佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。



脳卒中後のリハビリは、大まかに3つの病期に分けて考えることが一般的です。



✔️ 急性期:発症まもない頃の時期



✔️ 回復期:積極的にリハビリを行う時期



✔️ 生活期:おおよそ発症から180日経過した時期



10数年前までは、脳卒中発症後、180日経過すると回復したり変化することはほとんどなく、能力を維持することが大切な時期と考えられていました。



わたしも学生の時は、180日経過すると慢性期という考えで、変化がないプラトーという時期であると習いました。



しかし今では、急性期や回復期の時期のように目まぐるしい回復ではないものの、生活期でも回復している方々をたくさん見聞きするようになりました。



わたしの私見ではありますが、生活期で大切だと思うことを記していきたいと思います。



 入院中に獲得した能力を生活場面で活用する


入院している時、さまざまな日常生活動作の練習を行い、自分だけで出来るようになったことや少しスタッフの手伝いがあれば出来るようになったことがあると思います。



生活期では、入院中に獲得した動作を、実際の生活場面でしっかり活用していくこと自体がリハビリとなり得ます。



獲得した動作をたくさん行い、繰り返し実行していき、リハビリ室ではない生活場面で目的を持って行うことは、神経の可塑性を促すための基本要素です。



脳卒中後、新しく整えられた神経のネットワークを、より効果的に、より強いネットワークに育て上げていくことができるのは生活期だと思います。



脳の神経学的な考え方として生活期を考えると、改善の機会はたくさんあるのではないかと思っています。



 生活する中で新たな課題を見つけられる


自宅で過ごしている中で、入院中には気が付かなかった課題を見つけることが多いと思います。



✔️ 入院中はスニーカーを履いていたけど、家の中ではスリッパをはこうと思っても難しかった



✔️ 入院中は硬い椅子を使っていたけど、自宅のソファに座ったら柔らかすぎて立ちにくかった



✔️ 入院中は横歩きは病室などでほとんど行わなかったけど、自宅のキッチンやテーブルに座る前の移動が横歩きなので大変



このように、入院中はなかなか気が付かない事柄が自宅に帰ってから生活していく中で気がついていくことがあると思います。



生活する中で新たに見つかった課題は、入院中には取り組むことが少なかった内容かもしれません。



新たに見つかった課題について、訪問リハビリなどで取り組んでいくこと自体が、新たな変化のチャンスだと思っています。



 具体的な目標を立てやすい


入院中にはなかなか見つけにくかった具体的な目標について、自宅退院後に見つかったと当事者の方々から教えていただくことが多いです。



入院中は、トイレに一人で行くために歩行を20m程度の長さを目指してリハビリで頑張っていた方もいらっしゃると思います。



自宅退院後は、友達と食事に出かけるため、桜を見に行くため、映画館にで向くためなど、新たな目標を掲げて歩行練習に取り組むことが出来るのではないでしょうか。



具体的な目標が立てやすくなることで、さらなる変化が生まれるのではないかと思っています。



 最後に


今回は、生活期の脳卒中後のリハビリについて、私見を中心に記しました。



長期に渡って、回復したり変化が生まれている方々をたくさんお見かけします。



入院中のリハビリ、外来でのリハビリどちらとも、具体的な目標に向かってリハビリ支援を行っていきたいと思います。



☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆