佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。

 

先日、「手指の巧緻性訓練(軽度の運動麻痺がある方のために)」と題して、ブログに記しました。

 

 

 


今回は、上記のブログをうけて、改めて日常生活動作の中での麻痺側の手指を使っていくことについてまとめていきたいと思います。

 

 

 日常生活動作で麻痺側手指を使用するということ

 

脳卒中後の麻痺側手指のリハビリは、腕や手指の機能を重視することも大切ですが、日常生活動作で使用していくことが大切です。

 


リハビリ場面のみの上肢機能訓練のみでは生活動作における麻痺側上肢の使用頻度は改善しにくいとの報告があります。

 

 

日常生活で実際に行う手指の動きを練習することや、日常生活動作のどのような時に麻痺側手指を使えばいいか具体的に挙げることが重要です。

 

 

具体的に麻痺側手指を使う方法を練習したり、どのような時に麻痺側手指を使えばいいか理解していると、日常生活動作の中で手指の使用頻度が増します。

 

 

 具体的な日常生活動作での手指の使用場面の例

 

更衣動作に関する動き

 

✔ 袖に腕を通す

 

✔ ボタンをかける

 

✔ ズボンの履き口を足に通す

 

 

整容動作に関する動き

 

✔ 歯磨きのペーストのキャップを開ける

 

✔ 手で水をすくって顔にあてて洗顔する

 

✔ 櫛で髪をとかす

 

 

食事動作に関する動き

 

✔ 骨付きの魚の身を箸でほぐす

 

✔ スプーンでカレーをすくう

 

✔ 取っ手を持ってスープを飲む

 

✔ プリンのふたをめくる

 

 

家事動作に関する動き

 

✔ 洗濯物をたたむ

 

✔ 卵を割る

 

✔ ハンバーグをこねる 

 

✔ ビンの蓋を開ける

 

✔ 台拭きで机を拭く

 

 

創作活動に関する動き

 

✔ 修理可能なものを自分で直す

 

✔ 手作りのものをつくる

 

✔ ボタンをつけ直す

 


例で挙げている日常生活動作の中での手指の動きは、片手で行えるものもあれば、両手で行うものもあります。

 


片手で行える動作を麻痺側の手指で行って、麻痺側の肘などを反対側の手で支えて、日常生活の中で麻痺手を使っていく方法もあります。

 


 最後に


今回は、日常生活動作の中で麻痺側の手指を使っていくことについてまとめました。



日常生活動作の中で積極的に麻痺側の手指を使っていくことは、日常生活自体がリハビリになりますし、手指の使用頻度を担保することができます。



各々にあった内容で、日常生活動作の中で麻痺側の手指を使っていってほしいと思います。

 

 

引用・参考

1) 高橋美登梨 他:手指の巧緻性に関わる生活動作について.目白大学 総合科学研究 7号 2011年3月 29 ─ 39

 

 

2) Kwakkel G, Kollen BJ, Krebs HI. Effects of robot-assisted therapy on upper limb recovery after stroke: a systematic review. Neurorehabil Neural Repair 2008; 22: 111-21.

https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1545968307305457

 

3) 松岡 耕史 他:日常生活動作における脳卒中上肢機能に対する 難易度設定を考慮した作業療法介入.北里医学 2021; 51: 31-41

https://www.kitasato-u.ac.jp/ktms/kaishi/pdf/KI51-1/KI51-1p31-41.pdf

 

 

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