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クロヤギ頭の読まず買い

ちまちまと進まない読書をしつつ、本を買うのは止められない。

こんなに買っていつ読むん?と自分に一人ツッコミを入れつつ日々を暮らす不良主婦の読書(購入)記録ブログ

君のためなら千回でも(上巻) (ハヤカワepi文庫)/カーレド・ホッセイニ
(2007 佐藤 耕士 訳)
¥693
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君のためなら千回でも(下巻) (ハヤカワepi文庫)/カーレド・ホッセイニ
¥693
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これは最近時々行く新古書店で初めて知ったのですが、映画の原作ということでご存じの方も多いでしょうか。


アフガニスタンの首都カブールで生まれ、1980年にアメリカに亡命して医師の傍ら執筆活動をするという著者のデビュー作だそうです。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


1963年、カブールの裕福な新興住宅地で生まれたアミールは、物語をこよなく愛するパシュトゥーン人の少年。


聡明で美しかったという母親は彼を産んだ時の出血が原因で亡くなり、誰もに敬愛されサッカーを愛する勇敢な父・ババと、その親友でありビジネスパートナーのラヒム・ハーン、敷地内の小屋に住むハザラ人の召使のアリとその息子・ハッサンに囲まれて暮らしている。


同じ乳母の乳を飲んで育ち、ババも何かと目をかけて、事あるごとにアミールの支えとなるハッサンだが、2人の間には身分や宗教、人種の違いという壁があり、彼らの気持ちに関わらず、主人の息子と召使の息子という関係は変わるものではなかった。


12歳の冬の凧合戦の日、自慢の息子であることを望む父の愛を得るために必死だったアミールは、ハッサンの窮地に目をつぶり、その良心の呵責に耐えかね、更に彼に汚名を着せてしまう。


ハッサンが去った後、ソ連のアフガニスタン侵攻が始まり、やがてアメリカに亡命して37歳になったアミールに神から与えられた贖罪の機会は、試練でもあった…。

☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


臆病さと父の愛を得ることばかりにとらわれた結果、友を裏切った良心の呵責に毎夜眠れないほど苛まれ、それを更に決定的に友を突き放す形でしか解決できなかったアミールは、やがて父の明かさなかった事実と内なる苦悩を知ることになります。


優れた家族小説で、メインテーマはある男の少年時代に犯した罪の記憶と救いの物語ではありますが、ただ小説として楽しんで読むことが居心地を悪くさせるような、そんな社会背景の厳しさが心に残る作品。


私のように日々移りゆく世界情勢に疎い人にこそ、是非読んでもらいたい物語です。

λに歯がない λ HAS NO TEETH (講談社文庫)/森 博嗣
(2010.3)
¥550
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このシリーズは1冊しか読んでないのですが、昨日読んだ時代歯医者ミステリーに続けて"歯"に関係したミステリーを読んでみるのもいいか、と…


"ラムダ"という文字が"入"という漢字にも見え、タイトルが一瞬『入(に)歯がない』とも読める、こういうお遊びは好きだったりします。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


C大学工学部建築学科の学部生・加部谷と海月、留学生の李、院生の山吹と教授の国枝という研究室のメンバーが、共同研究をしているT建設技研の施設を借りての実験で泊まり込んでいた深夜、真向かいの構造系実験棟で事件が起こる。


同じ建物の中にT建設技研の研究者が残っていたものの、高度なセキュリティ・システムに守られた建物自体が密室という状況で、身元不明の4人の射殺死体が発見された。


至近距離で撃たれたと思われるその4人はほとんどの歯が抜かれ、ポケットには「λに歯がない」というカードが…。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


結局、死体の歯が抜かれていたことと、歯が抜かれた動機以外はあまり歯には関係ない話でした(笑)


それより、制振構造や免震構造といった一般人にも馴染みのある建築の話が素人にもわかっておもしろい。


「たとえば、一年間に自分がなしたことを考える。そのたった八十倍のことしかできない。一生はせいぜい三万日だ。たったの千カ月だ。病気や事故で、もっと短くなる可能性もかなり高い。生きていても、なにもできない時間や期間があるだろう。いったい、自分は何ができるのか?」


そんな耳に痛いセリフを含む犀川教授と西之園萌絵の哲学的なやりとり、加部谷恵美のボケっぷりと海月の冷静な分析、世間ずれした?学者とはかくあらんと思える国枝教授のキャラなんかがお楽しみどころでしょうか。


真賀田四季の影も見え、(私には)正体不明の探偵・赤柳も絡んできますが…なんせ、飛び入り読者なもので、この辺は流しておきます。


意外なお楽しみはプロ棋士・瀬川晶司の「文系棋士の解説」。


このシリーズはもちろん森作品を読むのが初めてという瀬川さんの解説に見るプロ棋士の友人たちの素顔が、将棋をかじった程度の私にも楽しく、将棋ファンならいかほどか。


おススメするかは別にして、歯医者ミステリといえば、こういうのもありましたね。

シンデレラ・ティース (光文社文庫)/坂木 司
¥600
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口中医桂助事件帖 南天うさぎ/和田 はつ子
(2005)
¥600
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解説の文芸評論家・菊池仁(きくち めぐむ)さんの「時代小説を面白くするポイントのひとつは、ヒーローやヒロインの"職業のユニークさ"である」という意見には大賛成。


他に『藩医 宮坂涼庵』という医者の目から見た"お家騒動もの"も書いているという著者ですが、この作品の主人公は"口中医"。


要は江戸時代の歯医者さんですね。


裕福な呉服問屋の息子に生まれた主人公・藤屋桂助が、心ない人からは金持ちの道楽と揶揄されつつ、庶民の歯の治療に奔走する傍ら、医者の娘で薬草の知識を持つ志保と、房楊枝(江戸時代のハブラシ)を作る職人の鋼次のチームで、遭遇した事件を解決するという時代ミステリーの連作短編、シリーズ1作目。


この時代、裕福な商家などを診る歯医者は"はいしゃ"、公家・武家を診る格式ある家柄の者を"口中医"と呼んだそうな。


一方の桂助は、庶民に親しみやすいよう<いしゃ・は・くち>という看板を掲げて低料金で開業する市井の歯医者さん。


じゃあ、この"口中医桂助事件帖"って副題は?ってことですが、長崎仕込みの腕と人柄を買われて、否応なく大奥にも出入りするようになることから、この先、更に身分の高い人物の治療も任されていくんでしょうね。


あの『しゃばけ』シリーズの若旦那のように幼い頃病弱で大甘で育てられた桂助ですが、実家を通じて時々入手する牛酪を使ってタルタやクウク(今でいうタルトとクッキー)まで手作りしてしまうという意外な一面も。


江戸時代の"口中事情"に限らず、呉服屋、かざり職人、蛋白質やカルシウムなどの栄養補給に桂助が患者に勧める乳製品の在り方や大奥事情など江戸の風俗も満載。


男も女も惚れる爽やかな主人公が活躍する気楽に楽しめるシリーズです。

「南天うさぎ」

「天上蓮」

「しろつめくさ」

「よわい桃」

「まむし草」

シャーロック・ホームズ四人目の賢者―クリスマスの依頼人〈2〉/ピーター ラヴゼイ
(1999 日暮 雅通 訳)
¥1,890
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ホームズ・パスティーシュを集めたアンソロジーのシリーズ『シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人』 に続く2作目です。

実はこのシリーズ通例クリスマスの時期に新刊が発売されるという話なので、今のうちに既刊のものは読んでしまおうと思い、季節はずれながら手に取ってみました。

もっとも、次の巻からはクリスマスストーリーに限定されないそうで、制約がなくなった分さらに面白いという噂?


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


「四人目の賢者」  ピーター・ラヴゼイ


「クリスマスの贈り物」  アン・ペリー


「慈善的のなことだよ、ワトソン君」 バーバラ・ポール


「クリスマスの最大の贈り物」 ローレン・D・エルスマン


「ラージャのエメラルド」 キャロライン・ホイート


「クリスマスの陰謀」 エドワード・D・ホック


「クリスマスの音楽」 L・B・グリーンウッド


「クリスマス・ベアの冒険」 ビル・クライダー


「博物学者のピン」 ジョン・L・ブリーン


「第二のヴァイオレット」 ダニエル・スタシャワー


「ヒューマン・ミステリー」 タニス・リー


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


チャールズ・ダーウィンをはじめ日本人でも誰もが知っている有名人たちの登場、その名前のアナグラムや本家ホームズの『ぶな屋敷』に登場するヒロインを再登場させ、あの名作との二重のパスティーシュになった作品など、真面目なパロディの楽しさ満載の1冊。


特にホームズがあの作家のペンネームまで考えてしまうラストにはにやり。


続編はこちら。

シャーロック・ホームズ ベイカー街の殺人/エドワード・D. ホック

¥1,890
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あ、読んでこれ欲しくなりました。

砂洲の謎 (1970年) (世界ロマン文庫〈19〉)/斎藤 和明/訳
¥998
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死美人 (新潮文庫)/ローレン ヘンダースン
(2002 池田 真紀子 訳)
¥700
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ご丁寧にも表紙の左下には"Tart Noir"と。


この"タルト"とはあの薄く伸ばしたクッキー生地の中にクリームを詰めて、フルーツなんかを載せたお菓子のこと。


いわゆる4Fの中でも、「凶悪な犯罪者とも対等に渡り合えるタフさと、調査の過程でいい男を見つければ恋だってしてしまう敏感な心を持ち合わせた女性探偵が活躍する」犯罪小説のジャンル(訳者あとがきより)を指すそうだけど…個人的にはどうもこういう細かいジャンル分けはあんまり好かん。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


サム(サマンサ)・ジョーンズは、才能がないわけではないが、まだそれほど売れてもいない彫刻家。


製作の傍らジムのインストラクターのアルバイトもしている。


パーティ会場となった4人の友人たち(トム、ポール、クレア、ジュディ)が暮らすキャッスル・ロードの家で、一方ならぬ交流のあった美大時代の恩師、リー・ジャクソンと再会したサム。


再会の喜びも束の間、サムは翌朝庭で冷たい死体となったリーを発見する。


リーの人柄と作品を敬愛するあまり、影響を受けすぎることを恐れて疎遠になった彼女との失った時間を取り戻すことができると思った矢先、永遠に失ってしまった…。


酔った上での事故という警察の判断に納得できないサムは、ゲイで、社会的に地位のある女性との恋に悩んでいると打ち明けたリーの言葉を手がかりに、単独で事件を調べ始めるが…。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


主人公は皮のジャケットやパンツにブーツ、あるいはミニスカートに網タイツといったファッションを愛用するロンドン在住の新進アーティスト。


酒とディスコダンスとジョークを愛し、ダッチワイフにつけられそうな名前という理由で"サマンサ"と呼ばれることを嫌っている女性。


原書のタイトルは「DEAD WHITE  FEMALE」。


邦題にもこの"WHITE"のニュアンスがあった方が雰囲気でると思うんだけど、難しいよね。

いかにも女性向きってミステリーも多い気のする中、これは性別問わず楽しめると思うし、まぁ人に薦めてもいいかなって思うくらいのレベル。


でも、本国じゃ2001年の時点で7冊も出てるらしいのに、邦訳が1冊だけってのはなぜ?


全部とはいわないけどもう少し出してくれてもいんじゃないのか、と新潮さんにいいたい。