読書感想が溜まってきてしまったので、今回は図書館で借りた二冊をまとめて。
まずはこちら
『最後のページをめくるまで』(著/水生大海)
先日読んだ『ランチ探偵』の水生さんの本だったのでお気楽に借りたら、がっつりサスペンスミステリーでした。
まあ表紙がちょっと不穏だったのでそんな予感はあったのですが(-_-;)
5作の短編からなる、最後にどんでん返しのあるミステリー集。
想像通りの最後だったり、意外な終わり方だったり、ミスリードさせらてたりと、いろんなタイプで楽しめました。
個人的に主人が最後に報われないのは読後感良くないので、スカッと終わるミステリーをご所望の方は違うかも。
ラストに入ってる書き下ろしの短編は伏線を漏らさずに読み込むことが大事。
その結果ミスリードされるか、正解に近付くかは貴方次第です。
お次は時代物
『贋富くじと若さま~煮物屋なびきの謎解き仕度~』(著/汀こるもの)
『ご飯の神さま』が祀られた神棚のある煮物屋、その店の看板娘なびきは幼い頃の大火事で家族と生き別れになり、この煮物屋の主人である久蔵に引き取られ、以来煮物屋を手伝っている。
実はこれはシリーズ二作目。一作目ではこの久蔵が何やらあったようなのですが、そこに触れなくても今作だけで話は分かるのでご安心を。
『ご飯の神さま』からのお告げの夢を手掛かりに、身の周りで起こる事件を果敢に解いていくなびきは年齢以上に大人だ。
時代が違うというだけではない分別の在り方は、幼い頃に親と生き別れ必死に生きてきた生来によるものだと推測できる。
これに大人になり切れてない大人が絡んだりするから、なびきの心労も大変なものだと思う。
裏書に『江戸前コージーミステリー』と書かれてたので手が伸びたのだが、コージーミステリーと呼ぶにはあまりに剣呑な内容でした。
またキャラクターの心情が汲み取りにくい(理解しにくい?)と私は感じてしまった。
読解力のある人が読んだら違うかも。
会話が今まで読んだ江戸物の中でもかなり現代口語調に近いです。
焦らされる話がお好きな方にはお勧め。