玄関付近で「余分な1アクション」を減らす作戦 | 失敗しない間取り相談 新築|リフォーム 間取りアドバイザー 坂口亜希子

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日々家事をこなす主婦であり建築士だから気づく!わかる!間取りのアドバイス。

前回の記事につづき、福井県在住のS夫さんの事例紹介。

今年の2月に間取り相談を受けられ、コロナ禍を乗り越え8月に完成し、
1カ月暮らしたのちの9月に住み心地や実際暮らしている様子を報告してくださったS夫さん。

今回は、S夫さんちの玄関付近の間取り事例を紹介します。




 

余分な1アクションが要る間取り


S夫さんちの家族構成は、夫婦+子供2人(未就園児)

そんなS夫さんの玄関付近の原案間取りはこんな感じでした↓




ふむふむなるほど…

全体的にゆとりのある計画で、さらに2台分のカーポートも玄関横にあって凄くいいんだけど…

■気になる点を3つ発見!

  1. カーポート②に駐車しても一旦、屋根の無い①へ出ないと玄関ポーチに行けない。
     
  2. 下駄箱が③にあるが靴を履かないと靴を取りに行けない。
     
  3. 靴収納が④にあり、手前なら裸足のまま靴を出せるが、靴収納にしては奥行きが深すぎかも…


S夫さんのお住まい地域は積雪があり、折角カーポート下に止めても、また積雪のある場所を通ってポーチへ行くのは、距離が短くても避けたいところ。

階段下収納は、奥行きが押入並みの深さ。住まい手がこの奥行きを必要とするならそれもアリだが、今回はそうではなかった。



 

基本のレイアウトはそのままで1アクション減らす提案


この気になる3点を踏まえて、私が提案した間取りはこんな感じ↓


(↑実際に納品した図面)
 

  1. カーポートに駐車後(駐輪後)、そのまま直接「玄関ポーチ」へ行ける動線を追加した。
     
  2. ホール正面にあった下駄箱を側面②へ移動させた。
     
  3. 下駄箱を側面にするにあたり、③階段の上り方向を原案と逆にした。


特に子供と一緒に車で出かけたり帰宅したとき、小雨なら小走りで行けば済むけど、積雪や大雨時は一瞬でも濡れずに行けると嬉しい。
豪雨では少しでも傘が要るし、積雪では足元も悪いので、可能なら避けたいなと。

原案では階段下の空間を生かし、靴収納となっていたが、S夫さんちには奥行きが深すぎだし、この収納があるせいで下駄箱を置く位置が土間になる。
であるなら階段下収納は、反対側のリビング方向から使ってはどうか?と提案した。



 

思い切って「階段ひっくり返し作戦」


玄関側から階段下を有効利用するのではなく、階段をひっくり返し、リビング側から利用してはどうか?

ついでに…
リビングのレイアウトも何となくもったいないと感じたので、こんな風にしてはどうか?と提案した↓


(左:ビルダー原案 右:坂口納品図面)
 

  1. 階段下は玄関側からは利用しないので、そこへ下駄箱を配置し、土間に下りずに下駄箱の半分が使えるようになった。
     
  2. 階段下の「低いあたり」はキッズスペースに。「高いあたり」はテレビ置場に。
     
  3. 中庭に対して背を向けていたソファを反対向きにして、ソファ背面にあった空間①も取り込み、すべて一体空間として使うようにした。
     
  4. 中庭やテレビに対し、ソファ、キッチン、ダイニングの全方向から視線を向けやすくした。

 



 

実際に施工後の写真


玄関ホールから玄関戸方向を見たところ↓




玄関土間側からホールの方向を見たところ↓



 

外構工事中ではあるが、玄関ポーチ付近を見たところ↓



 

別角度から↓




S夫さん、もう外構完成していますよね!
すべて完成した感じはどんなでしょうか?


・・・・・


「365日分の荒天日数」は多くはないかもですが、荒天時にこそ…
「あー快適!工夫しておいてよかった!」と実感するはず。



あなたの間取りには、これらを踏まえて…じーっと見たとき「1アクション多いな」と感じる部分はないですか?

ほんの少しの発想転換で、「実は余分な1アクション」を解消できるかもですぞ!

 

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