『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』 | 逢海司の「明日に向かって撃て!」

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『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(著/東野圭吾)

正月休みに読もうと思って用意していた本をやっと読了。

予定より二ヶ月以上かかったのは、思ったよりも正月休みに出掛ける用事が多かったのと、図書館で定期的に本を借りて読んでしまっていたから。

読書が趣味だと図書館があれば無料でいくらでも楽しめる。良い趣味だ。

 

で、ミステリー好きな私ではあるが、東野圭吾は殆ど読んだことがない。

こちらでも紹介した短編集が唯一だと思う。

そんな私が挑もうとしている本書、けっこう厚い。500ページ以上あった(単行本)

私が最近読んでいるのは300ページ程度で、しかも短編集が多い。

このボリュームを読破できるかと不安もあったのだが、読み始めたらグイグイと本の世界に引きずり込まれた。

すごく劇的に描かれているわけではないのにページを捲る手が止まらない。

話しに求心力があるとはこのことか、と思いながら2~3日で読み終えた。

 

推理の解き明かしに少々強引さを感じなくもなかったが『名もなき町』の世界観にどっぷりと浸れて楽しめた。

謎多い神尾武史の傍若無人な捜査手法は敬愛する兄を奪われた故の行動なのか、それとも元々己の思うままに動かさないと気が済まない性質なのか。

今のところ私の中では苦手分野に分類されている。

人気シリーズが次々と実写化されている東野圭吾作品なので、武史役は誰が似合うかと考えた時、ぼんやりと長瀬智也が面白そうだな、と思った。警察にも臆さず、それどころか警察を脅す勢いで情報を得ていく姿などを見てみたい。

ただ少し若すぎるような気もするので、津田健次郎さんあたりはどうだろう。

ニヒルでちょっとアウトローな雰囲気があって私は好きだな。と思ったら、ボイスCMで実際に津田さんが武史の声を担当されていた。

真世役には新木優子さんが良いな。

強さがあるけど強すぎない。綺麗だけど派手過ぎない。

アクの強い武史の横で、アクマで一般の女性らしく立ち振る舞える人がいい。

 

とか書いていたら、本当に映画化するらしい。

武史役が福山雅治さんだとのことだが、それってガリレオでないの?と驚いてる。

武史はもっと粗野なイメージがだったんだが、インテリ系の俺様キャラだったか。

福山雅治氏を念頭に置いて読み返すと、また違った武史像に出会えるかもしれない。

 

何はともあれ、東野圭吾作品も肌に合うことが分かった。

図書館でチョイスする幅が広がったのは大変喜ばしいことだ。

次はマスカレードシリーズ辺りを読んでみようかな。