こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

円形脱毛症の症状に変化がある際、髪の色の変動を観察できることが多くあります。

具体的には症状が悪化している際は黒かった髪の毛の根元が赤茶けたり色が薄くなってゆきます。

逆に症状が改善に向かっている際は生えてきた産毛の根元が白から黒に変わっていきます(一般的に生えてくる産毛は白色であることが多い)。

これらの減少は既に生えていた髪の色が変色していく訳では無くて、現在毛穴の底で作られている髪の毛に練りこまれる色の割合が変化している現象なのです。以前にも何処かで紹介しましたが髪の色はメラニン色素で決まります。黒色はユーメラニン、赤茶色はフェオメラニン、白髪はメラニンが無い状態です。この黒、赤茶、白(無色)の三色の混ざり具合で髪の色が決定されていきます。

 

 

従来通りの健康な毛穴から出てくる色は黒色。

抜ける直前に毛穴から出てくる色は赤茶色。

生えてきた直後に毛穴から出てくる色は白色。

調子を取り戻してきた毛穴から出てくる色は黒色。

 

 

ここで円形脱毛症の頭皮にある髪の毛の色の変化を見てみましょう。

以下の画像をご覧ください。

 

☆毛先が白、根元が黒。

画像中央の黄色丸の中。右側が髪の根元で左側が毛先です。白く生えてきた産毛がしばらく白いままで成長して産毛からしっかりとした髪の毛に成長しました。毛根内部の調子が整ったのか今迄白くしか作れていなかった髪の毛にメラニン色素を練りこむことが出来るようになったようです。頭皮近くの根元に近い部分は従来の白色とは異なり黒い髪に変化してきています。

 

 

 

☆毛先は黒、根元は赤茶色。またはその逆。

この画像は円形脱毛症の『抜け期』に存在するこれから抜けてしまう髪です。

左上から右下に向かって生えている2本の髪が確認できます。実はこの2本はこれから抜けてしまいます。円形脱毛症において病気に成ってしまった髪の色は黒いまま抜けるケースもありますが、多くの場合は黒から赤茶色の変色してから抜けていきます。2本の上の方の髪の毛は画像右側が毛先なので今までは黒い髪の毛として頭皮に存在していましたが、残念ながらここに来て調子を崩し根元が茶色くなってしまいました。下側の髪は画像右側、毛先側は茶色の髪ですが根元付近は黒く従来通りの色に戻っています。しかしこの下側の髪も抜けてしまいます。何故か。色が戻ることが出来たとしても髪全体の太さを見ると凸凹として健康な髪に見られるスッとした一定の太さを維持できていません。太さの不均等も円形脱毛症で抜けてしまう髪の大きな特徴の一つです。またそれ以外にこの2本の髪の周囲を見てみるとほぼ髪が無い状態です。円形脱毛症の更なる特徴の一つとして脱毛部生え際よりも脱毛部中心側の髪の毛はどこかのタイミングで全て入れ替わります。この事を鑑みてもこの2本は残念ながら既に運命の決していた髪と言えます。

 

しかし、この画像によって黒色の髪の毛が茶色に変化することは不可逆的な変化ではないことが分かります。何かの条件さえ整えば再び黒色に戻ることが出来る事が伺い知れます。ただし、茶色から黒に戻る事はかなりレアなケースに思えます。

 

 

 

☆半分黒い髪の毛。

上の画像にある髪の毛は一番先に紹介した白髪の産毛として育ってきたが毛穴の調子を取り戻し根元から黒くなってきたものの亜型とも言えそうです。これは根元全部が黒くなったわけではなくて、丸い髪の毛の一面のみが黒くなったものです。

この半分黒い白髪については生えたて産毛に見受けられることは私の今までの印象として殆どありません。尚且つこの半分黒い髪は全頭に症状の及ぶような広範囲の円形脱毛症で観察されます。しかも生えて来た髪の大半が確りとした太さに成長したうえで尚も白髪から黒髪に変化していない状況が数か月経過した状況で見つかります。またこの半分黒い髪は太さに関して目視の限りですが凸凹しておらず、その後抜ける運命にあるような髪でもありません。

しかしこの半分黒い状態はこの後ずっと続いていくわけでもなく、しばらく伸びた後に再び根元全てが白色に戻ります。白髪が黒く変わる場合は最初に紹介した髪のように途中から周囲360度全ての色が変わります。更に黒く戻った髪も再び白に成ることもあり、場合によっては白黒白黒と縞模様の様相を呈す髪もあります。経験則では根元が赤茶けなければすぐさま抜ける事は無いようなので白黒白黒の髪は健康な髪であると思えます。

 

 

 

さて、上記3種類の髪の毛を観察してみると円形脱毛症の悪化過程も回復過程でも髪の毛の色素が関わっている事が想像できます。

メラニン色素と髪の成長、この二つは円形脱毛症のメカニズムを解くうえで非常に重要な意味合いを持つと確信し、頭の中では様々なシナリオを作成してはいるのですがまだ決定打となるものは無いのが正直なところです。

ただし、半分黒い髪の存在から毛根内において髪にメラニン色素を練りこむ役割を持つ細胞は一つでは無くて髪を取り囲むように全周囲に分布していることが言えるのではないかと考えています。そうでないと髪の片側にのみ色を付ける事は不可能なのではないかと思われます。過去記事(萎縮毛キャタピラモデル)で書いたような図に近いのではないかと思います。

この絵の右上、中心に毛乳頭がありその周囲を青い丸(絵では毛母細胞)が囲んでいますが、丁度メラノサイトもこの絵のように髪の周囲を取り囲んでいると想像します。半分黒い髪は上の絵で言えばAだけが稼働していた。よって丸い髪の一面のみ黒くなったと考えると合点がいきます。

 

 

 

一般的に円形脱毛症は自己免疫疾患だという意見が多数です。私もそれを完全に否定できません。特に前回までの記事で書いたADTAFSのような一気に抜けて一気に生えるような円形脱毛症の中のタイプこそ免疫が多少なりとも関与している抜け方に思えます。完全に私見ですが抗がん剤の抜け方・生え方にも、やや似ているようにも思えます。抗がん剤の働き方と免疫の働き方の表れが同じようにも思えるのです。まるでイナゴやバッタの大群が押し寄せて、過ぎ去っていったような状況に似ているようにも思えます。大群の過ぎ去った後には何も残りませんが、大地が壊された訳では無いのでまた草木が芽吹くような感じに思えます。

そして自己免疫を引き起こす引き金がメラニン色素だという意見も目にします。しかしこの半分黒い髪の存在から推測できる事は必ずしもメラニンが自己免疫を引き起こすとは限らない事では無いでしょうか。なぜなら半分黒い髪はその後も白髪として成長し続けるわけです。仮にメラノサイトが免疫の標的としてロックオンされたとしたらメラニンが練りこまれている髪の毛に対して攻撃が始まってもおかしくはないのです。でも半分黒い髪は凸凹してきません。

半分黒い髪は一つの毛穴の中で複数あるメラノサイトの同期がうまくできていない為に生じる現象に思えます。

つまりこのことからも『萎縮毛キャタピラモデル』で書いたような毛根内部の代謝速度の失調こそが、円形脱毛症の多くのパターンの原因としてあるのではないかと更に思いを新たにするのでした。

 

蛇足ですがもし円形脱毛症の原因を自己免疫のみに求めるならば、

頭皮の血流改善など一体何の意味があるというのでしょうか。

ソウオモイマセンカ?

 

 

ちなみにメラニン色素に関しての過去記事は
筋肉⇒メラニン⇒髪⇒炎症では下半身の筋肉と顔のシミについて紹介いたしました。これも不思議ですね。

非常に東洋医学的な現象に思えます。

最新ニュース:ストレスで白髪になるメカニズムでは交感神経が働き過ぎると白髪に成る内容を紹介いたしました。

この辺りも今後さらに精査していきたいと考えています。

 

よろしければ参考にしてみてください。

 

 

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