乾太くんを採用予定かつ、洗濯機の下に「防水パン」を置かない予定の場合は特に…
洗濯機の排水口の位置に要注意!という話。
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昨年間取り相談を受けられ、今は無事、新居にお住まいのTご夫妻さまなんだけど…
Tさんが引っ越し直前に「大問題発生!ショック!」と坂口にSOSのLINEが届き、すったもんだした話を紹介しようと思う。
↓こちら、Tさんから実際に届いたLINEメッセージ
(Tさんにはブログ掲載の許可済みです)
な、な、なんですとーーー!
近頃、間取り相談で拝見する間取りでの話なんだけど、
半数以上…いや7~8割なんじゃないか?と思うくらいの方が乾太くんを採用予定な感じで…
スゴイ「乾太くん」採用率。
忙しいパパやママの強い味方なので、乾燥機の採用には大賛成!なんだけど、
間取り相談を経て、具体的に話が進んでから…
中には引っ越し直前になって「洗濯機が入らないという問題」が発覚したというケースがある。
どれも早い段階から意識していれば回避できることなので、頭の隅に置いておかれるといいな、と思う。
洗濯機の下には防水パンを置くのが一般的である。
…が、洗濯機周辺の掃除がしにくいという欠点があり、「防水パン無し」を希望する人も一定数おられる。(←我が家もこっち派)
その場合「直接洗濯機を床に置く」または「キャスター台に洗濯機を載せる」となろうかと。
↑キャスター台のイメージ
どちらの場合も、掃除目線ではメリットだが、漏水時はデメリットとなる。
Tさんちは、T妻さんの身長が148㎝と小柄であることから…
「乾太くんの位置をなるべく低くしたい」という理由で、「防水パン無し」を選択された。
防水パンをやめても、当然「排水口」はその付近に必須である。
排水口とは、こういうモノ↓
モノによって多少の違いはあるが、大体直径10㎝くらい。(←シルバーリングの外径で)
気を付ける点は、洗濯機の下に排水口は高さ的にNGということ。(←ホースを差すところが押されてつぶれちゃうから)
もし、洗濯機の直下に排水口を持ってくるなら、先ほど紹介した「キャスター台」などに載せ、高さを上げる必要がある。
Tさんちに限って言うなら、なるべく洗濯機の高さを下げたいのでキャスター台はNG。
つまり、洗濯機の下に排水口があることはNGなのだ。
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この排水口の配置をどこにするか?をビルダーと細かく打ち合わせるケースは少ない。
その住まい手に合わせ、現場で適宜調整するもので、必要があれば、施主に配置を確認し施工するものと私は認識している。
つまり、施主が乾太くんを採用するなら…
それを置く台(専用架台など)の脚や洗濯機本体の大きさを踏まえ、現場の床下の構造や他の配管などを踏まえ、適正な位置に配置するという意味。
それが不明なら当然、施主に確認して施工すると思っていた。(洗濯機の巾や高さは色々あるのでね)
…という認識なので、間取り相談時に排水口の細かい位置にまでは言及せず、
現場を把握している設計者やビルダーにお任せでよいと思っていたのだが…
埼玉県在住、Tさんちの基本情報
- 夫婦+子供3人(乳幼児)+妻母
- 木造2階建て
- 地元工務店
- 6人家族なので洗面脱衣に3帖確保
間取り相談時、Tご夫妻さまと洗面脱衣の細かい使い勝手を打ち合わせ、↓このような使い方にしよう!と一緒に決めた。
↓坂口作成図面
洗濯機と巾90㎝の洗面台の間に、下着やパジャマを仕舞う収納ケースを置き、その上部に乾燥機に入れられないモノの物干しスペース。
6人家族でもあり、入浴時でも気兼ねなく洗面が使えるよう、カーテンを設ける計画。
Tご夫妻さまと作った、この希望図面↑を元に
ビルダーが作成し直した「その後の詳細図面」がこちら↓
- 乾太くんの位置(専用台含む)
- 洗濯機位置の表現
- カーテンレール用の天井補強
これらがしっかり図面に反映されている。
…が、「防水パン無し」という表現がなく、排水口の位置も表現されておらず。
まあでも、この時点で図面にこれらの記載がないのはよくある話。
この段階で、住まい手が
- 排水口はどこか?
- 洗濯機を置くのに問題ないか?
と積極的に気をつけるケースはほとんど無いと思う。
当然、現場のあれこれを把握しているビルダーが「よさげにしてくれる」とお任せであろう。
なんなら…排水口のことなど、これっぽっちも頭にないと思う。(←これが普通)
…で、Tさんちの洗濯機の排水口は、このように施工された↓
図面でみると、このあたり↓
↑「乾太くん架台」と「排水口」は、納まってるけど…
ここへ↓洗濯機を置くと…こうなるよね?
↑なんと!排水口と干渉して洗濯機が置けない
Tご夫妻さまは洗濯機購入後、搬入前確認で現場を見てそれに気づいたそう…
ビルダーに伝えると、以下の返答だったそうで…
「Tさんちの洗濯機が想定外のサイズだった」と言わんばかりですな…
Tさんちの洗濯機は確かに容量は大きめな10㎏だけど、横幅は他と大差ない。
仮に7~8㎏だったとしても、排水口と干渉する。
↑Tさんちの洗濯機。日立の10㎏タイプ。
ビルダーから「コレしか回避策は無い」と、「乾太くん&洗濯機」を右手側へ20㎝ずらす打診が…↓
↑いやいやいや…。
収納はギリギリ置けるとしても、カーテンを仕舞っておく隙間がなくなっちゃうじゃん!
今更だとしても、ここは「排水口の移動」も視野に入れてくださいよ~ビルダーさん
途中経緯は本題と関係ないので省略するけど…
すったもんだありまして、結局「洗濯機背面」に移動してもらった。
…で、無事洗濯機も当初予定の位置へ置けた↓
洗濯機が少し手前に出たが、上部に乾太くんの「ない空間」多めで、逆に洗濯機からモノを出しやすいとも言えるかも…(←ケガの功名?)
出演…T妻さん
坂口、ホッと一安心…
正直、後からの移動なんて、まったく推奨しませんよ!
でも、Tさんちはどうしたのか?気になると思って、Tさんの許可を得て画像を公開。
↓Tさんちの洗面脱衣室の床下の画像
Tさんちは、ビルダーさんがやってくれたので問題をクリアーできたけど…
もうね、坂口は大反省ですよ
「ビルダーに任せておけば大丈夫」は撤回!
「任せておけば大丈夫かもしれないけど、事前検討するに越したことはない」に改めた。
Tさんちの件を境に、
その後のお客様邸では、重箱の隅をつつくかの如く、洗濯機の排水口の位置までも、部外者の私が指摘しまくっている。
「え?排水口?そんなことまで気にしないといけないんですか?」
と驚かれるが、今回の件のような肝を冷やす事件を起こしてはイカン!と重箱の隅をつつくのであった…。
Tさん、気づきをくださってありがとうございます。
また、資料や情報の提供もありがとうございました!
Tさんちは、横にカーテンや収納があったので、当初から検討していたとしても「右手側へ排水口」の可能性は低かったかもだけど…
↑緑の大引きって、↓コレのことね
↑大引きを避けて配管する必要あり
Tさんちには不向きだけど…
例えば洗濯機横にスロップシンクがある場合などは、排水口をシンク下に持ってくるのが有効だと思う。
↓こんな感じで
↑こちらは、間取り相談OBのお客様、北海道在住のHさんち
これなら洗濯機ホースの脱着も掃除も比較的簡単そうよね?
あなたの間取りで防水パン無しの場合、「洗濯機の排水口」をどこに配置するか知っていますか?
ご存じなければ、ビルダーさんに「今後置く予定の洗濯機サイズ」をお知らせしつつ、干渉がないか?チェックしてみてはどうでしょうか。