クロヤギ頭の読まず買い -7ページ目

クロヤギ頭の読まず買い

ちまちまと進まない読書をしつつ、本を買うのは止められない。

こんなに買っていつ読むん?と自分に一人ツッコミを入れつつ日々を暮らす不良主婦の読書(購入)記録ブログ

あの空をおぼえてる (ポプラ文庫)/著者不明
(2008 浅尾 敦則 訳)
¥567
Amazon.co.jp

☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆

妹のウィニーと一緒に交通事故に遭った11歳の少年ウィル。

今もまざまざと心に残る臨死体験をしながらも生き残ったのだが、家族の笑顔の源だったウィニーはあたたかい光に満ちた空の向こうに飛んでいったままもどってこなかった。

破裂した脾臓や、複雑骨折した足よりも彼を苦しめたのは、幼い娘の名前さえ口にできなくなったパパと、髪にブラシもかけなくなったママ。

ママのお腹にいる赤ちゃんのためにも、なんとか両親の笑顔を取り戻したいウィルだが…。

ウィルが幼い妹ウィニーに向けて綴った154日間の手紙。

☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆

子どもを病気や事故で亡くした親は、自分たちに過失がなかったとしても、ほぼ間違いなく自分たちを責めることになるんでしょう。

そして場合によっては、直接にしろ間接にしろ、周囲の批判まで受けたりもして。

その子が病気にかからないように、あるいは治るようにもっとできることがあったのではないか、あの時2人で出かけさせなければこうはならなかった、などと繰り返し戻らない時間を思い、更に自分の心の傷を抉ってしまうものなんでしょうね。

自分自身、心も体も深く傷ついているウィルが、そんな両親をなんとか元気づけたいと奮闘する様が切なくて不覚にも何度も泣いてしまいましたが、ウィルの愉快な友人・ギャラガーや、とぼけたペットたちの愉快さと、新しく生れてくる命のためにも悲しみから立ち直ろうとする家族の姿に明るさを失わない物語でもあります。

先日読んだ『小暮写眞館』にも通じるものがありますが、こちらの方がよりストレートで涙にくれてしまう分、小説としてはちょっと卑怯なテーマですよね(苦笑)

解説は金原瑞人さん。

ようやく少し新しい職場にも慣れてきました。

とりあえず始業の20分前には職場に着いて研修に集中することと、自分の体調管理を心がけとります。

案外男性の多い職場で、久し振りに男性女性入り混じった同僚と呼べる人たちがたくさんできて、第二の人生?をエンジョイ中。

そんなこんなでしばらく読書量は増えませんが、ぼちぼち少しは読書時間も作れる余裕が出てきたかな?ってとこでしょうか。

ただし、まだ読書に集中できる感じではないので6月は軽めの本が中心になりそうです。

5月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3895ページ

雨にもまけず粗茶一服雨にもまけず粗茶一服
ひとくちにいえば、<坂東巴流>という武家茶道の家元の息子・遊馬の<自分探し>小説なのですが、再読してみてもなお、脇を固める人々がユニークで、しかも茶道や武芸、京都の文化の蘊蓄も押しつけがましくなくさりげなく楽しめる、読後感のしみじみと爽やかな物語でした。表紙のかわいい文庫も再版されていて未読の方にはおススメです。
読了日:05月29日 著者:松村 栄子
小暮写眞館 (100周年書き下ろし)小暮写眞館 (100周年書き下ろし)
いくつかの写真の謎を巡るミステリ風の物語で、高校生の少年を語り手にしたコミカルで甘い口当たりに惹かれて読み進むうちに、やがて心の中の軟いところをゆるゆると締め付けられるような家族小説の部分がクローズアップされてくる。そしてもうひとつ物語の軸をなすのは、当初社会人として大事なものをいろいろミスしていると見えた不動産屋の事務員・ミス垣本を見守る人々のつながり。近頃の世相や、社会の抱える問題にも触れながら、力いっぱい主張するんじゃなくて、あくまで小説の背景のように織り込んで描くさりげなさがいい。
読了日:05月18日 著者:宮部 みゆき
仮想儀礼〈下〉仮想儀礼〈下〉
日本のごく普通の街中を舞台にし、信者には伏せているものの一介の元地方公務員の書いたゲームブックの世界を教義とし、その実は常識的な道徳の心得の訓示や身の上相談しか行っていない教団の元に集った、どこにでもいる若者や主婦、経営者というそれぞれに孤独を抱えた信者層をリアルに描いたことが人気の秘密だろうか。複数の人間を巻き込んだリアルな物語だけに、人や現代社会の内に抱えるドロドロとしたものや狂気が、よりヘヴィーに描かれた作品。
読了日:05月15日 著者:篠田 節子
仮想儀礼〈上〉仮想儀礼〈上〉
感想は下巻で。シノセツはやっぱりおもしろい。
読了日:05月13日 著者:篠田 節子
サラトガ刑事の大手柄 (集英社文庫)サラトガ刑事の大手柄 (集英社文庫)
サラトガに住む冴えない中年刑事がニューヨークでかつての恋人とその息子のために奔走するうちに、同時にこれからの自分の人生を模索していたことに気づく。抑えたユーモアとペーソスに満ちた詩人でもある著者の文章がいい感じ。手に入れば他の作品も読んでみたい作家。マイクル・Z・リューインなどお好きな方ににおススメしたい気分に。
読了日:05月09日 著者:スティーヴン・ドビンズ
ベーグル・チームの作戦 (岩波少年文庫)ベーグル・チームの作戦 (岩波少年文庫)
国を問わずごく普通の少年や子どもを持つ家庭が出逢う微妙な問題を交えながら、ユーモアたっぷりに描いた楽しい作品で、この母親と兄とのやり取りや、何かあるごとに台所の電気の傘を仰いで神に祈る(愚痴をいう?)彼女のしぐさには大人の方がにやにやしてしまう。私に物語好きの子どもがいたら、カニグズバーグ作品集(岩波書店)を子どもをダシに本棚に加えたい。
読了日:05月08日 著者:E.L. カニグズバーグ
サキ短編集 (新潮文庫)サキ短編集 (新潮文庫)
ロード・ダンセイニ『二壜の調味料』の解説で江戸川乱歩の評論の中に登場するとして引かれ"可憐なる残虐"として触れられた「スレドニ・ヴァシュター」は未収録。ごく日常の出来事を題材にした話からファンタジックなホラー、ミステリ風の話まで、21の作品全編がブラックでユーモラスでシニカルなオチと、そこに至る登場人物の心理や情景の鮮やかな描写で楽しい。日本のSFやホラー作家にも多大な影響をあたえたという「開いた窓」や「おせっかい」だが、「開いた窓」の方は折原一の『異人たちの館』にもちょうどそっくりな意匠が。
読了日:05月08日 著者:サキ
ロスト・トレインロスト・トレイン
舞台や登場人物といった"材料"や手段は違うものの、著者が創り出すこの世と異世界との<間>は、前作『天使の歩廊』と共通する著者独特のの作品世界。それだけ確固たる作品世界を持った著者であると言えるのでしょうが、アッ、この人こんなモノも書けるんだ!と次の作品あたりで驚かせていただきたいと期待する。鉄道を題材にした小説でいうなら優れた先人の紀行文などから受ける感動には及ばない。それと比べる方がおかしいけど、ついね。
読了日:05月05日 著者:中村 弦
すべての美しい馬 (ハヤカワepi文庫)すべての美しい馬 (ハヤカワepi文庫)
日常の何気ない情景を描いた数ページで魅入られるような、独特の文体のレトリックを駆使した美しい文章で綴られる。ひとつひとつの情景が心に沁みいるように読み進めるうちに、いつしかどっぷりと作品の世界に。時に暴力と死の伴う物語の中、少年と旅の道連れとの短いやり取りの描写や、恋人と待ち合わせた駅に向かう途中の子どもたちとの会話には、愛しささえ覚える名作。
読了日:05月04日 著者:コーマック マッカーシー
風は悽愴 (徳間文庫)風は悽愴 (徳間文庫)
心に闇を抱える三人の男が間接にも直接にも日本狼の生き残りを巡って命がけの闘いを繰り広げる辛口のハードボイルド。大人の"男"のための動物小説。
読了日:05月02日 著者:西村 寿行

読書メーター
雨にもまけず粗茶一服/松村 栄子

¥1,995
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よしだTさんの『ちょんまげぷりん』の記事を読んで、そういえばこれと似て軽い感じの読み物の割にしみじみした読後感のある本だったなあ、と思い出し、再読してみました。

物語は、村上源氏の流れを引く京都の茶道の家元<巴家>から別れた傍流<武家茶道坂東巴流>の家元の長男・遊馬が、本家のある京都の空気に触れさせようという家元である父親・秀馬を偽って、都内の大学しか受験せず落第した上、ひょんなことからその事実がばれて、勘当されるところから始まります。

何の因果か、本人の意思に反して遊馬はその避けていた京都の、しかも巴家に縁のある畳屋に素性を偽って身を寄せることに…。

小学生ながら遊馬とは違って頭脳明晰な次男・行馬の遠大な計画とは何ぞや?

坂東巴家伝来の宮本武蔵の茶杓を持ち出した犯人とは?

そんな謎も含みながら、ひとくちにいえば、遊馬のいわゆる"自分探し"小説なのですが、再読してみてもなお、脇を固める人々がユニークで、しかも茶道や武芸、京都の文化の蘊蓄も、押しつけがましくなくさりげなく楽しめる、読後感のしみじみと爽やかな物語になっています。


文庫が絶版になっていたのがまた再版されたようで、こちらの表紙もかわいいですね。

私の中ではかなりおススメのランクインなので、機会があれば是非手にとってみて下さい。

雨にもまけず粗茶一服〈上〉 (ポプラ文庫ピュアフル)/松村 栄子

¥588
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雨にもまけず粗茶一服〈下〉 (ポプラ文庫ピュアフル)/松村 栄子

¥588
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しばらく時間の余裕というより気持ちの余裕がなく、更新を休みがちになると思います。

また、仕事に慣れたら是非交流してやって下さりませm(__)m
小暮写眞館 (100周年書き下ろし)/宮部 みゆき
(2010.5.15)
¥1,995
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買い物ついでに4階建てのスーパーの一角にある本屋に寄ったら目に留って、ぱらぱら捲ってたら続きを読みたくなったもんで、たまには本日発売ほやほやの新刊買うのもいっか、と連れて帰ってきました。

講談社創業百周年記念出版。

2月末からしばらく十数年ぶりに専業主婦してたんですが、この度無事再就職することになったんで、自分への就職祝いかな?

働いている時は家にいる間にあれもこれも、と思ってたのに、実際にやったのはPTA役員の引き継ぎと読書メーターで積読の登録、今までできなかったお友だちとの平日ハイキングやランチ会くらいでしょうか(苦笑)

長年いた小ぢんまりと緩い職場とは違い、今度の職場は研修や社内資格のテストが頻繁にあってみっちり勉強しないといけないらしい。

通勤時間も少し早くなってラッシュ時になるため、本が読めなくなることを考えると複雑な心境ながら、人が多い職場なので楽しいことも大変なことも変化があって面白いんじゃないかな、とは思ってます。

☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆

三雲高校に通う花ちゃんこと花菱英一の一家は、内弁慶ならぬ「内変人」の両親の希望で、不動産屋のいうところの「古家あり」の古家をそのまま補修して住むことになった。

<小暮写眞館>としてかつて町の人たちに親しまれたこの家に住む家族は5人。

父の秀夫と母の京子、小学二年生の弟・ピカちゃんこと光。

そして、女の子らしい花の彫刻がたくさんある白木の仏壇の扉の中には、動物園でお気に入りのワンピースを着て笑っている風子。

オレの妹で、ピカの姉ちゃんだ。

どうやらここにはもう一人、この写眞館の主、小暮泰治郎さんもいるらしい。

オレよりも「内変人」のオレの家族と波長が合うらしいテンコこと店子力(タナコツトム)とその友だちで甘味屋の娘・コゲパン、ジョギング同好会の秀才・橋口という4人を中心に、<クモテツ>(三雲高校鉄道愛好会)と女子<豆>バレー部の面々などの賑やかなメンツに囲まれる中、ひときわ異彩を放つST不動産のミス垣本。

そして、ある日見ず知らずのギャル系女子高生の持ち込んだ心霊写真(?)の謎を調べたことが原因で、<心霊写真バスター>の異名をとることになるのだが、、、。

☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆

久し振りに読んだ宮部みゆきの連作中編のような長編。

さすが、宮部みゆきは伊達じゃない。

これも日常の謎を巡るミステリなんだけど、高校生の少年を語り手にしたコミカルで甘い口当たりに惹かれて読み進むが、やがて心の中の軟いところをゆるゆると締め付けられるような家族小説の部分がクローズアップされてくる。

そしてもうひとつの軸をなすのは、当初社会人として大事なものをいろいろミスしていると見えたミス垣本を見守る人々のつながり。

そこここにハッとする文章や鮮やかに描き出されるシーンがあって、文章を描くことでこれだけの世界を創り出せる作家という職業はやっぱり凄いもんだ、と一人心の中で唸っていました。

近頃の世相や、社会の抱える問題にも触れながら、力いっぱい主張するんじゃなくて、あくまで小説の背景のように織り込んで描くさりげなさが好きだなあ。

今年年末に50歳になるという宮部みゆきさん。

是非、これからもいいホンをたくさん書いて下さい。