まことにめでたく嬉しいことです。
20才のご報告に、着物姿でお寺までわざわざ来てくれました。
長年習字教室に通ってくれ、寺っ子体験スクールにも何度も参加してくれた二人。
ほんとに大きくなったね〜。
可愛い女の子が、美しい女性に成長されました。
但馬の秘境にある真言宗のお寺、善住寺。
僕は善住寺の住職をしている弘純(こうじゅん)といいます。
このブログではお寺の生活、子育て、夫婦のパートナーシップなどを通じて自分に気づいていく僕自身の姿を表現しています。
それとともに「今お寺が存在する意味」を精一杯考え、伝えていければと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
【特に読んでほしいテーマ】
《テーマ1》 『 い の ち 』
僕のブログの中で、これを一番に読んでほしいって思います。
《テーマ2》 『 お寺に生まれて 』
僕というお坊さんができるまで。 生い立ちから修行時代まで。
《テーマ3》 『 お 経 』
お経に書かれていることを、僕なりに読み説いていきます。
【善住寺公式ホームページ】 http://www.zenjuji.jp/
【善住寺YouTube】 http://www.youtube.com/user/koujun1976
【コウジュンtwitter】 https://twitter.com/koujun1976
皆様、あけましておめでとうございます。
旧年中はたくさんの「いいね」や「コメント」をいただき、ありがとうございました。
本年もまた仲良くしていただければ幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
さて、年末に有馬温泉であった兵庫ブロックの檀信徒研修会で、元アナウンサーの田口恵美子さんの講演がありました。
元プロ野球選手田口荘さんの奥様です。
田口選手はメジャーリーグでもご活躍され、恵美子さんもアメリカで共に生活をされています。
そこで経験した「女は家を守るべき」「家の事は女がするべき」といった日本の「嫁」とは考え方が違う、アメリカの「レディーファースト」の文化についてお話し下さいました。
日本だと育児を他人に任せたりすると育児責任を周囲から問われたりすることがありますが、アメリカでは育児を母親だけでせずにベビーシッターを利用するのは一般的なのだそうです。
食事を作るなどの家事代行サービスも気軽に利用されており、それによってできた時間を夫婦のコミュニケーションを取る有意義な時間に充てているといいます。
恵美子さん家で妻の手料理が食べたいという旦那さんの希望で食事を作り続けられたそうですが、メジャーリーガーの奥様はほとんど家事をしないそうです。
それでは何をするかというと奥様会に入って毎日のように熱心にチャリティー活動をしているというのです。
恵美子さんは活動に参加して疲れているのに食事も作らなければならなくて大変だったと話されていました。
その他にも、恵美子さんに荷物を持たせたことで他の奥様方から旦那さんが「ダメ男認定」されたことや、奥様が主役かのように派手に着飾って登場するレッドカーペットショーに疑問を覚えたため敢えて安物のガラス玉のネックレスで参加してバレなかったことなど、面白可笑しい小話もたくさん。
最後に「日本の風習、アメリカの風習、どちらがいいという話ではありませんが、知っておいていただければと思います」と締めくくられた素敵な講演でした。
私もレディーファーストという考え方の方が良いとは思いませんし、女性は一歩下がってと強要するような日本の考え方も良いとは思いません。
「ここは日本でアメリカじゃない」と切り捨てるのでなく、皆がいろいろな世界の物差しを知り、固定観念に苦しむ女性たちの心を弛めるためのアイディアにできればいいと切に願います。
日本社会は男女格差が大きく「ジェンダー・ギャップ指数2024年」の報告によると日本は146ヵ国中118位で、先進国のなかで最低ランクであるというデータが示されています。
中でも田舎はさらにその傾向が強いといいます。
元兵庫県豊岡市市長の中貝宗治氏は地方の人口減少の要因として決定的に見落とされていたことが、ジェンダーギャップ(男女格差)であると述べられています。
若年世代の人口移動を都道府県別で見ると、この10年間で全国33の道府県で男性より女性が多く流出しており、中でも豊岡市は男性の2倍の女性が去っているという調査結果が出たそうです。
その現実を直視した時、田舎は特に男尊女卑、男女不平等な風潮が根強いことも大きな原因だと気付かれたのです。
よく都市に人口が流出してしまう理由として「地方軽視の政治が悪いからだ」とか「大企業を誘致しないからだ」という声も聞こえてきますが、それ以前にそもそも田舎は若い女性が住みづらいと感じる環境であるということを我々も知っておく必要があるはずです。
例えば、田舎の閉鎖的環境で「あそこの嫁はしょっちゅう家を空けている」とか「子供を預けて母親が遊びに行っている」という言葉が耳に入ると、女性を家から出にくくする社会的心理操作が強く働き、苦しめることになるでしょう。
そうならないよう皆がしっかりと格差問題を意識し改善していかなければなりません。
・男女共働きの中でなぜか家事は女性だけが受け持たされている。
・旦那は仕事で妻は家事と分担してきたけれど、定年後旦那はごろごろしてばかりだ。
・介護は嫁の仕事だということにいつの間にかなっている。
・法事の時、男は飲んで食べてするだけなのに、女は給仕に使われる。
・お茶出しなんて男にさせられない。女の仕事だと言われる。
このようなフェアじゃない出来事が当たり前とされてきたわけですが、納得できないよと声を上げる方が近年増えてきました。
「仕方がない」と受け入れてきた方々も、ようやく変わらなければならないと気づき始めました。
とはいえ理念は理解できていても、変えたくないという抵抗が根深いのも事実です。
古き良き時代の幻想にとらわれた人たちにとって、男女格差があったとしても「昔はよかった」「今より幸せだった」という思いから離れられないのかもしれません。
しかし今、田舎は息苦しい、日本は生き辛いとして外へ出ていく若者たちの姿、特に女性の姿が取り組むべき課題であることを教えてくれています。
豊岡市はジェンダーギャップ解消のために取り組み始めました。
我々も一人一人が男女の価値に差はないことを意識しつつ、アンフェアな言動やしきたりを公正していきたいものです。
私も妻に「寺嫁」という概念を知らぬ間に押し付け、モヤモヤとした気持ちにさせたことが多々ありましたし、今もあると思います。
外出していたのに、お茶出しをするためだけにわざわざ慌てて帰宅してもらうような不合理なこともあります。
使った法衣を畳むことなく任せきりにしていることもあります。
少しづつ変えて行っているつもりですが、今後は嫁とか女の役割だと縛らず、公正だと感じてもらえるような分担をしていけたらと思います。
「やって当たり前」にすると感謝も湧きませんしね。
仏教では迷いの世界を超えて真理を体得する「悟り」を目標にしていますが、「悟りは差取り」とも表現されます。
まさに全ての人々の間に本来上も下もなく、優も劣もないのだという「差」を取った世界を体得することが究極の目標なのです。
合掌
令和7年 元旦 善住寺住職 山地弘純
今年もとうとう終わりですね。
28日の朝から三女が発熱。引き続き夜には長女も発熱。
予想通りインフルエンザでした。
二人とも高熱が出ましたが、昨日には三女が平熱に下がり、今日は長女もほぼ回復した模様です。
今は3人で仲良く部屋でテレビを見て楽しそうに過ごしています。
頭が重いという妻や、微熱があるといった母や祖母もなんとか持ちこたえ、新しい年を迎えることができそうです。
僕は何事もなく元気にしています。
今年もいろいろありました。
長女に続き、中学に入学して最初は頑張っていた次女までクラスに入れなくなりました。
学校が学びの全てじゃないことを親子で実証していく道なのでしょう。
長女など全く授業にも出ることなく家で勉強もしないのですが、「しなくていい。ただ本だけは読み続けてほしい」という願いに応えて、たくさんの小説を読み耽ってくれています。
別室で受けたというテストももちろん散々でしたが、唯一国語だけは、先生が苦笑いしながら「複雑だけど、学年で一番だったよ」と答案を返してくれたと嬉しそうに語っていました。
それでいいと思います。
次女にも「本だけは読んでほしい」と伝えているのですが、彼女は「本読むの嫌い」といって逃げてしまいます。
逃げていった先で熱心にピアノを弾いている音が聞こえてきます。
それでいいと思います。
次女のピアノと長女のクラリネットでNCSというグループの曲を演奏するために猛練習している時もありました。
それを部屋の外から聞きながら、すごく感動していたものです。
毎日夜になると三女も含めて3人で僕のパソコンを占領してなんだかワチャワチャとゲームやらチャットやらをやっています。
「全く勉強もせずにこんなものばかりやって」と思わないわけではありませんが、先日長女も次女もタイピングのタイムが一番だったという報告があると、無駄なことなどないもんだと納得させられているところです。
いろんな可能性があるんだな〜としみじみ。
心配するよりも、大丈夫なのだという信頼をしながら、これからも見守っていけたらと思います。
引っ込みがちな二人ではありますが、夏休みには家族そろってタイにも行くことができました。
学校での居場所に悩む長女と次女には、「学校なんてほんと小さな世界だよ。その先には楽しいことで溢れてる大きな世界が広がってるから」って伝え続けていくつもりです。
今年は能登の地震から始まりました。
僕は「高野山心の相談員」として二回被災地支援に行かせていただきました。
「心の相談員」は僕にとって、「そのままのあなたがいい」と仲間たちから認めてもらえた居場所です。
そんな居場所が娘たちにも見つかるはずですし、そのままでお役に立てる場所がきっとあるはずです。
皆さん、今年もありがとうございました。
どうかよいお年をお迎えください。