4年前に間取り相談を受けられたKさんちの長男君がリビング学習で勉強をがんばり、県内トップの難関中学に合格した!という嬉しい報告をいただいた。
間取り相談時にお客さんと一緒にあちこちに撒いた種が数年後、新芽が出始めたみたいで、とても嬉しい!と思った話。
・・・・・
間取り相談をする際、いつも心がけているのは、目の前の悩み解決だけじゃなく、長い目で見て「この間取りに住むご家族の成長に対応や変化できる間取りになっているか?」なんだけど、K妻さんからの報告は、まさにソレだよなぁと思った。
先日、北海道のY夫さんちシリーズで、ダイニングテーブルを大きくした経緯を記事にしたんだけど…
それをご覧になったK妻さんが、「我が家もダイニングテーブルの件でお礼が言いたい!」とコメントを下さった。
K妻さんは、坂口のブログ読者ではなく、個人事業者系のコミュニティで知り合った方で、そのとき雑談をしていて坂口の仕事内容を知り…
「実は今、ちょうどマイホームの計画中で困っていたので相談乗って欲しい」と間取り相談を依頼された方である。
同じ県内でもあるため、マイホーム完成時にそのコミュニティ仲間と新居見学にお邪魔させてもらった。
これはその時の写真↓
(K妻さんの掲載許可済み)
K妻さんは、ジムを経営されていてインストラクターでもあり、日々ご自宅でもトレーニングをされている。(↑リビングの一角でトレーニングができる)
スタイル抜群のK妻さんの横で、やや残念な感じの坂口…(恥)
そんなK妻さんから、つい先日素敵なコメントをFBに頂いたのでご紹介。
な、なんと!あの超難関中学に合格なんてスゴイじゃないですか!
しかも坂口が「置けるんだったら広い方がいいよー」と熱弁した結果、採用された、あの広々ダイニングテーブルで受験勉強して…とは、感慨深いわぁ
K妻さんちの家族構成は、夫婦+子供二人の4人家族。
当時使っておられた135㎝のダイニングテーブルを新居でも使う予定とのこと。
さらに、ダイニングテーブル横に勉強&作業用のデスクを造作する計画になっていた。
K妻さんのキッチン周りのモノの量と使い方を伺い、このままでも悪くないけど…でも、なんかもったいない!と思う部分が多々あった。
- 造作デスクの奥行きが45㎝。用途的にやや狭いのでは?
- 家族が多目的に一番使うであろうダイニング。工夫次第で2mくらいにできるけど…
- 図面の寸法よりキッチンを一回り大きくする予定だと。
- 大きくするキッチンが、ダイニングにくっつくなら…キッチン周りに回遊性を持たせてはどうか
よくLDK付近で見かけるスタディカウンターは、奥行きが45㎝であるケースが多い。
奥行き45㎝は、読書やノートパソコンをするくらいならちょうどいいんだけど、
「子供が宿題」「大人が作業を伴う仕事」をするにはやや手狭である。
↑これ、当時小学生だった娘に「※45㎝の範囲内で勉強できる?」と実験した時のものなんだけど…
※赤色点線ラインが奥行き45㎝を示す
娘曰く「ギリギリできるけど、やりにくい!」と不評であった。
↑写真はダイニングテーブルの一角なんだけど、これが造作カウンターだった場合、45㎝より奥は固定の壁が目前に迫るワケで…。
さらに、書き取りノートの下の方は、この配置では非常に書きづらいっていうか、ノートを上にズラさないと書けない。
「ドリルを横に置けばいいじゃん!」
と思うかもしれないが、当事者からするとノートの上にドリルがあるから見やすいのであって、横だと見づらい!面倒くさい!とのこと。
…確かに!
そんな経緯もあったりして…
こんな風はどう?と提案したのであった↓
- 45㎝デスクは収納にして、多目的利用の大きいダイニングをデスク兼用とする。
- 食事はもちろん、子供の勉強、大人の仕事、接客などで利用する。
- キッチンに回遊性を持たせた
この提案を気に入ってくださり、実際に採用された2mのダイニングテーブル↓
この机で長男くんが受験勉強を頑張ってたのね…素晴らしい!
そうそう他にも…
面積はあるのに、土間部分が狭いのが気になったので、広げてはどうか?とご提案してたっけ…
玄関とホールの面積配分は、それぞれ家庭で多少事情が違うけど…
よく見かけるのは、土間が小さめで、ホールがドドーン!と広いタイプ。
広いホールもいいけど、そのせいで靴で歩くスペースや脱いだ靴を置く土間が狭くなるのはイマイチなんじゃないか?と。
なので、そういう計画を見るとつい、「土間をもう少し広げませんか?」と申し上げたくなっちゃうんだよね。
K妻さんと、さらにこんなやりとりを…
↓坂口
↓K妻さん
K妻さん、素敵なコメント&掲載許可ありがとうございます!
それにしても…親が放置でも自ら勉強して超難関中学に合格とは、素晴らしい!
K妻さんは…
- 大きめ(今回は2m)ダイニングテーブルを当初から視野に入れた間取り
- 利用頻度の低いソファは後回しでOK
- 子供の成長に合わせた寝室のレイアウト
- 今になり(子供が大きくなってきて)玄関土間の広さが助かる
こんな部分が良かったとおっしゃってくださったんだけど…
間取り作成当時、まだ子供たちは小さい。
いつか大きくなるのはわかっているんだけど…つい、今の生活パターンに目を奪われがちではあるよね。
…前置きが長くなったけど
世の中には「リビング学習がよい」みたいな本を見かけたことはあるが実際に読んだり詳しく調べたりしたことはないんだけど…
リビング学習がいいと思う私の持論は、
「ほどよく雑音というかザワザワしてるのがいいんじゃないか?」
つまり…
「雑音に負けない集中力」がつくからじゃないか?とね。
なんでそう思うか?って。
実は、我が家の長女(高2)も、K妻さんちの長男くんほどじゃないけど類似の経緯をたどり志望校に合格したんだけど…
受験当時、本人がそれっぽいことを言っていたから。
- 自室だとついヨソ事しちゃう(←リビングなら多少家族の目もあるので脱線防止になる)
- 静かな環境でしか集中できないのはマズイ(←試験中、まわりの雑音が気になるようでは困る)
- あえて物音がしているくらいの方がいい(←「ひたすらちょっと物音がする」動画を聞きながら勉強してた(笑))
これを聞いたとき、なるほどね…と思った。
リビングなら、そこそこ雑音があるもんね。
子供が勉強していたらテレビは消すとしても、物音はもちろん…家族は通るし、会話くらいはするし。
そんな中での勉強は「雑音に負けない集中力」のトレーニングになるんだろうな、と。
確かにウチの長女(姉)はダイニングで勉強中、目の前で長男(弟)や私が会話してても、まったく気にせず集中してやってたっけ。
逆に弟の方は、ちょっと物音がするとすぐにそちらに注意が向いてしまい、全然集中できない
つまりアレですな…
「リビング学習する子供がみんな成績がよくなる」のではなく、日々リビング学習で雑音に負けない集中力を鍛え、それに打ち勝てたら…成績があがるんじゃないか?と。
大人だって、スゴイ集中してるとき、周りの音がまったく耳に入らないって言うか、気にならないことあるよね。
…とはいえ、子供の頃、勉強が嫌いだった私は、すぐに気が散る息子の集中力のなさは非常に共感できるんだけども…
あなたの間取りで、家族がちょうど座れる程度の小さめ?なダイニングでOK!としていたとしても…
大きめダイニングを視野に入れても間取りが成立するのなら、今は「小さくてOK!」と思っても、今後家族の変化を見据え「大きめダイニング」にするのもアリかも…。
すぐに芽は出ないかもしれないけど、数年後それがいい仕事するかも~!