大きな円より小さな円

こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

円形脱毛症に成ると誰でも「もしかしたら栄養として自分には△〇□が不足しているのではないだろうか？」と思うものです（~~△〇□~~はチビ太のおでんではない）。それとほぼ同時に「栄養バランスが悪いのではないだろうか……」とも不安に成ってきます。そうして栄養バランスを整えるために各種ビタミンや蛋白質、ミネラル等を意識する生活に成っていきます。この行動は素晴らしく称賛に値します。しかし、ここまでされるのであれば、欲を言って、もう一歩踏み込んでみて欲しいといつも思っています。

もう一歩とは……？

それは足した分を引いて欲しいのです。

一般的に何かの栄養素を取り入れようとした際に誰もが普段の食事に『加える』と思います。この現象、重箱の隅をつつくような事を言えば、普段の食事+αと云う事になります。つまり、いつもの食事量がαの分だけ増えるのです。

良くある話としては腸内環境を整えようとヨーグルトを食べるようにしたり納豆を食べるようにしたりする事が挙げられます。大抵の場合、ヨーグルトは4個1パックの物の1つを食べたり、納豆も1パックを追加したりします。この分量、あまり多くないのでいつもの食事にプラスしてもそれ程満腹感などに影響しません。なので普通に『食べられてしまう』のです。1食だけならばそれも良いと思います。しかしそれを習慣化した場合、身体が変わってくると思います。当然プラスした食材の影響で良い面も訪れると思いますが悪い面もあるかも知れません。それは何故かと言えばやはり『量』が増える事によります。

ヨーグルト1個を普段の食事にプラスして最初は満腹で苦しく成る方もいらっしゃると思います。でもそれを繰り返すと身体はその量に順応して特異が普段に変化してしまいます。これは立派な体質の変化です。

この時、身体がどうなるかと言えば今迄よりも多い量を消化吸収しなければならなくなった身体には負荷がかかります。此の負荷が問題です。

私の今までの経験則で円形脱毛症に関しては「食べる」より「食べない」が重要であると感じています。

これは栄養を摂らないのでは無くて、栄養バランスはシッカリが理想、でも食べる分量（総量）を少なめに抑えるのが肝要だという意味です。言い換えれば胃を休めるのがとても大切だと感じています。つまり腹８分目以下でも良いと思います。

極論ですが現在の日本で普通に一般的な生活をされている方であれば腹８分目かもう少し少ない量でも栄養素的にはきっと問題なく生活できるのではないかと思います（無理は禁物で当然個人差はありますが）。

この事を裏付けると言っては過言かも知れませんが

『苦髪楽爪（くがみらくづめ）』という言葉があります。島崎藤村の『夜明け前』にも登場した言葉のようですね。意味は「苦労してる時は髪が早く伸び、楽をしている時は爪が早く伸びる。」です。これをストレートに受け取ると「ストレスの多い時は髪が良く伸びて楽しく過ごしている時は爪が伸びやすい」です。ネットで検索しても上位に出てくるサイトには殆どこの内容です。そうすると円形脱毛症で良く言われる事に「ストレスで発症する」と云うものがあります。これを苦髪楽爪に適用するとオカシナ話に成ってしまいます。苦労（ストレス）で髪が伸びるならそれこそ苦労しないのです。

これについてなぜ今回の記事で取り上げたのかと言えば言い得ていると思えたからなのです。

『苦労』と聞いて思いつくのは仕事・勉強・プレッシャー・人間関係・金銭……と様々です。しかし果たして「苦髪楽爪」の「苦」はこれらを指すのでしょうか？

現代社会に生きる人々はそうだと思います。でも苦髪楽爪の言葉が言われだした時は一体いつなのでしょうか。検索してみましたが出てきません。でも少なくとも結構な昔です。その時の『苦労』は何でしょう。

私が勝手に想像する事ですが、最大の苦労は何といっても

『食う事』だと思います。

豊かな時代もあった事とは思いますが、食うや食わずが普通だった時代が圧倒的に長かったと思います。その時に作られた言葉で「苦」が使われていたと考えるならば「苦」は食べる事だろうと……。

食えない生活で苦労している時に髪が伸びやすい事を表していたとしたら……。

モチロン現代と同じ苦労の種類も存在していたと思いますが、それらが無い時って本当にあるのでしょうか。一方で「食べる」は生命に直接関与する一大事ですから最も重要視された「苦」だったと考えて良いと思います。

一方で反対になる『楽髪苦爪』という言葉も同時に存在します。一体どちらが本当なのか正直分かりません。グーグルで検索すると『楽髪苦爪』は177万件のヒット。『苦髪楽爪』は175万件のヒットです。そうすると『楽爪苦髪』の勝ち（？）に成りますが、「楽髪」でヒットする上位のページの内容は基本的に「苦髪」の内容なので安直ではありますがおそらくオリジナルは『苦髪楽爪』なのだとします（島崎藤村も使っているし）！

ちなみに「楽」なのですが昔々の楽しい事を想像してみると……

村の鎮守のお祭りだったりしますが……これは年１回しかないのでお祭りがあったから爪が伸びるとは因果関係として掴みにくい。基本的に大人の話だと思うので……かくれんぼや鬼ごっこでもない。

これも私見ですが私は「酒」だと思います。

随分迂回してしまいましたが食べ過ぎない事が髪に良い影響を与えうる可能性を書いてみました。