こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。
突然ですが私が鍼灸師と円形脱毛症と対峙していく前、もう20年以上前なのですが私は大手ウィッグメーカーに勤務しておりました。営業店に配属され理容技術者として様々な業務をこなしておりましたがその中に育毛がありました。当時の育毛はとにかく頭皮を清潔に洗って育毛剤つけてマッサージしたりレーザー(?)を当てたりクラスターの小さな水を頭にかけて灰汁のようなものを取ったり電気手袋で刺激したり高水圧で毛穴を掃除したり……の繰り返しでした。コンプライアンスの厳しい現代ではおそらくグレーゾーンと見なされる施術も有ったのではないかと想像します。でも当時はそれが最新の育毛理論であったのです。そしてそれらをお客様に説明していくのですが、当時お客様に言ってはいけない厳命NGワードがありました。
それは『発毛する』。
「発毛する」は効果効能であってそれは理美容師免許のおこなうヘッドスパ的なリラクゼーションの範疇を越える治療の世界の言葉だ……みたいな説明を上司から言われた気がします。当時は「発毛する」どころか「発毛」だけでも発声しようとすると口にチャックがかかるようなマジナイが仕込まれていた気がするほどです(アラジンのジャファーの魔法のようです)。今でも少し「発毛」という言葉には心理的抵抗があるのですが本日はこの「発毛」について書いてみます。
当鍼灸院は円形脱毛症が入り口です。実際にご来院いただける方々のほぼほぼ全員のご来院の動機は円形脱毛症の鍼灸施術です。その後、円形脱毛症が治まって当院から離れる方もいらっしゃれば、そのまま健康維持増進や(F)AGA(以下まとめてAGAとします)対策を目的にご来院を続けられる方も多くいらっしゃいます。
鍼灸でAGAってどうなの?と思われる方も多い事でしょう。過去記事『毛周期の実際』にはちらっと部分的な画像が出ていたりもしますが本日の記事では当院継続ご来院中のO様のご協力を得て沢山の画像を載せてみます。
まずO様は40代男性です。最初は円形脱毛症でのご来院でしたが今は全般的な健康維持管理とAGA対策をおこなっています。私の感覚ですが元々全く薄毛ではないと思います。なので薄くなった部分を取り返すために「発毛させる」というよりも今後薄くならないように注力するのが当初の私の目標でした。AGAで薄く成る場所と言えば頭頂部と前髪部分ですが頭頂部は全く問題なく、AGA進行の指標となるならば前髪が分かりやすいので前髪をフォーカスして観察していきました。
ここで軽くAGAについて解説です。
AGAは円形脱毛症の様に短期間に切れたり抜けたりする脱毛症ではありません。髪の毛のヘアサイクルの乱れで徐々に太く長い髪に成れなくなっていく症状です。さらにヘアサイクルを終えて新しい髪が生えだすまでの期間も長くなります。その間頭皮を覆い隠す髪の本数が減るので頭皮が露見しやすくなります。そして生え変わった髪が先代の髪の様に太く長く成れず、生え変りを経る毎に段々と細く短くなってしまうので頭皮を覆う能力がだんだんと低下して最終的に頭皮が露見してしまうのがAGAです。頭皮観察において円形脱毛症と決定的に異なるのは産毛が有ったからと言って素直に喜べない点です。AGAにおける産毛は最近生えてきたとは限らず、産毛のまま成長できなくなった状態であることが多いのです。産毛が多ければ多い程AGAが進行してしまっている可能性が高まります。実際にAGA発症している部分はカットしたわけでもないのに髪の長さが短くなっていることが多いのです。短い髪が多くなる、つまり産毛が多くなるのですがこれを『軟毛化』といいます。カットした髪かどうかを見分けるには毛先がとがっているか、ハサミでブチっと切られているかで見分けられます。
そしてAGAとはいってもいつかまた髪は生えてくるのです。その生え変わりの発毛時期が遅くなっているだけでいつかは発毛するのです。なので能動的に「発毛させる」とは何を指す言葉なのかややあやふやになる場合もチラホラ。AGAにおける発毛とは明らかに頭皮が露見していた部分に産毛が視認できた場合や短い髪ばかりだった部分のボリュームがAGAでは無い部分と同じくらいのボリュームに戻つつある時を指すと私は思います。
ではさっそく経過画像です。
始めてまず4か月程度経過した時の画像です。
上の画像は右側M字部分です(スマホだとどうしても画像が小さくなりますね)。施術の時に説明の為作成した画像を掲載しました。黄色と緑の丸で位置を同定しました。水色の丸部分を切り抜いて画像中央に持って来ましたが左側の令和3年の方が産毛の数が多いようです。これは発毛した証だと言えます。
上記の画像はAGA対策鍼灸を始めて4か月目ですがぶっちゃけずっと時間のたった今はどうなのか。
それが下の画像です。今度は左側のM字部分です。
画像左側が最新の今年2月で右側が上の画像と同じ令和2年10月24日です。
少しわかりにくいと思うので目印として2本纏まって生えている部分をaとbとして赤丸をつけました。黄色い線は同じ長さ・太さです。これによって2つの画像はほぼ同じ大きさを写している事が分かります。でも分かりにくいので拡大してみました。まずはオデコ中心に近いaの部分の拡大画像です。
緑色の丸の中、前と後では下方の後の方に髪が多くあります。
そしてM字のMたる部分は……
こうなりました。
水色の丸の中の髪が太くなり、頭皮を覆い隠してくれるようになっています。これも発毛したと言っても良いのではないかと思います。
もともと薄くない方なのでこのぐらい拡大しないと違いは分かりにくいのですが、薄くなった髪を取り戻したというよりも以前より髪が濃くなったと表現した方が正解な様な気もします。何故ならM字部分というのはAGAにおける代表的な危険部位なわけですが通常薄く成らない部分にまで髪が増えてきているのです。それがこちらのオデコの真ん中です。
富士額の真ん中より毛先の尖った髪が伸びてきています。これはAGAで見られる産毛では無くて発毛してきた産毛です。1番最初の画像と見比べると髪のある部分が明らかに濃くなっているのが分かります。
※画像の肌の色の違いはご来院された時刻や天候によって窓の外から入る光量が異なる為です
このように適切な鍼灸施術で髪は増やせると思います。
ではこの施術どのようにおこなったか。
実は円形脱毛症の施術パターンの一つと大きくは変わらないのです。
具体的には陽明経(ようめいけい)と呼ばれる気の流れを中心に整えています。使用するツボも円形脱毛症とAGAとで大差ありません。ネットを見ていると円形脱毛症やAGAの鍼灸施術では頭に無数の鍼が打たれているものを見かけたりしますがもっとずっとシンプルです。他の鍼灸院から移られてきた方に時々驚かれます。
そして先ほどのAGA対策の画像で見ておくべきポイントが一つあります。
それは髪の成長する速さです。通常の髪はひと月に凡そ1cm伸びるとされています。ところがこの画像では経過時間と画像の変化からひと月に1cm以下の伸び率だとわかります。これは円形脱毛症と同じ現象だと思います。
という事はAGAも円形脱毛症も髪が生えないのは毛根の機能異常が根本の原因だったという事にはならないでしょうか?円形脱毛症は髪の成長が極端に低下して髪が伸びなくなる病気であると私は考えています。AGAは男性ホルモンが毛根に作用して髪が伸びなくなる病気。発症のいきさつは大いに違ったとしても、どちらも毛根の活動低下によるものなので似た施術で同じように生え始めるのではないか。
入り口が違って出口が同じ。東洋医学で言うところの「異病同治(いびょうとうち)」このような可能性もAGA施術を通じてあると思えるようになりました。実際に皮膚科において円形脱毛症の人にミノキシジルを勧める医師も多く聞きます。ミノキシジルは基本的にAGAに対するお薬です。でもそれで円形脱毛症の人に髪が生えてそのまま治る事もあるのです。同じ出口を目指していると思われます。
因みに発毛させる施術は鼻炎の鍼灸施術にも似ています。
本日はAGAからの視点で円形脱毛症を考察してみました。
良ければ参考にしてみて下さい。
↓ヘアサイクルとは何ぞ?AGAとは?
↓「生える」とは
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胃が元気になる気がします(個人的な感想)。
副作用はお腹がすくこと?!
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↓古典的伝統的な頭皮刺激用具です
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18日(月)19日(火)
24日(日)25日(月)
此方も見てみてください!
円形脱毛症の事がまとめてあります。
そしてあおい堂鍼灸院は
鍼灸治療専門院です。
しかし、
ウィッグ全般のご相談も承ります。
毛髪に関してワンストップで対応できる鍼灸院を目指します。
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