ああそれなのに、あまりにもお腹が空いていて蕎麦の写真撮るの忘れてしまった。
訪問したのは「松葉茶屋」。オープンエアの茶屋風味たっぷりのお店。十割蕎麦の天せいろ。コシがあって風味が強く美味でした。
何故か、明治時代に寺の須彌壇の裏から見つかり、1300年を超えて関東の地に現れたものである。
写真撮影は、出来なかったので詳しい来歴は、リンクを。
https://www.jindaiji.or.jp/about/kokuho.php
そして深大寺と言えば都立神代植物園。木漏れ日に通る5月の風は最高✨。園内は薔薇フェア🌹で賑わっていて薔薇の香りに包まれている。
大温室には、珍しい熱帯の植物、蘭、睡蓮、サボテン🌵
nyasperは、奈良美智さんの描く女の子がBIG ISSUE の表紙に登場した時は感動した。アートを通してのメッセージや作品の提供は尊敬。
そして、ちょっと不思議な目の離れた女の子や青森県立美術館で会ったうなだれた「あおもり犬」などその世界も大好き💗。
その奈良さんのアトリエ兼美術館が那須塩原市にあると聞いて尋ねてみる。
nyasperが知らなかっただけでその美術館は、2018年3月オープンしていた。いつも立ち寄る道の駅のすぐそばにあった。今日は連休の谷間なので空いているかなと思っていると「N's yard」の駐車場には、結構な数の車。旅行中の中国人グループがマイクロバスで訪問する姿が。奈良さんのポスターを沢山買ったらしい。奈良さんのアジアでの人気が伺える。
鬼怒川温泉に行く途中、栃木市立美術館にてミュシャを見る。
nyasper は7年前東京で開催された「スラブ叙事詩」の展示は、あまりの混雑で会場に行ったのに断念したのは、未だに後悔している。6年前プラハのミュシャ美術館でやっと見たミュシャ。それ以来の「押し」。今のところの目標は、「スラブ叙事詩」の美術館が出来たら見に行く事。
今回は、日本におけるミュシャの代表するコレクターである株式会社尾形企画所有の作品が集められ栃木市立美術館での企画展として開催されている。特にポスター、ブックデザイン、ポストカード、商業デザインが中心となっていた。解説も分かり易く、作品は正に「眼福」。アルフォンス・ミュシャ(1860年~1939年)は、チェコに生まれパリ、ドイツ、アメリカで活躍したアールヌーボーを代表する作家。若い頃、生活のために挿し絵やポスターを描いていたが、サラ・ベルナールの舞台ポスターのデザインから人気の作家になる。今回の展覧会には、その時代の本当に優雅で美しい作品が散りばめられている。ミュシャの描く女性の顔が可憐で、上品でミューズが舞い降りた感じがする。
そして名声を得て、アメリカでパトロンを見つけ、ミュシャは本当に描きたかった「スラブ叙事詩」を母国に戻り18年かけて完成させる。nyasper の未だ見ぬこの「スラブ叙事詩」のパネルも展示されていた。やはり地方の美術館はゆっくり見られるのが良い。
話題作「オッペンハイマー」は、クリストファー・ノーラン監督による原爆を作った天才科学者 オッペンハイマーの栄光と挫折を描いた作品で今年のアカデミー賞7部門を受賞した作品。
時代は第二次世界大戦下でマンハッタン計画により原爆を作ることになったオッペンハイマー。しかしその原爆の威力におののき、その後の水爆の研究に反対したオッペンハイマー。
この映画、日本人の立場で見ると本当に辛い。1945年、オッペンハイマーによって作られた原爆によって20万以上の人が広島と長崎で死んだという事実。アメリカの論理は、これで戦争を終わらせる事ができると正当化されることになる。しかし、日本人の立場では正当化されたらたまったもんじゃあない。実際、この映画の映像には、広島、長崎に原爆が投下されたという事実しか扱っていない。ナチスに使うという目的からそれを日本に落とすという戦略変更のご都合主義。そこには、アジア人に対する蔑視や敵意があったに違いない。作ったのは科学者、そして使うのは政治家という線引きがされている。狡猾な政治家に利用される科学者の何と脆弱な立場。
この時代の背景には、ソ連との軍拡競争がありそれは、原子爆弾をどちらが持ち、世界の覇権を握るのかという争いが加熱していた。そして、それは今も何も変わっていない。国連の安全保障委員会を作ったが拒否権が発動されれば何も機能しないし、核弾頭の数も増えるばかり。戦争のやり方が高度化し宇宙まで達したり、プログラム化し、見えにくくなっているだけ。今も、この時代と変わらない。
この映画が作られたことは、度重なる戦争の時代にあって、戦争を問い直すことしか意味はない。アメリカ人的視点の映画ではあるが、こうやってしつこく話題を掘り返すことによって浮き彫りになることもあるのではないかと思った。この映画がなければ、こんなにもアメリカの科学者の内部に共産主義者が居たことや、マッカーシズムによる赤狩りの現実も忘れてしまうところだった。そして、オッペンハイマーとアインシュタインが一時期、同僚であったことを知った。3時間の大作、骨太な人間を扱った映画という感想を持ったがnyasper は、一度見ただけでこの映画、語り尽くせるほど「脳力」はない。