以前書いた【ダイエット失敗談① 】

 

 

 

では、“減量”と聞いたときに真っ先に悪者にされがちな『カロリー(エネルギー)』と『脂質』について、

制限することのデメリットや私の失敗談、そして『エネルギー』や『脂質』が実際ではどのような役割を担っていて、何をしている栄養素なのかを簡単にご紹介しました。

 

 

 

今回はそれの続きで、昨今悪者にされがちな『糖質』の制限についてお話していこうと思います。

 

 

 

 

【糖質制限】

 

『糖質』と聞いて、皆さんはどのようなイメージをされるでしょうか?

 

 

 

「太る原因」「控えた方が健康に良い」

 

などなど、最近の糖質制限ブームも相まって、あまり良いイメージがない方が多いのではないでしょうか?

 

 

何を隠そう、私も今の大学に通う前はそのように考えていたうちの一人で、数か月前までは気分が乗っている時ではないと芋類ですら不安になっていたくらいです。

 

 

しかし、この『糖質』が実際にどのように消化・吸収され、どのように使われているのか、また制限することでどのようなことが起こるのか、どの程度が適正量なのか、なぜ“太る”といわれているのか……

等々を具体的に理論立てて説明できる人はあまりいないような気がします。

 

 

 

実際に私も、大学で根拠を持って糖質の重要性を認識するまでは

ネットの「日本人は糖質を摂りすぎている!」「糖質は食べない方が健康的になれる!」「ローカーボ(低糖質)なら太らない!」などの、

信頼できるデータを根拠にしているかどうかもわからない、“わかりやすくて・簡単そうで・早く効果が期待できそう”な情報を信じては、自分に食の知識があるかのように思っていました。

 

 

 

ところが専門的に勉強していけばいくほど、それらの情報がどれだけ誇張表現されていたのかが明確になってきて、自分が今まで『糖質』に関しての情報を曲解していたことが分かりました。

 

 

そこでこれから、私が糖質制限を実施した際の具体的な失敗談を挙げながら、どんなところがダメだったのかを簡単にお話ししていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

私が糖質に対して誤解していたがために心身に悪い影響を及ぼした点は、大きく分けて

  1. 徹底的に制限したことによるエネルギー不足
  2.  筋肉がなくなった
  3. 脳が縮んだ
  4. 睡眠障害
  5. 栄養不足で肌が黄色くなった
  6. お腹のトラブルが多くなった

の6つです。

 

そして今回はこのうち①~④について書いていきます。

 

 

 

 

 

【徹底的に制限したことによるエネルギー不足】

 

これは言葉のままで、私が糖質の代表であるお菓子やジュース・パンや麺・お米などの主食類はもちろん、糖質が比較的高めなお野菜なども制限し、糖質をできる限り摂取しないようにしていた結果、エネルギー不足の状態になってしまっていました。

 

 

 

エネルギー不足だった私がどのような状態になったかというと、

 

体が体内に残っているわずかなエネルギーをなるべく使わないようにしようと省エネモードに入り、

毎日あまり体に力が入っていないような、ふわふわした感覚で過ごすようになります。

 

 

 

しかし当時の私は「糖質は食べた分が運動で消費できなかったらすべて脂肪に変わる」という固定概念があったことから、

そんな状態になっても体脂肪が増える恐怖でいつの間にか糖質を含む食べ物を食べられなくなっていました。

 

寧ろ、エネルギー不足によって感じる倦怠感を感じることによって、「食べた分がちゃんと消費しきれている」と勘違いして安心していた節さえありました。

 

 

 

皆さんもきっとご存じかと思うのですが、

主食と言われる糖質が主原料になる食べ物は、人が生命を維持したり、活動したり、成長したりするために使われる重要な材料になります。

 

つまり、人が生きていくうえで“糖質”は必要不可欠ということです。

 

 

 

しかも、三大栄養素(人がエネルギー源にできる=カロリーがある栄養素3つ)である脂質・タンパク質・炭水化物(糖質+※食物繊維)のなかで真っ先に使われる栄養素が“糖質”になります。

※食物繊維は人が吸収できないのでエネルギー(カロリー)にできません。

 

だから主食や甘味物など、糖質を主に含んでいるものを食べた後は『血糖値』が上がる、と言われているんですね。

 

 

 

 

 

突然ですが皆さんは『血糖値』と聞いて、どのようなイメージを頭に浮かべるでしょうか?

 

 

 

少し前の私がそうだったのですが、きっと中には

 

「上げてはいけないもの」「なるべく血糖値を上げない方が健康的」

 

と思う方もいるのではないでしょうか。

 

 

 

しかし実際は「上げない」というのは不正解で、「適正に上下させる」というのが正解になります。

 

 

なぜかというと『血糖値』とは、食べた食品に含まれる、人にとってのガソリンである『糖質』を血液が一生懸命全身に運んでくれていることを指す値だからです。

 

 

 

よって食べ物から一切糖質が入ってこなければ、血液は運ぶものが何もなくなってしまって、内臓や筋肉や脳にエネルギーの材料を届けることができません。

 

そうなってしまえば糖質が切れた瞬間に人は電源が切れたロボットのように機能停止になってしまいます。

 

 

 

 

「じゃあずっと原料を補給し続けなくちゃいけないのでは?」「糖質を厳しく制限している人は何で生きてられるの?」と一瞬考えてしまいますが、

普段皆さんはお腹が空いていても欠食しても、急に電源が落ちるなんてことはありませんよね。

 

 

 

それは何故かというと、糖以外の脂質やたんぱく質を糖に変える仕組みを持っていてエネルギーにしたり、事前に肝臓や筋肉に糖質を蓄えておいたものを使ったりして、それなりの対策を用意しているからなんです。

 

体もそこまでヤワな造りではないということですね。

 

ところが前回にもお話しした通り、脂質やたんぱく質はエネルギー源以外にも体を作ったり守ったり等の他の役割がありますので、食べたもの全てをエネルギーの素に使ってしまうわけにはいきません。

 

 

また、もともと肝臓や筋肉に蓄えておいた糖たちは、1日もたたない間に消費しきってしまうほど実は量が少ないんです。

そこで出てくるのが、体に“体脂肪”として蓄えておいた燃料になります。

 

 

そのため、減量のメカニズムというのは、

 

常に入れ替わっていく細胞たちを作ったり維持したりするために使うエネルギー 内臓を動かすエネルギー 生活したり運動したりするエネルギーよりも、

 

食べたものから得られるエネルギー源(糖質・脂質・タンパク質) 腎臓や筋肉にストックしてあるエネルギー源量の方が少ないことによって、

 

「あとは体脂肪を減らすしかない!」という状態にして体脂肪を減らしていくという流れとなります。

 

 

 

 

見方を変えれば、上のバランスが均等に保たれているときは体重が維持されるということになりますね。

 

 

こうして考えると、糖質を食べたからといってその分を運動で消費しなければ太る、という私の固定概念は間違っていた、ということが証明できます。

 

また、人が動く基本になるものが糖質になるのならば、「糖質を摂らなければ健康的になれる」ことは誇張表現だったということが分かるかと思います。

 

 

そのため、最低でも一日自分の内臓や脳みそを働かせる分の糖質(このエネルギーを「基礎代謝」と言います。詳しくは【ダイエット失敗談①へ】)は必要で、

加えて自分が歩いたり走ったり、喋ったり考えたりする分の活動量も上乗せした分の適正な糖質量が必要なのです。

 

 

 

 

【②筋肉が無くなった】

 

①で話したように糖質もなく、糖質の代わりに糖になってくれる代わりの栄養素たちや蓄えていたものもない状態が続き、どんどん体脂肪が減っていった私は、

ついに糖に変える脂肪すらなくなっている状態にまで行ってしまいました。

 

 

 

ここでいよいよ電源が切れる時がきたのか!?と思いますが、実はまだ体は対策を残しているんです。

 

 

 

 

それが何かというと、小見出しにもある通り“筋肉”です。

 

先ほど筋肉内に糖が蓄えられていると言いましたが、それはあくまで“筋肉を動かす”ための糖であって、

 

今回はタンパク質でできている筋肉を分解して糖に変えようという手段になります。

 

 

 

 

筋肉が減ることでどういう状態になったかというと、

  • 足の筋肉が減る=走れない(人によっては、歩けない)・浮腫みやすい(血液を下から上に押し返す力が少ない)
  • 顔の筋肉が減る=表情が作れない・笑えない
  • 尿道周囲の筋肉が減る=お手洗いが我慢できなくなる・尿漏れ
  • 腹部の筋肉が減る=内臓を支えきれずお腹が出てくる
  • 全身の筋肉が減る=寒いときに震えることができず、寒さに弱い

などが挙げられます。

 

 

 

中には(笑えないなど)精神的な問題などの複合的な要因のものもありますが、

基本的には筋肉の衰えによって動く力がなかったことが一番の理由だと言って良いのではないかと私は考えています。

 

 

また、私は“歩けない”ということは無かったのですが、長時間立っている際に自分の身体を支えきれないということはありました。あれは本当にしんどかった……

 

 

 

 

 

①の時にも書きましたが、

結局人は糖をエネルギーにして動いていて、それ以外はあくまで予備的な役割なので、逆にガリガリの状態から「筋肉を作ろう!」と思っても

 

まず燃料になる糖質が入ってこなければ、入ってきた脂質やタンパク質(タンパク質は筋肉を作る主な材料になる)から使われてしまい、筋肉が作られるのは後回しになってしまいます。

 

 

そのため、エネルギー源という意味合い以外にも“筋肉を作るために”糖質を取ることが大事になってくるのです。

 

 

 

 

 

 

【③脳が縮んだ】

 

「脳が縮む」言うとびっくりする方もいらっしゃるかもしれませんが、

脳も筋肉と同じ“タンパク質”でできた内臓なので、どうしても体を動かすための糖の代わりになるものが底を尽きれば、脳すらも(生命よりも)優先順位が低い場所から消費されていくことになります。

 

 

 

私は脳含めた体のエネルギー源になる主食を一切取らないように制限をかけていたので、そのほかの食品に含まれる極わずかな糖質だけで脳を働かせており、栄養が不足している分は脳を分解してエネルギー源としていたのだと思います。

 

そのため、常にぼーっとした感覚になる・喋るのが遅くなる・反応が遅くなる

などの症状も現れました。

 

 

 

さらに脳に栄養が回ってないぶん判断力も落ちている且つ、気づいたときには毎日そんな感じなので、まさか自分がまずい状態になっていることに全く気が付いていませんでした。

 

 

また、脳の栄養失調は体の栄養失調とは違って、特別注意しておかなければいけないことがあります。

それは、一口に“糖質”と言ってもただ糖を取っていれば良いのではなく、“ブドウ糖”という種類の糖を取らなくては栄養補給にならないということです。

 

 

 

もしかしたら聞いたことがある方もいるかもしれませんが、

実は脳は“糖質”の中でもブドウ糖(グルコースとも言います)しかエネルギー源にすることができません。

 

 

“糖”と言ってもいろいろな種類があるので主食に入っている主食すべてがブドウ糖であるとは限りません。

よって、いくらブドウ糖以外の糖質を取っていても筋肉や脳以外の内臓を働かせる燃料になるだけで、いつまで経っても脳には栄養が回っていかないということになります。

 

 

よく受験の時期にスーパーに行くと某ラムネ味のお菓子製品のパッケージに『ブドウ糖90%配合!』というような印字がされているのを見るようになると思うのですが、あれは脳をよく使う受験生にとって食事だけの『ブドウ糖』では足りなくなってしまうことを考慮しているからなんですね。

 

 

 

 

ブドウ糖が含まれているのは主にお米・パン・麺などの『主食』や、サツマイモやジャガイモ、小麦粉などの芋類や粉類があります。

 

最初は自分の中で固定概念と事実の葛藤があるのでなかなか踏み出せないかもしれませんが、例えば私は受験の時や誰かと外出するときなど、

 

「勉強で脳みそを使うから消費できる」

「たくさん歩くから食べても消費できる」

 

というような感じで、自分で「食べても良い理由」を作って特別な日にだけ食べるところから始めてみました。

 

また、朝食べれば必ず1日のうちに消費できるので、そういった点もチャレンジするための安心材料としていました。

 

 

 

私の経験が安心材料になるかはわかりませんが、

実際に受験の際に朝おにぎりを久々に食べて挑んだところ、不安になるくらいに誰よりも早くテストを終えることができ、頭がいつもより働きやすいような感覚にびっくりした記憶があります。

 

きっと、おにぎり(=お米)はほかの栄養素が殆ど含まれていない純粋な“ブドウ糖”でほとんどを構成されているため(※お米の量=糖の量ではありません)、きっと効率よく脳のエネルギーになったのでしょう。

 

あれは今でも忘れられない、糖質の働きをダイレクトに感じた体験でした。

 

 

 

 

 

【④睡眠障害】

 

私の場合は『不眠』と『突然寝てしまう』ことの二つが症状としてあったのですが、このうち今回の話題に関連するのは後者の『突然寝てしまう』という方の問題です。

 

 

 

実際に主治医に相談してみて睡眠薬を使った治療方法も試したのですが、いまいち上手にコントロールできなかったことから、

最終的に「エネルギー不足が原因であり、睡眠薬で解決するようなことではない」という判断になりました。

 

 

 

エネルギー不足と睡眠がなぜ繋がるのかというと、

実は①・②で書いたエネルギー不足によって起こった体力や筋肉の分解に加えて、③の脳の栄養不足が相まって起こった弊害が関係しているのです。

 

 

先ほどもお話しした通り、脳は糖質(ブドウ糖)のみを原料にして働く臓器でしたね。

 

そのため、もし私のようにドクターストップで運動制限をされていて体のエネルギー消費量が少なかったとしても、学校や仕事などで頭を使えば脳はエネルギーを消費し、疲労します。

 

 

 

また、普段から摂取エネルギーが少なく疲れやすい体は省エネモードに入っているので、時や場所に限らずエネルギーを温存・疲労回復しようとします。

 

このことから、身体の疲労脳の疲労のダブルパンチで省エネモードに拍車をかけ、時と場所限らず突然眠るという睡眠障害を発症してしまったのではないかという推察になります。

 

 

 

 

ちなみに以前『睡眠と摂食障害』という記事にも書きましたが、いまだにこの睡眠障害(特に“時と場所に限らず寝る”という方)に関しては、摂食障害で発症してからい未だに治っていません。

 

きっとまだどこかに“エネルギー不足”の要因が隠れていたり、無意識に“睡眠不足”になっていたりしているのかもしれませんね。

 

私自身、少しずつお米や芋などの“糖質を多く含む食品”を摂れる頻度が多くなってきたので、今の主な要因が栄養的な問題なのか、それともほかに問題があるのか、これからも様子を見ていこうと思っています。

 

 

 

現時点の報告としては、1日1~2食(調子が良ければ3食)は主食中心の生活で、

体型に変化はほぼ無し(寧ろ少し体が自分の理想に近づいた気もする)。

睡眠障害はガリガリだったころに比べたら寝落ちる頻度が少なくなり、不眠も改善したものの、まだまだ日中の睡眠はコントロールはできていない状態です。

 

 

 

 

人が睡眠をとる理由は、疲労回復・怪我回復・体の成長・記憶固定(嫌なことがあったら眠れないのは人の本能なんですね)・ストレス発散などがあります。

 

実際、私が不眠だったころに比べたら今の方が心身ともに快いのは間違いないし、睡眠と食事と健康が強く結びついているのは紛れもない事実です。

 

そのため私は、糖質・エネルギー不足という原因を潰しておくことは回復への大きな一歩になるのではないかと考えています。

 

 

 

 

 

【今回のまとめ】

 

エネルギー不足・筋肉が無くなる・脳が縮む・睡眠障害……ここまででもかなりボリューム満点の内容だったかと思います。

 

その分、糖質がどれだけ人の身体にとって必要なものだったのかも一緒に感じていただけたのではないでしょうか。

 

次回は残りの「栄養不足で肌が黄色くなった」「お腹のトラブルが多くなった」の詳しいお話をして、これらを体験したうえでの私なりの糖質制限ダイエットまとめようと思います。

 

 

 

 

 

 

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