「碓氷峠鉄道文化むら」シリーズ、その第5話でございます。
鉄道車両屋外展示スペースに舞台を移した2回目。
今回は気動車(ディーゼルカー)2種と珍しい貨車のご紹介です。
気動車と言うと何となくレアな地方ローカルなイメージが強いですけれど、
蒸気機関車時代の終焉から電化路線になる近年まで、
大都市圏近郊でも一時代を気づいた車種なんですよね。
電化区間が珍しかった時代、電車特急や普通電車が当たり前に走る以前、
あっちもこっちも非電化区間のオンパレードで気動車が大活躍していた時代があったのです。
そんな時代に生まれた、どちらもレアな気動車間違いなしです。
まずはキハ35-901。
大都市近郊のラッシュ緩和のために開発された気動車で、
気動車初のオールロングシートに両開き扉など、
国電(懐かしい響きですわ)をイメージした設計です。
大阪の天王寺口を皮切りに各地の都市近郊路線で活躍した車両です。
関東では電化前の川越線やつい最近まで高崎と八王子を結ぶ八高線で活躍してました。
そういえば子供の頃、高崎駅で見かけたことのある車両ですわ。
当時、あたし的に気動車と言えばキハ58やキハ40が主流でしたので、
高崎駅で見かける、何だか古めかしくてボロっちい気動車ってイメージがありますね。
続きまして、キニ58-1。
こちらは一般の乗降用気動車とは違って「荷物気動車」と呼ばれるタイプですわ。
簡単に言いますと、「郵便車」とか「郵便電車」みたいなイメージですね。
この車両は荷物ターミナル間での運行を目的として製造された形式で、
車中は広々としていて、パレット輸送に適した荷物室となっておりますです。
もちろん荷物気動車ですので、この車両単体での旅客扱いは行っていませんでした。
このキニ58-1は常磐線の隅田川 - 平間で使用され、
昭和60年の荷物輸送廃止まで活躍した経歴を持ちます。
今度は趣を変えて貴重な貨車になりまする。
ソ300。この化け物のような貨車の名前ですわね。
線路工事等のためにそれまでのソ200を改良して作られた操重車(クレーン)です。
このソ300、走行用ディーゼルエンジンを搭載し、最高時速25㎞/hで自力走行が可能でした。
また、35tまで持ち上げることが可能で、各地で橋桁等の架替工事に威力を発揮しました。
それにしてもこのソ300の厳つい風貌。
まるで旧ドイツ軍の列車砲を思わせるようなスタイルで、
鉄道文化むらに展示されている車両の中でも奇抜さでは群を抜いておりますわ。
貴重なカマが数多く保存展示されている文化むらですけれど、
こういったレアな気動車や貨車にも目を見張るものがありますね。
次回は鉄道文化むら保存展示車両唯一の蒸気機関車、D51 -デゴイチ- の登場ですよ。