結局自分でも書いちゃった☆
注意1
以下の文面はフィクションです。
実在する人物、団体、組織等とは一切関係がございません。
似てる人が居ても、それは偶然の産物です。
妄想と現実を混同しないように気をつけましょう。
注意2
大したストーリーもオチもありません☆
イメージビデオみたいな内容ですが、よろしいでしょうか?
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ぼんやりと車の中から眺める風景がよくドラマやアニメで見かける出来過ぎた風景に酷似していて、直樹はなんとなく苦笑いを浮かべてしまった。
うねった上り坂の途中、向かう先には緑が雄々しい山が見え、眼下には遠くに浜辺と海が広がっている。
さすがに入道雲の季節は過ぎてしまったが、空から注がれる日差しはじれるように肌を焦がしそうだ。
そして動かなくなった車のボンネットを開けて必死に中を覗き込んでいるという、ありがちな設定が何故が似合っている雄輔の頭には麦わら帽子。
できすぎー、と直樹は冷房の効かなくなった車内でこっそりと呟いた。
雄輔の車がこんな辺鄙なところでエンストを起こして、もう30分以上が経つ。
他に車が通れば助けも求められるのだが、あいにくこんな時期に、しかも平日に山を目指す奇特な人間は居ないらしくこうして二人で取り残される結果と相成ったわけだ。
「雄ちゃん、もう諦めたら?」
車から降りて必死にエンジン部分とにらめっこしている雄輔の隣に立った。
自分もそんなに機械に強くはないが、どうにかしようと四苦八苦している彼だって大差ないはずだ。
こんな暑いさなかに無理をするのは、やはりよろしくないと思う。
「あー、ノックは出て来なくて良いよ!日焼けしちゃいけないんだろっ?」
そうですが、さすがに雄輔一人にこの状況を任せるの気が引ける。
「あのさ、気持ちは分かるけど助けを呼んだ方が良いよ。JAFとか入ってるんでしょ。
下手にいじってひどくするより、プロに任せたほうが良いんじゃない」
このまんまじゃ何もしない内にお休みが終わっちゃうよ?
付け足された言葉にさすがの雄輔も折れた。
車に戻り携帯をピコピコといじって、どこぞに連絡を入れている。
ま、これで身動きが取れないという事態からは脱せらるだろう。
直樹は首に巻いたタオルをしっかりと襟に入れ込み、羽織っていたシャツの袖を最後まで下ろす。
ちょっと心許ないが、これくらいしておけば多少日に当たっても色が変わることはないはずだ。
「ちょっっ、どこ行くの?!」
テクテクと登って来た車道を降りて行く直樹に、雄輔が慌てて声をかけた。
まさか、一人で帰っちゃうって誤解されてないだろうな。
「なんか飲み物買ってくるー。助けが来るかもしれないから、雄ちゃんはそこで待機してて~~」
じゃね~~って陽気な笑顔で大きく手を振る。
そして心配そうな顔した雄輔を残して、ポテンポテンと日差しを照り返してるアスファルトの道を下って行った。
失敗したなぁ、と直樹の姿がカーブの向こうに消えてから、雄輔はがっくりと肩を落とした。
奇跡のように休みが重なり、尚且つ仕事以外の予定もなくて、それじゃ軽くドライブに出掛けようって誘ったのに、まさかこんなことになるなんて。
これで剛士だったら自力で直しそうなのだが、そんな芸当もできるわけもなく。
普段だったら素敵な誰か助けが来そうなのに、今日はその運も発揮できない。
暑いお日様、熱くなってる道路、そして暑く焼かれた車。
全部が残っている最後の夏を差し出してくれてるけど、やり残した夏ってこんなんじゃないんだよ。
もっとこう、豪快に軽快に、溜まっていたものを吹っ切るような勢いが欲しいのに。
ただただあいつと、何もかも忘れて馬鹿笑いするような時間を楽しみたかっただけなのに・・・。
俺、何か使い果たしちゃったのかなぁ。
「ゆ~ちゃんっヾ(≧ω≦*)」
「うひゃっ、つべたっっ!!」
ぼうっと千切れていく雲を眺めていたら、急に冷たい物を頬にくっつけられた。
直樹が戻ってきたことに全然気が付かなかった。きっとこっそり足音も忍ばせて帰って来たのだろう。
「も~、隙があり過ぎ~~」
狙い通りの雄輔の反応が見れて満足だったのか、直樹は頬から目尻から顔中に笑い皺を深く刻んで、嬉しそうに顔を緩ませている。
くしゃっとした、小僧みたいな笑顔なのに、どこか偉そうにして見えるのはなぜだろうか。
「はい、懐かしいの売ってたよ♪」
そう言って彼は、自分の手柄を褒めてもらいたい子供みたいな顔のままでラムネの瓶を差し出した。
深い海の底みたいな青い瓶の中で、埋め込まれたビー玉が早く外してくれと揺らいでいる。
子供の頃はこのビー玉を取り出そうと、飲むたびに必死になっていたもんだけど。
「サンキュ」
「あ、開けるときは気を付けてね。勢いよくやると泡が・・・」
って、直樹の説明とか注意とか、そうゆう話はあまり気長に聞かない人だった。
ぽん!と気持ちの良い音を立てて、真っ白の泡がドワっと瓶から溢れだす。
呆れる直樹の目の前で、うわ、どうしよ、飲んじまうかっ?と慌てふためく雄輔。
本当に、出来過ぎるくらいにありきたりな風景だよ、と直樹は空を見上げてもう一度呟いた。
後部のトランクを開けて、並んで腰かけたままラムネを飲む三十路の男二人。
そのうち年長者がベトベトになった手を舐めている姿は、冷静に見たらイタイ光景かも知れない。
「でも、まあ」
ふわっと海から流れてくる風には、今までにない心地よさを感じられる。
車道の向こうに生い茂る木々の中からは、じれったいくらいに鳴き叫ぶセミたちの声
そして、空になった瓶と瓶の中に残るビー玉と真面目に睨めっこしてる愛すべき兄貴の横顔。
「こうゆう夏の思い出も、悪くないよね」
直樹が眩しそうに微笑むと、雄輔はもっと眩しい笑顔を浮かべた。
「だろ?それにこんだけ暑い思いしたんだ。帰ったらビールがうまいぞ!」
負け惜しみのような言葉も、彼が唱えると素敵な期待に溢れだす。
そうだね、帰ったら今度は、ちょっと文明に力を借りた場所で美味しいビールでも楽しみたいね。
そして沢山沢山、逢えなかった分も逢いたかった分も埋め合わせるくらいに話をしよう。
これからまた自分たちの道を頑張って進んでいけるように、そのための元気をチャージしよう。
長い時間も一瞬で呼び越えられるくらいの、沢山の元気を・・・・。
・・・・、無事にこの車を直せたらの話だけどね★
終わり
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責任とって(?)自分でも書きました☆
私の無茶ブリに乗ってくれたNいNいさん、MりMりさん、ありがとうございます。
お二人の作品に比べたら、ぜーんぜん甘さが足りない仕上がりになってしまったのが残念ですが(笑)
(ワタクシ、諸事情により糖分控えめになっております)
こうゆう淡々とした日常風景を描くのも好きなんだけどねん。
未だに『今の直樹さん』を書くのは難しいので、『弟の顔でもOK』な方たちと一緒の方が書きやすいな。
大芝さんとのお話も書きかけで止まってしまっているのは、そこらへんの表現が難しいからなんでしょう、きっと。
(そうゆうことにしておこう)
てか、、こんなの書いてる暇があったらヘキサレンジャー書けって話なんですけどねートオイメ(≡ω≡)