前回の記事に引き続き、間取り相談OBのお客様、S夫さんのしばらく住んでみた感想を紹介する話で…
(前回の記事はコチラ)
今回は「冷蔵庫を後ろに押し出しちゃえ作戦」。
↑S夫さんちの冷蔵庫置場を外からみたところ
冷蔵庫を後ろに「押し出しちゃえ作戦」は、私のブログでずいぶん前に紹介している。
間取り相談で拝見する間取りでも、その作戦を何人もの方がすでに取り入れられていて、目新しさは正直ないけど…
今回、S夫さんちでも、この「押し出しちゃえ作戦」をご提案し、実際に採用され、写真や感想をくださったので、あらためて紹介しようと思う。
キッチンを計画する際、冷蔵庫をどこに置くか?は重要だ。
「見た目」「使い勝手」「大きさ」を考慮しつつ配置するワケだが、悩むポイントの一つにその「奥行き」がある。
冷蔵庫の奥行きは、およそ70㎝前後であることが多い。(500~600ℓ程度と想定)
冷蔵庫の横へ配置されることが多い「食器棚など」の奥行きは45㎝が一般的。
60~65㎝の深いタイプの場合もあるが、大半は奥行き45㎝だ。
横に並ぶ「冷蔵庫」と「食器棚など」の前に25㎝の差が生じ、冷蔵庫が手前に25㎝飛び出た感じになり、ジャマ!と感じてしまうことが多い。
2つの間取りを比較すれば一目瞭然だ。
ちなみにキッチン前と外壁までの距離は、よく見かける2,275㎜である。
左…普通に置いた 右…外部へ押し出した
違いは「冷蔵庫背面壁を227.5㎜(910㎜の1/4)押し出した」だけである。
左図は冷蔵庫前が75㎝程度になってしまうが、右図は他の部分と同じ100㎝ほど確保できる。
冷蔵庫をキッチンエリアから出せるなら、キッチンシンク付近の作業者と背中合わせにならないので、無理にこの作戦を使うことはないが、キッチンエリア内に置く場合は、採用できるならスッキリしていいのでは?と。
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注意点としては…
背の高い食器棚が隣り合う時、冷蔵庫の方が「扉厚分程度(5㎝くらい)」手前に出るぐらいがよいかと。
理由は、ピッタリ揃う…または少し冷蔵庫が後ろに凹んでしまうと、冷蔵庫の扉を開けた際、すぐ横の食器棚にぶつかってしまうから。
20~25㎝飛び出るのはジャマだけど、5㎝ならまったく気にならないと思う。
実際のS夫さんちはこんな感じになった↓
↑S夫さんちは、手前がカウンターなので、冷蔵庫の扉との干渉はないが、手前に背の高い食器棚を置く場合は、冷蔵庫をちょこっと前に出すとよいかと!
ただし、この作戦は、すべての間取りに採用可能とは言えず…
- ビルダーの規格外であり、前例もないためNG。
- 隣家との間にゆとりがなくNG。
- 建物の正面や目立つ位置になるため、外部からの見た目を優先し断念。
実際、以上の理由でNGとなってしまったケースもあった。
冷蔵庫が外壁側ではなく、隣室を背にしているケースもある。
この場合は比較的採用できるのではないかと。
実際に別の間取り相談のお客さま、Hさんちの事例で↓ご紹介。
Hさんちはキッチン背面が収納になっていて、その一部を少し(227.5㎜)凹ませただけ。
キッチン側に冷蔵庫が飛び出ずスッキリだ。
収納内も一部棚が浅くなったが、奥行き20㎝あれば、小物収納として十分使える。
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S夫さん曰く…
S夫さんも満足されておられる様子
あなたの間取りでも採用できそうなら、検討してみてはどうでしょうか?