ありがとうがいっぱい ~戒名のお話~ | 善住寺☆コウジュンのポジティブログ☆ 『寺(うち)においでよ』

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但馬、そこは兵庫の秘境。大自然に囲まれた静かで心癒される空間に悠然とたたずむ真言宗の御祈祷と水子供養の寺『善住寺』。目を閉じてください。聞こえてくるでしょう。虫たちの鳴き声 鳥たちのさえずり 川のせせらぎ・・・誰でも気軽にお越し下さい。寺(うち)においでよ!

 今日は雲ひとつない青空が広がった快晴だった。

お葬式だったんだけどね、とても印象に残るものになったんだ。

 

 見送る皆さんが大泣きで、

悲しいね。悲しいね。

寂しいね。寂しいね。

そんなお葬式になった。


 でもね、それとおんなじくらいの

ありがとう。ありがとう。

にも溢れたんだよね。

 

みんなみんなが、

ありがとう。

ありがとう。

って。


 その言葉たちから僕が感じたイメージは、暗いものではなくって、とてもキラキラしたものを感じたんだ。


 そしてそれを象徴するかのようにね、

お別れを終えて火葬場に向かう時、

太陽が反射して、川がほんとに

目が眩むくらいにキラキラと輝いてるの。

 


 まだまだ若いしね、

ほんとに惜しい命をしみじみと思うんだ。


 でも、

こんなキラキラなお葬式はなかなかないなって、

僕は秘かに感動もしてた。

 


 戒名にも光を使ったんで、ぴったりかなって自己満足。

それと俗名から武さんの「武」という字も使えたね。

 

 戒名には仏の言葉に沿うものを選ぶんだけど、「武」はないと僕は思い込んでいたんだよね。

 なんだか「武士」とか「武器」とか、戦うイメージがあって、僕の中では戒名から外すことも考えながら、本をめくってた。

 

 そしたらなんとあったんだ。
その意味を見て、僕はなんだか震えた。

 

 そこには、

「勇気の」

とあった。


 すぐにその下に付ける文字は閃いた。

「優」という文字。

 

 強い人は皆優しい。
優しい人は皆強い。

 

 本当に強い人とは。
本当に優しい人とは。

両方を兼ね備えている。

 

 これはコインの表裏のように感じていて、僕は戒名の中で陰陽を統合したんだ。

 


 闘病生活。

奥さんとのリハビリ。

 その中から生きておられる最中にも、

たくさんの「ありがとう」を聞いた。


 僕は故人と奥さんを通じて、

勇気と優しさを教わった。


 だからこそ、この戒名を捧げたい。

ますますの「武」と「優」で照らし続けてほしいという願いを込めて。