前回の記事【睡眠と摂食障害】では、合併症の中でも食事と同じくらい悩まされた“睡眠”についてお話ししました。

そしてその悩みは今でも続いていて、いろいろと試行錯誤したり悩んだりして日々を過ごしています。

 

 

 

睡眠と同じように、今でも完全には解決していない合併症があります。

それは“生理不順”です。

 

この問題は女性特有のものですが、今回のお話はできる事なら男性にも目を通して向き合っていただきたい問題です。

なぜなら、将来できた自分のパートナーがこうした悩みを抱えている可能性もゼロではないからです。

見にくい記事かもしれませんが、全く関係のない話の訳ではないので、どうか考えていただきたいなと思います。

 

 

 

【生理不順になった経緯と治療まで】

私は拒食症で過度な栄養不足だったので、私の体は生理機能の準備をしている余裕などはなくBMIが17になった頃くらいから生理は完全に来なくなりました

 

高校に上がったばかりのまだ安定した周期もない時期に生理が来なくなったので気づくのが遅く、 半年以上来ていないという状態になってから主治医の先生に相談するという形になってしまいました。

 

 

月経機能に関しての診療科は『婦人科』ですが、

私の通っていた病院の付属には婦人科が無かったので、婦人科は別の病院に外来することになりました。とはいえ、実は私は過去に婦人科かかったことがあるので、婦人科選びには苦労しませんでした。

 

 

ただ、また新たに病院を見つけなければいけないとしたらその病院選びも慎重になる必要があります。

病院選びについては摂食障害と病院という記事に詳しく綴ってあるのでご参考にしていただければ良いなと思います。

 

 

 

以前かかった時は、運動を殆どしなかった小学校時代から中学に上がったタイミングで急に駅伝・部活・陸上という激しい運動メニューの練習を始めたのが原因で、月経が1年ほど来なくなりました。

そう、思春期の月経とは、こうした体の変化やストレスだけでも乱れてしまうほどデリケートなものなのです。

 

 

今回の婦人科診察ではやはり「痩せによる無月経」と言われました。

信頼できる婦人科の病院だったおかげか、「食べることが一番有効な治療法」と言われたものの、今の状態でやれるものをやってみようという話で真剣に相談に乗ってくださいました。

 

 

取り敢えずホルモン剤を飲んでみることになりましたが、

ホルモン剤の副作用とされる生理前の症状(黄体ホルモンの影響なので薬自体に副作用があるというものではありませんが)が出ていたのか、ただ単に低体重で体力がなかったのか、いつも以上に倦怠感や浮腫みが激しく、その割には生理も来ないという結果になりました。

 

何度か試したのち、私も病院の先生もホルモン剤治療を停止して生理のことはいったん置いておき、食事や体重の増加から改善していった方が良さそうだという結論に至ったので、婦人科はまた後でということになりました。

 

多分病院の先生的には最初からこのようになるのはわかっていたとは思いますが私の精神衛生上、この“痩せの状態でもやってみる”という段階はありがたかったです。

 

 

 

 

【無月経治療に対しての正直な気持ち】

この婦人科に通っていたとき時期を通して感じたのは、私と周囲の温度差です。 

 

どういうことかというと、周囲は「このままだと赤ちゃんできなくなる体になるよ」「今なら戻れる」 などと言って私に何とか体重を戻そうと説得してくれましたが、 肝心の私は正直言って“来ても来なくてもどっちでも良い”と思っていました。

 

寧ろ、生理が来るということは生理前の太りやすい(=浮腫みやすい、栄養を蓄えやすい)時期がくるということだし、生理中も処理やら何やらが面倒だし、整理中も浮腫んだり何処かしらが痛かったりと嫌な気分が続くし……ということを考えると来ないことのメリットが大きいと思っていたくらいでした。

 

 

生理が来ないと赤ちゃんができる体質になれないのはわかっていたし、周期がないまま止まってしまったということは未発達のまま体だけ成長してしまっているということは自覚していました。

 

それでもそういう体質だったからって生きられない訳じゃないし、子供は好きだけどパートナーとかは今までほとんど考えたことがなかったし、まず自分に自信がなくてガリガリな私を好きになってくれる人なんていないと思っているので「将来どうなるか分からないよ!」という言葉も全く響きませんでした。

 

そんなことよりもその頃の私にとっては(根拠は言えないけれどなぜか)痩せていることの方が大事で、何よりも優先順位の高いものになっていました。

 

とは言いつつ、通わない理由もない(むしろ正常ではないなら通う理由はある)ので、 病院の先生や家族と険悪で気まずい雰囲気になるくらいだったら婦人科にも通うか、くらいの気持ちで言われるが儘に通っていましたし、薬もしっかり飲んでいました。

 

 

【現在も月経への意識は低い】

本音を言うと、今でもその生理不順についての意識はかなり低いです。

 

私自身、今のところアセクシュアルを自認しているのですが、そうして未だに付き合うとか恋愛感情を持つとか、そういった概念や欲求を持ったことがないのも意識の低さに関係しているかもしれません。

※アセクシュアル:無性愛。他者に性的な感情(または恋愛感情)を抱かない、性的な行為への関心や欲求が少ない/全く無いこと。

 

もちろん他の子を見て楽しそうだなあとは思うし、自分もそういう立場になったら楽しいだろうなあとは思います。完全に興味がないわけではありませんし、自分に対しての可能性を完全に捨てたつもりもありません。

 

しかしやっぱりどこか他人事な感覚で、自分が将来誰かと恋愛をしたり、お母さんになったりするのは全く想像できないのです。例えるなら、ただ今の自分には全く別世界の、まるで映画のフィクション作品を見ているような感覚です。

 

 

それに、私自身が生理不順の状態に慣れてしまっているというのも治療への無関心さに拍車をかけているように思います。

 

というのも、月経が来ないことで閉経と同じ状態になり、少し前までは更年期障害的な症状は出ることがありましたが

当時はそれよりも食事のことが気になっていたし、今ではもう症状は出ていないのです。

 

そうするともう月経に関心を向けようにも向けられない状態になっていて、いくら周りが焦っていてもいまいちピンと来ないままになってしまうのも無理はない気がします。

 

 

 

一方で最近、本当に多少ではありますが危機感を感じる瞬間はありました。

それは大学で人体について学ぶ時間、人の生理器官について学ぶ授業の時でした。

 

そこで、このままだともし将来子供が欲しいとなっても器官が未発達で生理周期さえも無いから、いざというときに子供ができない体である可能性が十分にあるのだという危機感をじわじわと感じました。

 

とはいえ「このままもし子供が欲しいってなってもめちゃくちゃ後悔するだろうなあ......」と考えたり、 その時の悲劇を想像たりするくらいで、自分が今すぐに行動するほどかと言われれば、そうではありません。

 

 

 

【結局、治したほうがいいのか?】

ここまで話した末に私が一つ思うのは、

“どっちでも良いなら治しておいた方が良いのかもしれない”ということです。

 

人の体は複雑に作られているので、ちょっとやそっとの刺激で命が尽きてしまわないようにできている分、 一度どこか大きくバランスを崩してしまうとすぐに元通りにすることはできません。

 

 

生理機能も徐々に時間をかけて成熟していくもので、体が正常にエネルギーを使えるようになって初めて成長が再スタートします。

だから多分、私が妊娠適齢期にちゃんと新しい命を授かれるような体になるためには、生理周期を正す期間が必要ですので、逆算するともうあまり時間は残されていません。

このままだとその時になって「やっぱり子供欲しい」といっても不可能、ということになっても何ら不思議ではありません。

 

 

将来自分が家族を作っていく立場になれば、もはやそれは自分だけの問題ではなくなります

 

今の私が将来の可能性を0として考えたがゆえに、その将来でできたパートナーと思い描いた理想の家族を作れないということになれば、私はきっとその相手にも申し訳ないし一生自分を責めて悔やみ続けると思います。

 

「自分の体なんだから自分で決める」と言って済めば良いかもしれませんが、

そのような事態になってしまっては、もはや後悔という言葉だけでは済まされない事態になってしまうと容易に想像できます。

 

だから周囲の人たちは皆、必死に私に訴え続けているのだと思います。

 

 

一方、ホルモン治療やピルなどは毎日欠かさず薬を飲まなければならないし、人によっては副作用もあるので 精神的・身体的負担は人によっては大きいのも事実です。

そのため周囲が、本人が辛いのを押し切ってまで治せというのもまた少し違う気がします。

 

 

 

今私がここで言えるのは

 

治すのも治さないのもどちらでも良いと言うのなら、治さないデメリットがかなり大きいので、治す選択をした方が良いのかもしれない、ということと

 

周囲が言うからと無理に治療を頑張って、また新たに自分を追い込んでしまう種を増やすくらいなら、自分の楽な選択をするのも一つの選択としてあっても全然かまわないのだと思う


という2つの私の意見だけです。

 

 

 

【無月経のもう一つのリスク】

最後に生理が来ないリスクとしてもう一つ上げたいのは、

骨粗しょう症のリスクが高いということです。

 

先ほど更年期障害の症状とありましたが、体的には無月経=閉経になるので同時にどんどん骨の強度が低下していきます。

 

つまり、本当は10代〜20歳くらいで最大骨量(一番骨が強くなれる時期)のはずなのに、体は50代ごろの閉経後と近い状態なので

 

同じ年代の子たちよりも骨がもろくなってしまう

=将来の骨粗しょう症リスクが人より何倍も高く、何倍も早く来る可能性が高い

 

という事になります。

 

 

しかし妊娠も骨粗しょう症もまだ起きていない先のことなので、想像できる範囲も限りがあります。

だから残念ながら、私自身も必要性を感じろというのも実際には無理があって、ピンと来なくても不思議ではないというのが現状です。

 

 

 

【まとめ】

こうして記事を書いている私も、何度も書いているように月経についての関心が殆ど無いので“あまり熱心に書けないなあ”と思いながら文字を綴っています。

 

しかしよく考えれば、

治療することで後悔する可能性の方が圧倒的に低いのであれば、治さないまま後で後悔する可能性があるよりも

あまり関心を持っていなくても治療しておいた方が後々どうなっても対応できる範囲が広くなるということに気が付きました。

 

 

私の周りが一部そうであったように、周囲で一生懸命説得している方々の中には 

「なんで必死になってくれないの?」「後で後悔してほしくないのに!!」

とヤキモキした気持ちで居ても立っても居られないという方もいらっしゃるかと思います。

 

 

何度言っても響いてないなあと感じた時はもしかしたら、私のようにその必要性を感じておらず、想像してもあまりピンと来ていないのかもしれません。

 

 

今でもまだまだ将来のリスクへの自覚が薄い私は、本当に治したい・治してほしいという人の望む答えはここには書けていない気がします。

 

でもこの気持ちがある事は事実なので、このような人もいるのだと知って少しでも考えて頂けたのであれば幸いです。