佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。



脳卒中発症直後から1ヶ月ぐらいまでは体が回復してくるスピードを速く感じていたけど、途中からスローダウンしてきたように感じた方がいらっしゃるのではないでしょうか。



リハビリスタッフ同士での症例検討会でも、急性期での回復はリハビリの結果じゃなくて脳の自然回復によるものなのではという意見が飛び交うことがあります。



脳卒中後、ダメージを受けた脳の部分はさまざまな仕組みで変化していきます。



その変化は、急性期と回復期とでは異なります。



今回は急性期と回復期での脳の回復のしくみについて焦点を当てて記していきたいと思います。



 急性期での脳の回復のしくみ


脳卒中発症直後は出血により脳の実質が圧迫されたり、血管が詰まって血液が途絶えるとダメージを受けた場所の周囲の脳細胞が休眠してしまいます。



急性期では点滴治療などで脳を保護する薬を使い治療していきます。



そのような時期の急性期の脳の回復のしくみは以下のようなものが挙げられます。



✔️ 脳浮腫の改善



✔️ 脳の循環の改善



✔️ 脳出血の場合、出血の吸収



✔️ 脳の血管の痙攣の改善



 回復期での脳の回復のしくみ


回復期での脳の回復のしくみは急性期とは異なります。



急性期では脳の実質のダメージの回復が主なしくみですが、回復期では神経の可塑性による回復が主なしくみです。



脳の可塑性について学んでいくことは難しいなと感じますが、簡単に考えると神経のネットワークが更新されていくことと考えといいかなと思っています。



新しく神経の芽が出たり、普段使っていなかった神経の通路が使えるようになったりします。







 最後に


今回は急性期と回復期での脳の回復の違いについて簡単に記しました。



脳は自然回復の力を持っていたり、神経のネットワークが編成される力を持っています。



この力を最大限に引き出すために、運動や環境やモチベーションが関わります。



最大限の回復を促すことができるように、リハビリ支援をしっかり行っていきたいと思います。



引用・参考


1) 久保 宏紀 他:急性期脳卒中患者のリスク管理と早期離床.理学療法兵庫 2020



2) 長田 乾 他:機能画像による脳損傷からの回復メカニズムの検討.脳卒中 27巻4号(2005)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke1979/27/4/27_4_620/_pdf/-char/ja



☆*:.。.最後まで読んでいただきありがとうございました.。.:*☆