- 日曜哲学クラブ (創元推理文庫)/アレグザンダー・マコール・スミス
(2007 柳沢 由実子 訳) - ¥987
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スコットランドの古都・エディンバラに住む女性哲学者で<応用倫理学レビュー>誌の編集長、イザベル・ダルハウジーシリーズの第1作。
この訳者の名前を見ると思いだすのは以前は"おばちゃまスパイシリーズ"だったのですが、最近ではヘニング・マンケルのクルト・ヴァランダーシリーズ ですね。
上智大の英文科からストックホルム大学のスウェーデン語科という経歴で、英語だけでなく、北欧の文化までカバーできる貴重な方なんでしょう。
他の女性に心変わりした元夫に未練たらたらで、最愛の姪であるキャットの現在の恋人が気に入らず、キャットの元恋人・ジェイミーに友人関係といいながら実は仄かな恋心を抱いていたり、編集長と言えども日に数時間働けばすむ仕事で、"日曜哲学クラブ"という集まりそのものも、休日にわざわざ会合を開こうというメンバーが集まらないという理由で一度も開かれない…というなんとも煮え切らない、言いかえれば教養があるもののごく普通の中年女性ということでしょうか。
この作品の場合は、おばちゃまスパイならぬ"思索するおばちゃま探偵"という感じです。
彼女は40代前半という設定(つまり私より年下)なんですが、その彼女がまた、人に切符を押しつけられたという煮え切らない理由でコンサートにでかけ、天井桟敷からハンサムな若者が墜落する事件を目撃します。
イザベルは持ち前の知的好奇心と倫理観から、その若者の死の真相を個人的に追及することになり…。
推理するというより直接は事件に関係のない思索にほとんどのページ数を費やしながら、物語が進んでいくという、"寄り道だらけ"のミステリー。
絵や音楽、スコットランドの詩人や作家の話も豊富に織り込まれ、サスペンスを求めるよりもスコットランドの文化と人間観察を楽しむつもりで読める方ならいいかな?
イザベルの家政婦で、これまた40代とは思えない彼女の忠実な執事役であるグレースの存在も印象的。
それとも、私が精神的に幼稚なだけかしらね(苦笑)



