「スキップフロアが8段目」の盲点 | 失敗しない間取り相談 新築|リフォーム 間取りアドバイザー 坂口亜希子

失敗しない間取り相談 新築|リフォーム 間取りアドバイザー 坂口亜希子

セルフチェックで「あなたのマイホーム図面」を辛口主婦目線に耐える図面に変身させます!
日々家事をこなす主婦であり建築士だから気づく!わかる!間取りのアドバイス。

スキップフロアがある場合、平面図だけ眺めていては危険!
必ず断面図などを用い、立体的なイメージをすることをおすすめする話。




間取り相談で拝見する間取りで、時々見かける「スキップフロア」。

立体的にイメージできているケースが少なく、平面図だけ見て「いいかどうか」を判断している人が多い。

平面図しかもらってない場合は仕方ないが、可能な限り立体的、断面的にもイメージされるといいなと思う。



スキップフロアとは…空間の中に高さの違う床を設けること。
中二階ともいう。
階段の踊り場を広くするケースが多い。



 

K妻さんから届いた嬉しい報告


今年5月に(もう10月だけど汗2年前に間取り相談を受けられたK妻さんから「新居に住んでみて1年経った感想」をいただいた。
(※K妻さんより掲載許可済み)




わー、K妻さん!ご無沙汰してます!
確かに打ち合わせ時間、最長記録をたたき出しましたよね。

スキップフロア問題で…(笑)



8時間6分20秒もしゃべり倒してたのね…私(しかも一度もトイレにも行かず…汗





住み心地最高キラキラっすか!

お願いしてよかったキラキラ まあ嬉しい!

このお言葉。ホントに間取りアドバイザー冥利に尽きます!
Kご夫妻さまのお役に立てて本当によかったです!



当時2歳だった長女ちゃん。もう4歳になったのね。
背後でお寛ぎ中のご主人様、ご無沙汰しております!



おお!例のスキップフロア。いい感じに仕上がってますね~

あのまま8段目で作っていたら、このリビングを望む景観は無かったかも…ですな汗



実は、当たり前のようにできているこのスキップフロアなんだけど、
間取り相談時の原案のままだと、ちょっと違ったことになっていたに違いない…

 

 

 


 

K妻さんちのスキップフロア


■K妻さんちの基本情報

  • 愛媛県在住
  • 夫婦+子供二人(姉…2歳、弟…妊娠中)※当時
  • 夫婦フルタイム共働き
  • 地元ビルダーと1年かけ10回以上、間取り作成(完成直前)
  • 間取り決定までゆとりなし



K妻さんちの最大の特徴はLDKにスキップフロアがあることだった。
ここが見せ場だとおっしゃっていたし、あれこれ楽しげなイメージを膨らませている様子が事前にいただいたレポートからも伝わった。

…が!

平面図のスキップフロアは、おそらくKご夫妻さまのイメージとは違うものなのでは?と間取りを見た瞬間、嫌な予感がしたのであった。


まずは当初の原案をご紹介…

原案1階間取り↓



↓2階間取り



 

  • スキップフロアは階段の8段目の高さ
  • 主な使用目的は、子供の遊び場、読書、見せ場



Kご夫妻さまの原案と要望を見比べ…

「うーん」
「なんかちょっと嫌な予感」

一番気になったのは、Kご夫妻さまからもらった「事前の悩み」の中に、スキップフロアに関することが1つもないことだった。



これ、平面図だけみて判断してる可能性あるよな…
勘違いしてるかもな…

と思ったので断面図を書いて、Kご夫妻様に見てもらった↓(当時は手書きだったけどね)




↑8段目が踊り場ってことは、高さ関係はこうなる。

キッチン方向を見た時、座った状態なら全体が見えるけど、立ったままだと見えづらい。(特にご主人様、高身長だし…)

で、一番の問題はここ!↓踊り場からリビングがほぼ見えないこと。


↑スキップフロアにL字のカウンターがある。
カウンターはたぶん高さ70㎝なので、このくらいになるハズ…
すき間から覗く感じ?汗



「ひょっとして…スキップフロアからリビングを見下ろしたり見上げたりできるイメージをしてませんか?」

と、断面図を見せつつKご夫妻様にお尋ねすると…

「えーーー!これじゃ、リビング全然見えないじゃないですか!

「坂口さんの言う通り、お互いに見えるイメージしてました!」


…と。

やっぱりね…。勘違いしてる汗

っていうか、ここは設計者が断面図を見せて説明しなくっちゃわかるワケないじゃん…的な部分なんだけど…

ま、そこはさておき。



「8段目を踊り場」ではなく、「6段目に踊り場」にしてはどうか?と提案した。

 

 


 

踊り場を6段目にしてみる


キッズコーナーは、いずれ物入にするとのことなので、高さは1mあればよいとして。
「スキップフロアの眺望を優先」することにして、↓こんな風にしてはどうか?と提案した。

■↓1階ビフォーとアフター

 




■↓2階ビフォーとアフター




 

  • 階段の登り口を「奥から手前」に変更
  • 階段下(11~15段)に「物入」ができた
  • ピアノは別の場所に置場を提案
  • 階段の登り口を「ひな壇」にして見せ場を作る
  • 踊り場を6段目にして、原案より40㎝ほど低く抑えた
  • スキップフロアからリビングやキッチンが見やすくなった
  • キッズコーナーの扉は中止し、2方向から出入りとした
  • 階段の向きを変えたことで2階ホールにゆとりができた
  • 2階の細長いトイレを通常サイズに変更
  • 2階洗面台の前を広くした



↑これらを断面的にみると↓こんな感じ


↑キッチン方向が見やすくなった




↑リビングとのつながりがよくなった。
スキップフロアの床高が低いので安全性がアップした。


完成後のKさんちのスキップフロア付近で比較してみる…

仮想の線入りビフォーとアフターを比べてみるとわかりやすいかと↓







K妻さんちのお子ちゃまたち。
リビングのパパやキッチンのママ、お互いに姿が見えて嬉しいよね~



キッチンからスキップフロアやキッズコーナーを見たところ↓





K妻さん、ホント、ここ素敵な空間になりましたよね!

よかったです!

素敵な感想&完成写真も沢山送ってくださってありがとうございます。
しばらくK妻さんシリーズとして登場してくださいませウシシ




あなたの間取りにも「スキップフロア」があり平面図だけではよくわからない場合、あなたの設計者さんに「断面的な高さ関係も知りたい!」とその付近の断面図をおねだりしてみてはどうでしょうか。


※坂口の間取り相談で拝見する間取りで、K妻さんち以外にも類似の「スキップフロアの住まい手のイメージとビルダー図面の相違」がちょくちょくあります。現場が進んでから気づくことのないよう、くれぐれもご注意ください。

 

 

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