吊戸棚向けの「蒸気対策パネル」について調べてみたらキッチンメーカーごとでまちまちだったという話。
↑坂口が設計したお客さまSさん宅(引っ越し直前)
前回の記事で、9月半ばにモデルチェンジする「ホットクック」の話から…
↓スライドカウンターに置くのではなく、
パナソニックキッチン
↓カップボードのカウンター上に置きたいという場合、
パナソニックキッチン
ホットクックや炊飯器は蒸気が出るから、そこそこ「上に空間が必要」だよね、という話で…
吊戸棚を少し下げたい場合は、より蒸気が当たるかも…な部分が心配だよね。
そういう場合に「吊戸棚の底に設置して蒸気をガードできて安心!」
という『蒸気対応パーツ』(←パナソニックの製品名)があるんだけど…
パナソニック以外のキッチンメーカーにも同じモノが当たり前にあると思ったら、メーカーごとにまちまちで、説明すると話が長くなるので「この話は次回に…」となっていた。
ということで…
今回の記事は「メーカーごとにまちまち」だったという話。
もし、あなたが「吊戸棚を下げたい」「蒸気が心配」と思う場合、判断の参考になれば幸いです!
炊飯器メーカーの取説をみても、具体的に「上部に〇㎝の空間が必要」とは書いていないことが多いんだけど…
一般的に目安として「炊飯器の上部に40~50㎝程度の空間を確保」と言われている。
ホットクックの推奨置場は「置場の高さが約50㎝程度」とのことなので、炊飯器がおける空間があるなら問題ないよね、と。
↑空間①がこのくらいあれば、ひとまず安心だけど…
小柄さんだと、↑吊戸棚の下の方にしか手が届かないので
小柄さんに合わせて…
またはデザイン的に…
①を↓このくらいにしたい!という場合もあるよね。
諸事情から、①に十分な空間が確保できない場合、カウンターに置いた炊飯器からあがる蒸気が心配…
そんなとき『蒸気対応パーツ』または類似品を吊戸棚底に貼るという手がある!
パナソニックのオプション品
↑家電から25㎝以上の空間が確保できる吊戸棚の底面ならば、コレを貼れば安心!という便利なアイテム。
『蒸気対応パーツ』はパナソニックキッチンのオプション品。
各キッチンメーカー共通で、普通に類似のアイテムが存在すると思ったんだけど…そうでもなかった
まずはカタログで調べ、それらしい掲載が無い場合は、各社へ問い合わせをして調べた結果、以下の通りだった。(2021年9月現在)
- パナソニック
*存在する…カタログに掲載。
- タカラスタンダード
*存在する…カタログに記載。
- トクラス
*存在する…カタログに記載。ただし、取手レス扉はNG。
- TOTO
*存在する…ただし、一般カタログに記載されておらず、さらに設置できるのは一部製品に限定。
- ウッドワン/クリナップ/リクシル
*存在しない…蒸気(水滴)が付いた場合「こまめにふき取りを…」とのこと。
へぇ、なるほどねー。
「蒸気対策パネル」が存在した4社のそれと
設定が無い場合の「裏技」を紹介しようかと。
カタログに普通に紹介されている…
↓拡大した
蒸気家電の上部に25㎝とあるのは、ショールームのお姉さん曰く…
吊戸棚を守るためももちろんだけど、上部空間が狭いと蒸気がこもりがちとなり、それが原因で
- 落ちた水滴で家電が痛む
- こもった蒸気が背面壁(クロス張りの場合特に)により当たる
これらを防ぐため「25㎝以上離して欲しい」とのことだった。
なるほど、わかりやすい!
カタログに文言のみで紹介されている↓
↓拡大した
うーん、画像が欲しい…と思ったら、ビルダー向けサイトで発見!↓
吊戸棚底に、マグネット利用のペーパーラックまでくっついてる!
さすがホーローパネルのタカラ。本領発揮ですな…。
カタログに掲載されている↓
↓拡大した
【注意点アリ】
トクラスの「スチームガードパネル」は、「取手レス」タイプの吊戸棚には設置できないので注意が必要。
・・・・・
ちなみに、今年初めに完成した坂口設計のS妻さんちも「トクラスのスチームガードパネル」付き。↓
↑パッと見、全然違和感ないでしょ?
この吊戸棚は、「フラップウォール」で扉が上に跳ね上がるタイプなんだけど、しっかり手が届いて使いやすい!とS妻さんがおっしゃっていた。
TOTOは、カタログにはそれらしい掲載はない。
でも、ショールームのお姉さん曰く…
一般的な吊戸棚には「蒸気対策パネル」は存在しないんだけど、「アイレベルウォール」にのみ、それの設置が可能とのこと。
TOTOキッチン
↑これが基本のアイレベルウォールで…
↓アイレベルウォール部分のみ、単独設置もできる。
「吊戸棚を低く設置したい派」さん向けとして↑これもいいよね。
この「アイレベルウォール」の底面にオプションとして「蒸気パネル」が存在する。
一般のカタログではなく、部材専用「資料集」には載ってた↓
諸事情から吊戸棚を低めに付けたいけど蒸気が心配…
でも、我が家のキッチンメーカーに「蒸気パネル」の設定が無い!って場合はどうすればいいのか?
ウッドワンに問い合わせた時、対応した方が教えてくださった…
「キッチンパネルを底に貼って代用するという裏技もありますよ!」
吊戸棚の底に、キッチンパネルを貼るだけである。
確かに!
しかもカンタン。
ただし…
- ビルダーさんが対応してくれるか否か。
(キッチンメーカー施工範囲外なので、ビルダーが別手配で施工することになる) - 正面から※「見切り材」がちょっと見える可能性あり。
この2点の注意が必要。
※見切り材とは…キッチンパル(厚さ3ミリの板)をそのまま貼ると小口(断面)が見えるため周囲を縁取りするためのモノ。
(↓こんな感じのものね)
いや~、それにしても…「蒸気対策パネル」が、まさかこんなに奥深いとは思わなかったわぁ
「蒸気対策パネル」がオプションに存在するメーカーでも、紹介した以外にも設置不可の吊戸棚もあるので、詳しくは我が家のキッチンメーカーで、ご確認ください。
あなたが「吊戸棚を下げたい」「蒸気が心配」と思う場合、今一度このあたりもチェックしてみてはどうでしょうか。