第一話『みんなで出動♪』
お兄さん達の不安を他所に、『美少女戦隊 Pabo』のお三方は
移動用メカ『グリーンフラッシュ』号に乗って現場へと出動してしまった。
一応これまでも戦闘経験があることはあるのだが、やはり年長者の剛士は落ち着けない。
「あああああああ!!!!!」
突然大声を発した剛士に、一同はどうしたのかと度肝を抜かれた。
まさか心配のあまり発狂したのか?
「しまったぁ!オレも一緒に付いて行けば良かったんだ!!
なに呑気に見送ってんだよぉ!!!」
そうである。
何も戦隊全員が揃わないと出動してはいけない、という決まりはないので、
心配なら同伴出勤・・・、もとい、一緒に現場に急行すれば良かったのだ。
「今更後悔しても遅いですよ。画面を現場の様子に切り替えますね」
自分の失態にうっだもんだする剛士を放置したまま、崎本はグーグルアースと特別契約した画像を呼び出し始めた。
出動要請のあった住所を打ち込み、その土地の情報を拾い集めながら画面標準を合わせる。
こうすることによって、衛星を介した映像がリアルタイムに送られてくるのだ。
「え~と、目黒区碑文谷の、、、、」
情報を読み上げていた崎本の目に、今までで最上級の侮蔑の眼差しが浮かんだ。
「え?なに?どーしたのサッキー?」
「今回アンガが襲来した場所、女子高ですよ・・・(¬_¬)フンッ!」
「((^^;あ、それでその冷たい視線なのね)」
「読み取り完了したので、画面を映します」
あまりに呆れたのか、崎本は淡々と仕事をこなしていった。
崎本よ、イケメンには理解しがたいことが世の中には沢山あるのだよ。
切り替わった画面は、確かにどこかの学校のようだった。
校庭らしき広場で、悪人お約束の高笑いをしているひょろ長い二人こそ、
悪の組織の一員、アンガ・ルーズである。
『よっしゃー!これでこの学園は俺たちのもんだ!』
『って田中さん、女子高を占拠しても恥ずかしいだけなんですが』
『なに言ってるのやまね!こうゆうところからコツコツいかないとね、世界制覇なんて出来ないんだよ!』
それにしたって女子高でなくても、とやまねは言いたかったが面倒なのでやめておいた。
高揚しちゃってる田中が、人の話なんてきくわけないのだ。
「アレが敵なの?弱そうじゃん」
見た目では負けずに弱そうな子供の姿の雄輔には言われたくないものである。
「弱いっちゃー弱いけど、しつこいんだよ、あの二人。変に頭がいいから屁理屈こねてくるし」
剛士も以前に対戦したことがあるのだが、肉体よりも精神的にやられた記憶がある。
全くかみ合ってないコンビで攻めてくるから、余計に面倒なのだ。
「現場にPaboが到着したようですよ」
崎本に促され、再び画面に意識を移す。
ああ確かに校門から飛び込んでくる三人の影が見える、けど・・・。
『美少女戦隊 Pabo、参上!』
『私たちが来たからには、貴方達の好きにはさせないからね!』
『大人しく帰りやがれ!!』
得意の決めポーズを披露する三人を見て、雄輔と直樹は目が点になった。
彼女達は私服でしか見たことがない。変身した姿はこれが始めてだ。
しかし、あの姿は・・・ (・_・;)
「まんまセーラームーンじゃないですかっ!」
「似合うだろ~?三人とも可愛いからさ、なにを着せても様になるんだよね( ´艸`)ウフ」
「論点が違うだろ!オヤジ目線になってんじゃねーよっ!」
「最初にどんなデザインが良いか聞いたら、セーラームーンかプリキュアって言われたんですよ。
プリキュアはデザインがまちまちで、同一機能でいくなら基本スタイルが同じセーラームーンの
衣装のほうが作りやすかったんです。文句ありますか?」
もしかして、一つ間違ったらプリキュアみたいにビラビラの格好で戦っていたのだろうか?
それはそれで似合うかもしれないが、実際は動きにくかろうと思う直樹と雄輔であった。
「って、呑気にくっちゃべってる場合じゃない!」
「おいおいPaboの奴ら、あんなのに押されてんじゃん!」
懸命に戦っているPaboではあるが、やはり男性相手では分が悪いらしい。
こちらからの攻撃は見事に交わされ、目に見えて疲労困憊しているのが分かる。
『いや~ん。やっぱりアンガさんは気持ち悪いですぅ』
『基本近寄りたくないんだよね』
『やっぱり距離を空けると、技が効かないもんだわ』
ずこーーーっ!
果たしてPaboはアンガとマットウに戦えるのか!
頑張れPabo!負けるな「お台場戦隊、ヘキサレンジャー!」
次回「秘密兵器発動!!」お楽しみに!
雄輔「オレはいつ大人に戻れるんだぁ!!」