手元の図面には確かに2.7帖のファミリーWICが設けられている。
が、その内部は本当に自分たちのイメージどおりなのか？
実際には「イメージとずいぶん違う」というケースが時折ある。
「イメージしやすい対象物」を図面に書き込んでみると「カンタンに自己チェックできるよ！」という話
パイプセットC（上吊） Φ32 長さ900（HPC-B32-900） 南海プライウッド NANKAI じゅうたす 住＋
てんこ盛りの業務に追われ、少し間があいてしまったが…
前回に引き続きＹ妻さんちシリーズで、今回は「ファミリーＷＩＣ」の話。
兵庫県在住のＹ妻さんちの基本情報
- 夫婦＋子供３人（小６長女、小２次女、２歳長男）
- 鉄骨３階建て
- 大手有名ハウスメーカー
- 家族皆が「片付け苦手さん」「荷物多め」
Ｙ妻さんちは、各個室に日常洋服を置く場所は設けず、家族全員分の大半の服は１か所にまとめる計画。
５人家族なので、５人分の洋服を置く予定。
当初の原案間取りは↓こんな感じだった。
出入り口はドア。
そこを入るとコの字に収納棚らしきモノがある。
収納棚の奥行き寸法は不記載。
ハンガーパイプがあるか否か…この図面ではよくわからず。
この寸法不記載の可動棚、
図面を測ってみると奥行き３０㎝のよう↓
奥行き30㎝かぁ…
ふむ…
Ｙご夫妻さまにお尋ねすると、内部のイメージはこんなイメージだと↓
パイプセットC（上吊） Φ32 長さ900（HPC-B32-900） 南海プライウッド NANKAI じゅうたす 住＋
そうよね…普通、ファミリーＷＩＣの内部って↑こんな感じだと思うよね。
私も一瞬そう思ったもん。
でも違和感を感じたので定規で測ってみると、奥行き３０㎝。
う～ん、３０㎝かぁ…
これはどういう収納なんだろう？と。
え？30㎝の何が違和感なのさ？
クローゼット内でよく利用される棚って↓こんな感じよね？
↑これ、一般的な「ハンガーパイプ付き枕棚」。
多少の違いはあれど「ハンガーパイプ付き枕棚」の奥行きは大体４０㎝程度↓
パイプセットC（上吊） Φ32 長さ1900（HPC-B32-1900PS） 南海プライウッド NANKAI じゅうたす 住＋★大型便★
棚の奥行きは400㎜（40㎝）で、パイプは背面壁から275㎜（30㎝弱）。（←パイプ位置は設置の目安）
提案されていた図面は３０㎝なので、奥行きが少し浅い。
もしかすると↓こんな収納の提案なんじゃないか？と。
↑これなら、棚の奥行きが３０㎝なのも納得できる。（赤〇の方）
Ｙご夫妻さまが、こちらをご希望であるなら、まったく問題ないんだけど…
お二人のイメージは、↑これじゃなくて↓こっち。
どうやら提案間取りとイメージに「ズレ」があるようだ。
基本情報として、ハンガーに服の横幅は大体５０㎝。
ちなみに↑これ、アイロンかけてない夫のＹシャツ
（←女性モノや子供服じゃないよと言いたい）
Ｙシャツとダウンジャケットでは誤差があるけど、布なのでフワッとなるし、そこはまあざっくり５０㎝として…
・・・・・
提案された図面には、寸法不記載の棚がコの字に作図されているだけ。
パイプに掛けられたハンガーの表現も特にない。
具体的な大きさをイメージする対象物が無い中…
Ｙご夫妻さまが当初イメージしていたクローゼット内は↓たぶんこんな感じだったに違いない。
実際「いっぱい掛けられると思ってた！」って言ってたし…
でも、実際に寸法を踏まえると↓こんな感じ。
↑ちょっとわかりにくいので…
左右に並べてみる↓
当初の図面をみてＹご夫妻様が想像したであろうフワッとしたイメージ（←）と、
実際に寸法を踏まえハンガーを入れたイメージ（→）。
この誤差、問題あるよね…
ここに気づかず、担当者に特に確認もせず、家が完成し、引っ越し時に
「あれ？なんだかイメージと違う！」となっても時すでに遅し…
実際は、ビルダーとの打ち合わせがもう少し進んだ段階で、具体的にどんな収納なのか、と説明はあると思うけど…。
さすがに、なんの説明もなく、奥行き30㎝の棚だけ…ってことはないと思う。（たぶん）
当初提案されていたＷＩＣ↓（…に坂口がハンガーを書き込んだもの）
↑コの字タイプはコーナーにデッドゾーン（赤色四角部分）ができる。
コーナーはハンガーも重なるし、下に置くであろう引出収納も置き方によっては使いづらい。
５人が毎日何度も出入りする可能性のあるプライベート空間なので、「入り口のドア」は、何となくだけど…開けっ放しガチじゃない？
そこでこんな風にしてはどう？↓と提案した。
↑コの字ではなく二列配置にして、デッドスペースを無くした。
出入り口を真ん中に配置することで、無駄な通路が減り、収納力アップ！
開けっ放し率高そうな入り口のドアは中止とし、タレカベを設け、「のれん」でちょっと目隠し作戦。ストレスフリーな出入り口。
でも、常にのれんで目隠しできる。
■「のれん」のイメージ↓
↑こんなのとか…
↓こんなのとか。
■ホコリが入るんじゃない？という意見もあろうかと。
ここへ置く服は日常のモノがメイン。
おしゃれ着や礼服など、年に数回のものは各個室に置くか、カバーをするなど対策をすれば大丈夫かな、と。
ドアと比べたら「のれん」の方がホコリは入りやすいと思う。
ただし…、ドアを毎回キチンと閉めているならね。
普段開けっ放しで使うなら、のれん以上にホコリや丸見え感、ドアの開けっ放し感が気になるんじゃない？とも。
このあたりは、住まい手の性格にもよりますな
Ｙご夫妻さまは、坂口の提案を気に入ってくださった。
・・・・・・・・・・
■あなたの手元の図面はどうですか？ハンガーの表現がしてありますか？
記載がなければ、パイプの位置（背面から28～30㎝）、ハンガーの寸法（約50㎝）を図面に書き込むと実際に近いイメージができます。
不安がある場合は自己チェックしてみてはどうでしょうか。