こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

 

前々回の記事でステロイド(ケナコルト)注射による発毛の特徴をご紹介しました。

本日はそこから少し視点を変えて髪が生えるとはどういう事かについて書いてみたいと思います。

 

 

まず前々回の記事でも使用した画像を見てみて下さい。

この画像はステロイド注射によって生えてきていた髪が注射を中断して4か月目には抜けてしまった画像です。左右両方の黄色丸の部分は注射以前から生えていた髪です。一方左側の画像で水色で丸をされている部分に見える髪は注射によって生えてきた髪です。

この画像で注目すべき点は注射によって生えてきていた髪は注射によって維持されていたという事と同時に自力で生えていた髪の方は注射の影響はそれほど感じられません。注射があろうと無かろうと生えてづけている様は髪が生えるか(伸びるか)どうかは部位毎の事情によるものだという事です。もしステロイドの免疫抑制効果で毛包が攻撃されずに髪が伸びていたとするならば注射をしなくなった時に自力の髪も同時に抜けてしまうはずではないでしょうか。免疫異常が生じていれば髪を見境なく免疫が攻撃し始めるのではないかと思うのです。ですがこの症例のように注射で生えた髪のみが攻撃される一方で自力の髪は攻撃を免れています。

もちろん症例によって自力の髪が抜けてしまうケースも多くあります。

ですが、

もし今回のこの抜け毛に免疫が関わっていたとするならば、

この現象からいえる事は

『免疫は髪の正否を正確に見分けている』です。

仮に円形脱毛症は免疫が関与しているとしても免疫が狂って行動しているわけでは無く、

誤っているのは髪の方であるという事です。

免疫は正常な状態で髪の誤りをきちんと見抜いているわけです。誤りとは何でしょうか。成長不良によるたんぱく質の劣化やメラニン色素の異常等、おそらく細かい分子レベルの不具合なのではないかと想像しています。

抜ける・抜けない、生える・生えないはあくまでもその毛包(毛穴)が属する皮膚エリアの問題ではないかと考えています。

 

 

改めてステロイドは消炎作用など様々な作用を持ちます。

そして円形脱毛症の治療などで使用されるプレドニンなどには『タンパク異化作用』と呼ばれる働きがあります。これは『タンパク質をさらに小さな物質に分解(異化)し、そこからエネルギーを取り出すこと(引用サイト:レバウェル看護)』です。ケナコルト注射をすると皮膚が凹む(皮膚萎縮)事があります。これなどは凹んだ部分のたんぱく質を分解(異化)してその場の毛包を含む他の組織へエネルギー供給していると思われます。前々回の記事『発毛する好条件の一つ?』では血圧を発毛条件に挙げました。豊富な血流で毛根へ届くエネルギーを多くして発毛させるのと同様にステロイド(ケナコルト)は豊富なエネルギー源を血流からではなく現地調達しているのかも知れません。故に注射を止めると毛根のライフラインが途絶えて……。

蛇足ですがプレドニンなどを服用しているとムーンフェイスや体幹のみ太る中心性肥満になります。これは筋肉を異化して血糖に変えるので全身の筋肉が細る一方、血糖が高まることからインスリン反応の良い顔や体幹が脂肪を蓄える事で身体の中心が太り、インスリン反応の低い手足については脂肪の蓄積がなされずに細くなって生じる現象です。


上記画像は当院へご来院中の汎発性(全頭脱毛)を患っておられた方の通い初めの頃の画像です。注射で画像の様に点々と発毛していましたが、当時は2~3週間程度でその各部位は抜けてしまっていました。しかし抜けた髪は注射で生えてきたと思われる黒髪のみで、従来から生えていた白い産毛の方は注射とは関係なく少しづつ伸びる一方で抜けてはいませんでした。

いろいろ工夫をしてこの方は現在、全頭に一つの脱毛部も無く、髪が伸びるのを待ってウィッグアウトの段階です。

この画像を見て思う事も、やはり免疫異常と云うよりも部位ごとの皮膚の問題なのではないか……?です。免疫抑制を狙らうならば局所注射ではなくパルス療法の様に全身へ作用させる必要があると思えます。しかし、ケナコルト注射でもプレドニンの服用のどちらも有効な治療であり、このどちらも免疫抑制作用があり、タンパク異化作用があります。

 

免疫が正常な髪とそうでない髪を見分けられるのならば免疫抑制の意味は薄れます。

そうなるとやはり髪はタンパク異化作用で生えてくるのかなぁ……と思いそうになりますが、

ここで思い出すべきはオルミエントです。

オルミエントはステロイドでもありませんからタンパク異化作用も無いと思います(たぶん)。言わずもがなオルミエントは免疫抑制作用ですね。ではオルミエントを服用して髪が生えてくる現象はどう説明する?となります。

このことを考えてみる際に紹介したい現象があります。

それは私に起きた出来事……。

 

私は自分の身体のメンテナンス等よりもどこのツボにどのような鍼や灸をすると身体がどうなるのか自分の身体でよく実験しています。そんな中、自分の手首付近のツボへ少し変わった鍼をしてみました。鍼を抜いたらほんの少しだけ出血していました。鍼を少し捻ったり動かしたりしたので小さな傷になったのだと思います(通常の施術ではこのような事はありません)。2~3日してそこを見てみたら少しだけ盛り上がって湿疹のようになっていました。でも触ってみるとなんだか変です。そこでもっとよく見てみるとそこから短い剛毛が生えていました。画像にまとめてみました。ご覧ください。

因みに私の手首は毛深くなく、画像左下のようによく見ると白く短い産毛がある程度ですが鍼をした部分からピンポイントに周囲とは明らかに異なる体毛が生えていました。今までも鍼をした辺りから毛が生え始める事はありましたが、確実に鍼が入った部分と特定できる処からこのような、しかもいきなり剛毛が生えてきたのを確認したのは初めてでした。

しかし不思議なのは生えたての毛であるにもかかわらず毛先が柳葉の様ではなく、切れている事です。これでは萎縮毛、断毛と同じ形状です。この現象の解釈は宿題にさせて下さい。ちなみにピンセットで強く引っ張ったのですが抜けませんでした。しかしその翌日、いつの間にか抜けてしまっていました。

 

 

湿疹はめちゃくちゃ小さいのものです。切り傷みたいなものか、もしくは鍼が毛穴直撃だったか……。

形成された湿疹では身体が傷を治そうと頑張っていた事と思います。

細菌などが侵入しないように免疫が活性化していた場所とも云えそうです。

 

ではこの様な湿疹から毛が生える現象は珍しいかと云えば、それほど珍しくはないのです。じつは。

次のような例も沢山確認できています。

この画像はご来院いただいている方の後頭部の脱毛箇所です。左側の画像は右側の画像撮影時の4週間後です。黄丸の部分が注目ポイントです。横に走る薄緑色の線は目印となる髪を同定するものです。これによりほぼほぼ同じ寸法で撮影されていることが分かります。

黄丸はAという毛穴を指していますが右側の画像の黄丸には湿疹らしきものが映っていて、その中心から短いですが産毛が生えています。そして左側の4週間後の方では湿疹自体は消えていますが、生えていた髪はずっと伸びています。ではこの辺の炎症が弱まっているのかと云えばどうでしょう。左側のAの文字の左上に相当する部分を見比べてみて下さい。右側の辺りには数本短い髪がありましたが4週間後には少し抜けてしまっているようです。エリアとして炎症はそれほど弱まっていない。でもAの髪は成長できている。しかも脱毛部の中心辺りで周辺にはまだ産毛も無いのに湿疹から生えてきた髪は伸びているのです。このケースでは湿疹部分に鍼はしておりません。自然に生じた「あせも」や「ニキビ」、「丘疹」の様なものだと思われます。

 

 

免疫が炎症を引き起こしているのに髪が伸びる……この現象を考えてみた時にこのような学術発表を見つけました。

東京薬科大学が今年の3月にした発表です。最新!

論文タイトルの日本語では『炎症状態では、好中球前駆細胞から制御性単球が分化する』とあります。

研究者の方に申し訳ないのですが私なりに勝手な超意訳をすると、炎症が始まると組織修復機能のある制御性単球が多く生産される事が分かった……となります。

 

 

ここで私の思う事としては毛根へ免疫の攻撃があっても無くても、免疫を抑制する事が切り替えスイッチと成り、上記の様な組織修復をしてくれる存在が体中にいきわたる仕組みがあるのではないかという事です。

 

円形脱毛症は切れ毛やクネクネ曲がったような萎縮毛が特徴です。これは毛包が壊れていることを指し示すと思います。そしてこの壊れた毛包を修復する制御性単球のような組織修復をする存在が少ないために、円形脱毛症が治らなかったり、産毛の成長がずっとゆっくりだったりするのではないか。

 

 

私はステロイドが効く場合とオルミエントが効く場合とで、功を奏すまでの時間差がどうしてこんなにあるのだろうかとずっと疑問でした。ステロイドは早ければ1週間とかその位で変わってきます。一方でオルミエントは投薬開始後1年位は必要なようです。

この圧倒的な時間差はタンパク異化作用の有無なのではないか。ステロイドは免疫を抑制しつつタンパク異化作用があるので早期に髪を作り始めます。オルミエントは免疫抑制効果はあってもタンパク異化作用がなく免疫抑制のみなので時間がかかる。制御性単球の様な組織修復機能のある存在を多く作り出すには1年くらいの時間をかけて地道に免疫を抑制していかなければ増産スイッチが起動しないのかもしれません。それ故オルミエントは1年位の時間を要するのではないか。

つまりステロイドもオルミエントも効果の真相は免疫抑制ではなくて、真の目的は組織修復機能を持つ存在を身体に増産させるためのキッカケ作りとして免疫抑制をしているのではないか。意図せずとも免疫抑制は組織修復機能を躍起させる為の呼び水でしかないのかも。

 

上記湿疹から髪が生えたケースは特異な条件で免疫が躍起されたが、湿疹を引き起こした対象が駆逐されて免疫機能が低下した事でその場に組織修復機能を持つ存在が来れたので毛包が修復され髪が生え始めたのかもしれません。

 

皆さんはどう思われますか?

良ければ参考にしてみて下さい。

 

《参考過去記事》

↓炎症は身体を治すための……

 

↓毛包が壊れているだって??

 

↓組織修復の参考にニキビなども

 

 

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此方も見てみてください!

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『円形脱毛症考』

 

 

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