筋肉のこわばりが出現する因子
佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。脳卒中後の症状のひとつとして痙縮があります。わたしのブログでは筋肉のこわばり(痙縮)と表記し、度々ブログのテーマとして取り上げています。筋肉のこわばり(痙縮)は、脳卒中発症直後には出現せずに、数日経ってから出現してくるのが一般的です。筋肉のこわばりは、全ての脳卒中後の方に認めるわけではなく、全く出現しない方やしばらく経ってから出現していても徐々に落ち着く方などさまざまです。筋肉のこわばりについてはさまざまな報告がなされており、筋肉のこわばりが出現する因子などが記されています。脳卒中発症12ヶ月の軽い抵抗感以上の筋肉のこわばりが発生する要因は、発症3日・10日・4週の麻痺の重症度に関するテストの低スコア、年齢であると報告されています。また、さらに関節の動く範囲全体に筋肉のこわばりが発生する要因は、発症3日・10日・4週の麻痺の重症度に関するテストの低スコア、発症3日の感覚障害、発症4週の筋肉のこわばりであると報告されています。他の報告として、重度な筋肉のこわばりの脳卒中後12ヶ月の発生要因として、日常生活動作能力の低下や四肢の筋力低下などを報告しています。脳のダメージ部位と筋肉のこわばり発症についても報告されており、島・基底核・視床・内包・放線冠などであると記されていました。別の論文では、神経運動機能に異常を来す疾患の重症度に関するテスト(mRS)や脳卒中の重症度に関するテスト(NIHSS)や認知症に関するテスト(MMSE)の3つが筋肉のこわばり発症の予測印象であると報告しています。このように報告を読んでいると、全ての脳卒中後の方に筋肉のこわばりが出るのではなく、身体状況や認知機能や脳のダメージ部位によって異なることがわかります。筋肉のこわばりに関する知識をしっかり整理して、毎日の臨床に向かいたいと思います。引用・参考1) 渡邊 慎吾 他:脳卒中後の痙縮発症に関する予測因子の調査:論文レビュー. 東北理学療法学,第30号:66 - 73, 2018https://www.jstage.jst.go.jp/article/artsjpta/30/0/30_66/_pdf/-char/ja2) Glaess-Leistner, Stefanie, et al. "Early clinical predictors of post-stroke spasticity." Topics in Stroke Rehabilitation 2020Early clinical predictors of post stroke spasticity - PubMedBackground and Purpose: Up to 40% of stroke patients with paresis develop post-stroke spasticity (PSS), which induces difficult complications including pain, contracture, posture d…pubmed.ncbi.nlm.nih.gov☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆