佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
先日、生活期の脳卒中後のリハビリについて記しました。
脳卒中発症後の生活期のリハビリについて、さまざまな報告がなされ、昔からある定説のようなプラトー(変化がない時期)はくつがえされつつあるのではないでしょうか。
千田の報告では、英語論文のうち慢性期(生活期)のリハビリに関して、治療効果を検討するために210論文を検索しています。
210論文の中から、脳卒中発症後1年以上経過した症例報告の13論文を選択して内容を検討しています。
上肢機能に関しては、いずれの論文でも治療効果が認められたことがわかりました。
また、体幹下肢機能や歩行に関しては、リハビリが有効ではないとする報告はありませんでした。
傳らは、脳卒中発症後6ヶ月経過し入院してきた患者さんの日常生活動作の自立度の変化を報告しています。
移動能力やその他の日常生活動作の能力が改善したことを報告しています。
他にも、発症後6ヶ月以上経過した脳卒中後の方々にリハビリを実施したところ、脳卒中の麻痺の重症度は変わらなかったけれども、日常生活動作の改善を認めたという報告もあります。
病院で脳卒中発症後のリハビリを行う場合は、180日を過ぎると、リハビリ実施回数が制限されます。
おおよそ、180日をめどに病院から退院する方が多いのではないでしょうか。
その後は、介護保険でのリハビリ実施や回数制限がある中での外来リハビリへ移行する方がいらっしゃいます。
脳卒中発症後180日過ぎても、治療効果や改善を認めている報告もあるので、生活期のリハビリもしっかりサポートしていきたいと思っています。
引用・参考
1) 千田 富義:脳血管障害.総合リハ 29:895-901,2001
2) 傳 秋光 他:脳卒中リハビリテーション医療の現状における発症後6ヶ月以上の理学療法・作業療法併用療法の妥当性の検討.総合リハリハ 21:855-862,1993
3) 久保 晃 他:発症後6ヶ月以上経過した脳血管障害患者に対する訓練効果の検討.総合リハ 23:693-697,1995