翼をください/原田 マハ | クロヤギ頭の読まず買い

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ちまちまと進まない読書をしつつ、本を買うのは止められない。

こんなに買っていつ読むん?と自分に一人ツッコミを入れつつ日々を暮らす不良主婦の読書(購入)記録ブログ

翼をください/原田 マハ

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なかなか感想の書けない昨今ですが、面白かったので図書館に返す前にと久しぶりに記事にしてみます。

太平洋戦争の少し前、世界の大国にまだ日本にはまともな飛行機がないと思われていた頃、純日本製の飛行機で毎日新聞社のニッポン号が世界初の赤道上のルートをとった世界一周飛行を果たしたという史実に、それに先だって世界一周飛行中にニューギニア付近で失踪した実在のアメリカの女性飛行士、アメリア・イアハートの生涯を絡めて描いた小説。

本書は同新聞社の発行ですが、新聞社の名前やモデルになった人物の名前や経歴には手が加えられていますし、アメリア・イアハートことエイミー・イーグルウィングは近年海底に沈んだ飛行機や骨や遺品が見つかったとの情報もあり、かなりフィクションの要素の加わった伝記小説という位置づけでしょうか。

昨年日本でも「アメリア 永遠の翼」という映画が公開されていたそうで、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。


某新聞社の女性記者が、同社の主筆に社の周年記念企画の一環としてインタビューした際に尊敬する人物として挙げたカメラマンについて調べ始めた時、浮かび上がってきた「ニッポン号」の記事。

7人の乗組員がいたニッポン号の写真には絵具で白く塗り潰された窓があり、そこに写っていたのは…


少し前『永遠の零』も読みましたが、これは飛行機もパイロットもひたすら武器として使われるようになるわずかに前、ギリギリそれ以外の目的での飛行が許されながらも軍や国策とは無縁でいられないという微妙な時代のお話です。

女性の社会進出がはるかに難しかったと思われる時代、勇敢で行動的な女性の活躍する物語にはいつも勇気づけられるものがあります。

反面、家族と周囲の人々を支えてごく普通の主婦として笑顔を絶やさず生きることが実は一番難しかったりするような気もするんですけどね。

自分らしく生きたい女性の皆さんへ、是非。