昨日の続きです。
古代メキシコ展へ行って参りました。
『嵐の神の土器』
「テオティワカンで最も重要な神の一つで、農業に欠かせない雨を司る嵐の神を表した水差し容器。」
嵐の神は豊穣を齎しますので、農耕民族に大事にされますよね。
『椀』
オレンジ色で、表面がよく磨かれた薄い器壁をもつ椀。このような特徴を持つ土器は、テオティワカン南のプエブラ地域で生産され、市場での交換の為に持ち込まれた。」
高級な食器として使用されたのでしょうか。
お色の彩度も高めで、貴重なことがわかります。
テオティワカンの「羽毛の蛇 (ケツァルコアトル) ピラミッド」から、羽毛の蛇神石彫。
これ、見たかったのですよねえ。
百神の落書きをしました折に、少しアレンジして描きましたことが御座います。
此方はシパクトリ神の頭飾り石彫。
古代メキシコらしいデザインです。
『嵐の神の屋根飾り』
「テオティワカンの大半の住民が暮らしていたのは中庭を持つアパートメント式住居で、その屋根の上部に飾られた。アステカ文明でトラロク神と呼ばれた嵐の神は、雨と農耕を司った。」
これは素敵なタイル状の土製飾り瓦です。
彩色も美しく、素敵ですなあ。
何かキーホルダーやアクリルボードや、そういった飾ることが出来るお土産が欲しいです。
『支配者層の土偶』
大きな口を開けた蛇の冠を被り、壮麗な服を着て円形の王座か椅子に座っている。このような豪奢な服装は大きな祭祀の際の装いである。王ないしそれに次ぐ高位の男性を表した土偶であろう。」
当時の豪華なお召し物が分かる、良い資料です。
土偶と申しますと粘土で粗く捏ねたようなものを想像致しますが、マヤの時代ではこんなにも表情まで作り込んだ粘土細工が出来たのですね。
『星の記号の土器』
「中央の十字形と四つの円から成る黒い記号は金星などの星、尾を引く図像は流星と考えられる。メソアメリカでは、金星は太陽と月と並ぶ重要な星として崇められ、観測の対象とされた。」
我々絵描きはどうのように筆を進めたのかが大体わかってしまうのですが、これは真ん中から外へ広がるように、左右対称などを考えず下書きもなしで自由に思いつく侭描いていったように見えます。
縁の部分は図案が決まっていたようですので、別の土器に何度も描いてきた定番図案なのかもしれません。
発想が子供のようでまだ洗練されてはおらず、故に自由で可愛らしい仕上がりとなっておりますね。
壁に、マヤ文字が投射されておりました。
此方も土偶ですが、大変細かく個性も掬い上げており写実的なお顔と三等身にデザインを詰められた、これ程の技術を既に持っていた文明だということが分かりました。
文字の進化とはまた違ったデザインセンスで土偶が進んでいるように感じます。
『首飾り』
「マヤの人々は翡翠と海菊貝を珍重した。翡翠はグアテマラ南東部のモタグア川流域で産出し、海菊貝は太平洋沿岸で採取され、各地に流通した。中央Nペンダントはとうもろこし神か。」
綺麗な翡翠色と、桜色が美しいです。
貝は様々な種が採れた筈ですので、一般の国民も華やかな首飾りをしていたのでしょうね。
『アラバスター容器』
「炭酸カルシウムが層状に退席した半透明のアラバスターで作られた容器。造形には多大な労力がかかり、メソアメリカ各地で珍重された。」
綺麗な円柱とは言えませんが、かなり滑らかに形を整えて削って御座います。
硝子のなかった当時は半透明の物質は希少なものだったでしょう。
古代メキシコではカカオのドリンクが好まれたとありましたが、これにはコーンのアルコール、蒸留酒などが注がれていたのではないでしょうか。
この器で古代の御酒、飲んでみたいですね。
続きます。