こういうことが出来る子も、やんちゃな子の餌食にはなるのです。
「普通じゃない」と言われることだって、それはやんちゃな子から見た主観でしかない。
ソーシャルスキルを身につけることは大切だけど、それが唯一の最適解ではないのです。
 
それでは、先生に疎んじられて困っているのはソーシャルスキルでどうにかなるのでしょうか。
不思議ちゃんにならず、先生の指示通り、そして先生の想定する時間通りに動ければ、疎んじられることもないでしょう。
 
けれど、それが出来ないから、特性のある子は困っているのです。
訓練で何とかなる子もいるでしょうし、何とかならなくても知識を与えることに価値があるという考え方もあるでしょう。
ですが、正直に感じるところは、結局は先生の好き嫌いに合わせられるかどうかで、クラスの中での生きやすさというのは決まっているような気がします。

目の前の人間の好き嫌いに合わせられるようにしましょうね、などということが療育支援の本質とは言いたくない。
きっとソーシャルスキルとはそういう類のものではない。
自分に害を与えない誰かに対して、こちら側が害を与えないためのスキルではないかと思います。
 
そうだとすると、特性に寄り添う気のない誰かから受ける嫌がらせの数々は、やはり解決などしないのです。
ずっとずっと困るほかないのです。
 
さて、幼稚園二年目。
新しい担任の先生は、入園時の面接にいたベテラン先生でした。
この先生と息子は驚くほど相性が良く、別に嫌がらせが止むことは全くありませんでしたが平穏な日々を送ることが出来ました。
ちなみに、息子は中学校からの下校時に幼稚園の前を通ることがあるそうです。
なんとこの先生は六年ぶりに見る中学生の息子を見て「息子くんじゃない? 大きくなったねぇ!」と声をかけてきたそうです。
 
幼稚園三年目の年長さん。
新しい担任の先生は、なんと一年目の担任の先生でした。
暗黒面の扉がまた開かれるのかと思いましたが、息子の不思議ちゃん具合が先生の想定の範囲内だったようで、初年度ほどの冷遇は受けませんでした。
もちろん、やんちゃな子からの嫌がらせは止みません。
 
そのかわり、年下の子には大人気でした。
怒らない、大声も出さない、話を良く聞いてくれる、何よりやんちゃな子の防波堤になりがちな息子は、モテモテでした。
社会性が身についてきたのかな? と親として喜びましたが、よくよく聞くと息子は振り回されていただけでした。
慕われている間も楽しくはなかったそうですし、相手の名前にも興味はありませんでした。
 
「幼稚園児まではすぐに泣くから、正直、怖かった」
というのは、10歳くらいに聞いた息子の本音です。